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農業の抱える、こだわるほど儲かりづらい矛盾〜ビビッドガーデン創業秘話〜

ビビッドガーデンとは

株式会社ビビッドガーデンは2016年11月29日に設立した農業系ベンチャー企業です。
現在、農産物のマーケットプレイス「食べチョク」を運営しております。

オーガニック農作物を栽培している生産者から、お気に入りの農作物を「農家直送」で送ってもらえるサービスです。倉庫など介すことなく、収穫したての野菜やお米を農家さん自身で梱包・出荷。最短で24時間以内に届く新鮮な食材をお楽しみください。

そんなビビッドガーデンを創業したのは、DeNA出身の秋元里奈です。
今回は、秋元がなぜ、どんな思いで事業を立ち上げたのか、その創業秘話をご紹介します。

自分のやりたいことって何なんだろう

CEO秋元は、大学卒業後は株式会社ディー・エヌ・エーにて、ゲーム事業やメディア事業など、農業とは全く関係のない仕事をしていました。当時は、DeNAやサイバーエージェント、グリーといった企業が提供するソーシャルゲームが伸びていた時代でした。ビジネスの力をいち早く身につけるために「最も伸びている業界でスピード感をもって成長しよう」と考え、この業界を志望した秋元。

実際、入社後はソーシャルゲームに限らず、webサービスのディレクター、営業、新規事業の立ち上げを経験した後、スマートフォンアプリの宣伝プロデューサーに就任。
仕事自体は非常に楽しく、やりがいを持って取り組んでいた一方で、「自分のやりたいことは何なんだろう」というモヤモヤが常に頭の中にありました。

休日を利用して色々と事業を考えていくうちに、まずは「実家の問題」を解決したいと思うようになりました。実は秋元は神奈川県相模原市の農家に生まれまれており、実家の農作業者がどんどん高齢になり、ついに母一人となってしまった今、農地のほとんどが作物を育てていない「遊休農地」になっていたのです。

遊休農地を持て余すのはもったいないと思い、どうにか有効活用できないかと考えはじめました。農業について勉強をしていくうちに、高齢化による課題を抱えているのが、どうやら実家だけでないことを知りました......

自分の強みを使って農業の課題の一つを解決したい

現在、日本の農家の平均年齢は 66 歳。実家と同じような悩みを抱える農家がたくさんいるという現状を目の当たりにして、「DeNA で培った IT の知識を活用し、日本の農業の抱える課題を解決したい」という思いが強くなりました。

小規模な農家さんは、販路がなかったり、後継者がいなかったりといった様々な課題を抱えています。野菜の取れる時期も限られる場合があり、なかなかうまく利益を上げることができない。そこで、今までITの世界で培った技術を使って、問題を抱える農家さんを助けるサービスを作りたいと考えました。

大きな会社の中では、新規で事業を進める上での限界を感じたり、自分の思いとは違う部分で諦めたりしないといけないことがあります。そこで、やりたいことを実現するために0から自分で起業し、新しいサービスをスタートさせることを決めました。

「食べチョク」を通した課題解決

秋元は小規模な農家さんには「販路がない」という問題に着目しました。例えば昔ながらの品種を代々受け継いで生産されている農家さんの作物は、こだわって生産されているにも関わらず、販路の確保が難しいのが現状です。なぜなら、野菜や果物を一般流通に乗せるためには、形や大きさに「規格」があるからです。
また、有機栽培や自然栽培などのオーガニック作物も、販路に苦労することが多いです。こだわればこだわるほど、儲かりづらい。この矛盾を解消するためにも、まずは基準が明確である「オーガニック農作物」に限定して「直販事業」を開始することを決意します。

農作物の通販という領域には既に多数のサービスが存在しており、その多くが倉庫に野菜を集め、サービス名でブランディングして販売をしていましたが、秋元は農家さんの「ファン」を作り出したいと思っていました。そこで農家さんから生産物を直送する事業モデルを検討。このモデルなら購入者にも大きなメリットを提供できます。農家さんとより深く繋がれるだけでなく、より鮮度の高い状態で農作物を届けることができるようになるからです。

こうして、2017年8月にオーガニック農作物に特化したマーケットプレイス「食べチョク」をリリースすることとなりました。

単なるECを超えてコミュニティプラットフォームへ

ありがたいことに、購入者数は順調に増えています。
ただ、“販売”は実現したいサービスの、あくまで一部でしかありません。
ビビッドガーデンは「生産と消費の距離を縮め、人々の生活を豊かにする。」をミッションとして掲げています。今後はここから、オンラインコミュニティを立ち上げたり、農業体験などと紐付けたりすることによって、農家と消費者の距離が近づく仕組みを作っていけたら、と思っています。

また、扱う商品に関しては、オーガニックをメインで扱う姿勢は守りつつも、たとえば糖度の高さを追求した果物を取り扱うなど、こだわりを持って生産されたものを取りそろえていきたいと考えています。
こだわって生産された農家さんにしっかりと還元される仕組みを作って、もっとその農作物が広めていきたい。

一方で、多くの農家さんが苦手とする部分でもある農作物の魅力を「WEBで伝える」ことは、ビビッドガーデンの得意分野でもあります。ネット販売のコンサルタントとして相談にのることもあります。どんな商品、どんな売り方・セット商品だと売り上げが大きくなりそうかを分析して、結果を農家さんにフィードバックしていくことも考えています。

まだまだ走り始めたばかりですが、今後はビビッドガーデンが提供するサービスが、農家さんにとってなくてはならないくらい価値のある存在になれるよう、様々な角度からサービスを提供していきます。
応援よろしくお願いいたします!!
興味を持ってくださった方、ぜひお気軽にご連絡ください。

ちなみに冒頭の秋元の写真ですが、撮影風景はこちら。
何をやってもなぜかシュールになってしまうビビッドガーデンです。

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