UUUMマーケティング執行役員・宮﨑航(わたる)が、社内で働く人々にフォーカスし、挑戦や仕事の舞台裏をお届けする「ミヤザキワタルコラム」。
プロモーション施策において、「ターゲットの関心が他に向いてしまっている」あるいは「情報が飽和して注目を集めにくい」といった逆境に直面したことはないでしょうか? 今回は、そんな状況を打開し、Webプロモーションにおいて参加者を集め、圧倒的な熱狂と盛り上がりを生み出した、UUUMマーケティングのゲームチーム「スタジオ『成せ。』」をピックアップします。
昨今、数多くのストリーマーが参加するゲームイベントが大きな話題を呼ぶ中、スタジオ「成せ。」は先日、新作ゲーム『ARC Raiders』のプロモーションにおいて独自のイベントブランド「帰せ。」(読み:きせ)を立ち上げました。第1回、第2回で超大型ストリーマーを巻き込み圧倒的な数字を獲得し、さらに他イベントと日程が被る逆境の第3回では、「質(エンゲージメントやアーカイブ再生)」でも確かな成果を創出しています。
いかにしてコミュニティの熱量を高め、広告主のROI(投資対効果)最大化へと結びつけるのか。その鍵となる「コミュニティの熱狂を生む文脈設計」と、営業・キャスティング・制作まですべてを担うチーム連携の裏側に迫ります。
写真左から:宮﨑 航(UUUMマーケティング株式会社 執行役員)、川上 宙子(UUUMマーケティング株式会社 マーケティングパートナーユニット 営業担当 兼 スタジオ「成せ。」プロデューサー)、北村 裕基(同 営業チームリーダー 兼 スタジオ「成せ。」チーフプロデューサー)、廣保 亜藍(同 配信制作・キャスティング担当 兼 スタジオ「成せ。」キャスティング・ディレクター
それぞれがプロフェッショナル。個性と強みが交差するチーム編成
── 宮﨑:今日はよろしくお願いします。ストリーマーを起用した独自の企画で素晴らしい成果を出しているゲームチーム「スタジオ『成せ。』」の皆さんに、『ARC Raiders』プロモーション施策の裏話を聞かせてもらいたいと思います。まずは自己紹介からお願いできるかな?
川上:コミュニティ文脈の抽出や企画のアイデア立案、クライアント折衝を担当している川上宙子(かわかみ ひろこ)です。大学卒業後はゲーム攻略サイト運営会社に入社して、SEO対策や自社プロダクトの営業などを行っていました。休日は毎週のようにクレーンゲームに通うほど、アニメやフィギュアのカルチャーが大好きです(笑)。
廣保:配信制作とクリエイターキャスティングを担当している廣保 亜藍(ひろやす あらん)です。社内ではアランと呼ばれています。アメリカのオハイオ州生まれなのですが、生後3ヶ月で日本に帰ってきたので当時の記憶はまったくありません(笑)。広告代理店でWeb広告の営業を経て入社しました。対戦ゲームをこよなく愛しています。
北村:チームリーダーとしてマーケティング戦略の全体設計とルールの落とし込みを務めている北村 裕基(きたむら ゆうき)です。もともと飲食店のサイト営業をしてたんですが、自分自身がYouTubeのエンタメ性に魅了されて入社しました。サウナと神社と都市伝説が好きです!
単発施策からの脱却。圧倒的数字を記録した第1回・第2回大会
── 宮﨑:ゲームタイトル『ARC Raiders』は、荒廃した未来の地球を舞台に、迫りくる機械の敵や他のプレイヤーと戦いながら、物資を集めて無事に帰還することを目指す「脱出シューター」と呼ばれるジャンルのゲームですよね。このタイトルのプロモーションとしては、最初から「帰せ。」という複数人を巻き込む形式を提案したんですか?
「『帰せ。』in ARC Raiders 第1〜3章」大会バナー
北村:いえ、最初は単発のゲーム実況配信としてお話をいただいたのですが、あえて複数のストリーマーを巻き込んだイベント形式をご提案いたしました。
川上:今の視聴者の方々はエンタメに対する解像度がすごく上がっていて、ただゲームをプレイする単発の配信だと「PR案件だな」とわかったときに、内容が伴っていないとすぐに冷められてしまう傾向があるんですよね。
北村:そうなんです。昨今はコミュニティが活発なので、ひとりで見せるよりも、複数人が絡むことで起承転結が生まれたり、コミュニティ全体でワイワイ盛り上がれたりするコンテンツが求められています。脱出シューターというゲーム性も、仲間と遊んでドラマが生まれる形式に非常に向いていると考えました。
── 宮﨑:なるほど。実際に第1回、第2回と実施してみて、手応えはどうでしたか?
廣保:加藤純一さんをはじめとする超大型ストリーマーの方々をキャスティングできたことが大きく、同接数(※同時接続数:ライブ配信をリアルタイムで視聴している人数のこと)も圧倒的な数値を記録しました。キャスティングについては、ただ出演をお願いするのではなく、私たちチーム全員がストリーマーの皆さんの純粋なファンでもあり、過去の配信傾向や人間関係まで深く理解しているので、「この方をアサインするためには、こういうメンバー構成にすればストリーマー自身が『これは面白そうだ』と前のめりに参加したくなる」という座組や構成を設計できたのだと思います。
川上:その熱量がコミュニティにも伝わって、「帰せ。」という企画自体が『ARC Raiders』を代表する定番ブランドとして定着していく確かな手応えを感じましたね。
── 宮﨑:そもそも、なぜ独自のイベントブランドを立ち上げようと思ったんですか?
北村:もともと社内に「超滅(『Apex Legends』の大会)」という先行する大会タイトルがあって、それに並ぶものを作りたいとずっと思っていたんです。
川上:それに、しっかりとブランドを作ることで、クリエイターさんたちにも「UUUMが作っている大会なら安心だ」と認知されやすくなり、オファーを受けていただきやすくなるという狙いもありました。
北村:現在、UUUMマーケティングが展開する大会ブランドとして、今回の「帰せ。」の他にも、「成せ。」「騙れ。」「駆けろ。」など、カギ括弧に丸(「。」)をつけた統一フォーマットのブランドを展開しています。
── 宮﨑:なるほど、そういう戦略があったんですね。ちなみに、この「帰せ。」という独自の大会タイトルにはどんな由来があるんですか?
北村:実は、私の好きな漫画に「……その魂よ炎に帰せ(きせ)」というセリフがあって、言葉の響きがかっこいいのでずっと頭に残っていたんです。『ARC Raiders』はアイテムを「持ち帰る」ことが目的なので、大会タイトルを考える中で「帰る」というキーワードが、ある瞬間にこの「帰せ(きせ)」に結びつきました。あえてすんなりとは読めない違和感を残すことで、視聴者の印象に強く焼き付けたかったんです。
逆境の第3回。「量」の壁を「質」で超えたコアアイデアと配信制作
── 宮﨑:そして迎えた第3回ですが、このときは他社の超大型イベントと日程が被ってしまうという逆境だったんですよね。
川上:はい。リアルタイムの視聴者がどうしても分散してしまう悪条件がすでにわかっていたため、今回は量(リアルタイムの同接数)ではなくエンゲージメントという「質」に特化する戦略をとりました。
北村:そこで川上さんが中心となって考えたのが「師弟の絆」というテーマです。
川上:はい。コミュニティが熱望しているストリーマー同士の「初の組み合わせ」を実現し、視聴者が深く感情移入できるストーリーを設計すれば、必ず熱狂を生み出すことができるはずだと考えました。
「『帰せ。』in ARC Raiders 第3章 / 第1章」配信より
廣保:そのエモい企画を机上の空論で終わらせないために、制作側でもかなり工夫しました。実はこのゲーム、対戦機能はあるのですが、eスポーツのような専用の「大会(観戦)システム」は備わっていないんです。そこを私たちがゼロから独自のルールを設計し、初心者のストリーマーさんでも見せ場を持てるように調整しました。
北村:新タイトルに取り組むタイミングでは、チームみんなで集まって深夜まで徹底的にテストプレイをやりましたよね(笑)。実際に仮の環境を構築して、これなら大会として成立するか、クリエイター同士の仲間割れや助け合いといったドラマが生まれるか、時間内に見どころが作れるかなどをシミュレーションしてから提案に向かっています。
廣保:さらに、ウォッチパーティー的に楽しめる「見届け人(B面)配信」を用意するなど、視聴者が飽きない仕組みも徹底しています。私は普段から、仕事ではなく趣味でもゲーム配信をしているので、TwitchやOBS(※Open Broadcaster Software:映像や音声を統合してライブ配信や録画が行えるPC用の配信ソフト)などの配信技術には精通しているつもりです。企画が技術的に実現可能かを即座に判断し、当日のスムーズな進行管理やトラブル対応まで完遂できるのは、私たちの強みだと思っています。
クライアントのROIを最大化する「PR資産」の構築
── 宮﨑:結果として、他イベントとの裏被りという逆境を跳ね返し、クライアント様に確かな成果をもたらしました。
北村:はい。ライブ配信の視聴維持率が70〜80%超という異常なほどの高さを記録しました。さらに、リアルタイムの同接数の数十倍に及ぶ爆発的なアーカイブ(録画)再生を生み出すことができたんです。
川上:大会は、単なるライブ配信で終わるのではなく、後からアーカイブ視聴されることで、ロングテールで効き続ける「PR資産」にもなりました。クライアント様にも、一過性のバズではなく長期的なROI最大化につながるということを実感していただけた好事例になったと感じています。提案の段階から、私たちの「熱意」だけではなく、過去の切り抜き動画の再生数など具体的な「数字(データ)」をセットで提示し、プランニングの確かな根拠としてお見せしていたので、うまく着地できたなとプランナーとしての満足感もありました。
熱量 × 戦略 × 実装。推進力と現場のリアルな感覚を束ねるチームシナジー
── 宮﨑:話を聞いていると、3人の連携がすごくきれいに機能しているのがわかるね。普段のコミュニケーションも含めて、お互いの存在についてはどう感じているのかな?
北村:川上さんのすごいところは、圧倒的な巻き込み力と行動力ですね。熱量の高いアイデアが出たら、社内外問わずものすごい推進力で道なき道を開拓していくんですよ(笑)。スピードも人の4倍速いですし、あれだけ動いているのにタスク漏れを一度も聞いたことがないくらい確実なんです。彼女のその熱量とアイデアを、私が「視聴者視点」というブレない判断軸で精査し、自分で言うのもなんですが“愛のある”厳しい指摘も交えながら、しっかりとビジネスとして成立させるのが私の役割だと思っています。
川上:いつも私が好き放題に挑戦できる環境を作っていただいて、本当にありがたいなと感じています! 私が「こんなことができると面白いのでは!」と熱意先行で出した企画のタネを、クライアント様の要件にピタッと合わせてくれる北村さんと、実際の配信画面やルールとして完璧に落とし込んでくれる廣保さん。おふたりに相談すると必ずいい答えが返ってくるので、この頼もしいバックアップは当たり前じゃないなと日々感謝しています。
廣保:北村さんは基本、肯定から入ってくれるんです。だから僕や川上さんも萎縮せずに、気持ちよく仕事ができていて(笑)。川上さんが抽出した文脈を北村さんが全体戦略に落とし込み、僕がキャスティングと技術で形にしていく。僕は仕事から離れても、プライベートで趣味としてゲーム配信をしているほどの現役プレイヤーなので、配信プラットフォームの仕様やリアルな空気感には詳しいんです。当日のトラブル対応も含め、この3人のシナジーがしっかり機能しているからこそ、どんな逆境であっても確かな成果を生み出せているんだと感じています。
今後の展望と目指す姿
── 宮﨑:最後に、今後の展望をそれぞれ聞かせてください。
廣保:大会機能がないからとイベント展開を諦めているゲームメーカー様に、ルール設計次第で熱狂的なイベントは創れるということを伝えていきたいです。安定した高品質なプロモーション制作を提供し、世の中にまだ埋もれている面白いゲームのポテンシャルを、もっと引き出していきたいですね。
川上:界隈の熱量を一番理解するプランナーとして、ゲームファンや視聴者から「あの企画だから絶対にリアルタイムで見たい!」と指名してもらえるような、ブランド力のあるコンテンツを生み出し続けていきたいです。
北村:今回は「帰せ。」というブランドを確立できましたが、先ほども触れた「成せ。」や「駆けろ。」といったブランドも、業界を代表するような影響力のある大規模イベントと肩を並べられるような存在に育てていきたいです。ゲームメーカーの皆さまにとって最強のパートナーになるようなプロジェクトを創り続けていきたいですね。
【ミヤザキワタルの視点】
今回の「帰せ。」の事例が示すように、マーケティングにおける真の成果は、ファン視点の熱量と緻密なデータ戦略、そして確かな制作技術が噛み合った時に生まれます。営業・プランニング・キャスティング・配信制作までを自社チームでワンストップで完遂できるUUUMマーケティングだからこそ、既存の枠組みにとらわれない提案が可能であり、予期せぬリスクや逆境にも強い再現性のある施策が打ち出せます。
いつまでも、クライアント様から信頼され、確かなビジネスの成果を届ける「最強のマーケティングパートナー」でありたいと考えています!
次なるヒット施策の創出を、ぜひ私たちにお手伝いさせてください。
次回のコラムもお楽しみに!
■ ワンストップでの施策提案・実行支援
UUUMマーケティングでは、インフルエンサーを起用した施策はもちろん、今回ご紹介したような「現場のリアルなインサイトを突く戦略立案」から「広告運用のリアルタイムな最適化」まで、ワンストップで伴走いたします。YouTubeに限らず、TikTokやBeReal等を含めたクロスチャネルでのご提案も可能です。「自社商材に合う新しい見せ方を提案してほしい」「まずは情報収集から始めたい」といった段階でも、ぜひ下記ボタンよりお気軽にご相談くださいませ。