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フットワークは軽めに、「共感」と「学び」を探しに行く時代です。【つながる People #2】

つながりの「タテ」と「ヨコ」

仕事のフィールドは「タテのつながり」と「ヨコのつながり」の掛け合わせでできています。それでは、この2つのつながりは、それぞれどんな〈場〉を前提に生まれるものでしょうか。一般的には「上下関係」と「仲間関係」のことを指す両者の違いについて、もう少し立ち止まって考えてみようと思います。

「タテのつながり」は、仕事を遂行するうえで私たちが“組み入れられる”、既存のつながり。組織に所属するとおのずと生じるため、他律的なつながりだといえます。一方で「ヨコのつながり」は、仕事や職掌、組織の垣根を越えて“ゼロから生み出すつながり”。個人がフットワーク軽く活動することで広がる、自律的なつながりだといえるでしょう。

つながりは、縦糸と横糸が交差して初めて、布のように強くしなやかな広がりを持ちます。もし「タテのつながり」だけを追求したなら、強く太い「綱」にはなりますが、幅は広がりません。「ヨコのつながり」によって、仕事のフィールドは広がり、活躍の場が自由に選べるのです。あなたの周りの“仕事の幅が広い人”も、「ヨコのつながり」をたくさん持っているのではないでしょうか。

仕事のフィールドが広がる瞬間に、立ち合いたい

Wantedly People話題部が「イベント」や「コミュニティ」を出張取材する特集企画「つながる People」の2回目は、「ヨコのつながり」が生まれる瞬間に立ち合うべく、異業種の人たちが集う「BBQ@CS HACK in 渋谷」と、同じテーマのもとに学びたい人たちが集う「ITエンジニアコミュニティ eLV(engineer's Learning・Vesper)」にお邪魔しました。

人と人がつながる瞬間に数多く立ち会う中で感じたのは、2つのイベントが新たなつながりを生み出し続ける“エコシステム“でした。

つながりが“自律して増殖”する場〜「BBQ@CS HACK in 渋谷」

日本で唯一「カスタマーサポート エバンジェリスト」の肩書きを持つ藤本大輔氏が主催する「CS HACK」は、1500人弱が登録する日本最大級のCSコミュニティ。CSの仕事を「コミュニケーションを使った問題解決」と定義する藤本氏の呼びかけのもと、CSだけでなくマーケターからUI・UX デザイナーなど“コミュニケーションを仕事で用いる人たち”が集まります。

企業のカスタマーサクセス担当者が5分間のLTを競い合うイベント「カスタマーサクセス天下一武道会」には150名を超える人数が集まるなど、同職種間の交流会にとどまらず、互いの知識を交換し、価値を高め合う場として、CS業界以外からも注目を浴びています。

この日の「CS HACK」は、焼きたてのお肉とお酒、DJによる音楽を楽しみながら交流するフランクなBBQパーティー。カスタマーサポート業界をはじめ、マーケティング、デザイナー、人事、広報、セールスなど、総勢100人以上の、IT業界で働く幅広い業種が参加しました。今回、Wantedly People話題部は会場受付にQRコードをスキャンするだけで、藤本さんと名刺交換できる特製カードを配布、会場でのつながりをサポートします。

今日のBBQはWEB系の人たちが集まっていますので、たくさん交流いただければと思います!

BBQの開幕を告げる挨拶が終わるやいなや、会場内を隅々まで歩き回る藤本さん。イベント開始前から、多くのスタッフとともに現場の準備を行い、開場後も機材トラブルに対応しながら、続々と来場する参加者を迎える笑顔も忘れません。つながりが生まれる場づくりに忙しい藤本さんと参加者との”つながり”のサポート役を、担わせてもらいました。

DJが代わる代わる曲をつなぎ出すと、会場はクラブイベントさながらの盛り上がりに。互いに交わし合った名刺をきっかけに、日常の仕事のつながりでは出会えない「ヨコのつながり」が、自律的に次々と生まれていきます。

「二度目まして」が仕事のきっかけをつくる

会場にはファンキーな女装姿のDJも! 「DJ DAICO」と名乗るこの人物の正体はフリーランスの編集者、 古田島大介さん。このイベントの数週間前にも、同じ会場で自身の独立4周年パーティーを自費開催するなど、イベントごとには強いこだわりを持っているようです。

古田島さん「こういったイベントで女装DJをすることには、『はじめまして』の際のファーストインプレッションを強く残したうえで、『二度目まして』の質をあげたいという理由もあります。フリーランスで仕事をするうえでは、こうした場でつながった人に『思い出してもらえること』がとても大事。あとは、キラーパス的なオファーをいつでも受けられるように、いつもフットワークを軽くすることを心がけています(笑)」

私たち話題部の面々も、Wantedly Peopleの紹介をしながら、多くの方と名刺を交わしました。CS HACKの来場者は、誰も彼も自律的に「ヨコのつながり」を探しに来た人たちばかり。おいしいご飯と賑やかな音楽が、そのムードを演出します。

今日初めて知り合った人を他の知り合いに紹介し合うなど、「共感」によって自然発生的につながりが育っていく様子がそこかしこで見られたのも、自分の仕事の幅を広げたいという意志を持った、多様な職種の人が集まる「CS HACK」だからこそ。

その”自律性”の中心にいたのはもちろん、いろんな人を巻き込みつつ「CS HACK」というコミュニティを育ててきた藤本さんでした。

つながりが形を変えて“循環”する場〜「eLV勉強会」


「ITエンジニアコミュニティ eLV」は、「組織の枠を超えITエンジニアの価値向上に寄与する」ことを目的とした、オープンな勉強会と交流イベント。のべ2000人以上が参加するコミュニティでは、技術書やノウハウ本だけでは得られない技術が学べる勉強会が、毎週のように開催されています。同じ技術畑のエンジニアとの交流を通じて学び合い、さらなる高みを目指すメンバーが集まる場です。コミュニティ内には、メンターのいる勉強部屋「Hacker’s Free Space」、ICT関係者の"タマリバ”「Co-Creation BAR」など多くの分科会があり、この日開催されたのは講義型(セミナーやハンズオン形式)の「eLV勉強会」。

「日本のエンジニアのレベルの底上げに貢献したい」との思いから始まった、eLVは今年で5年目を迎えます。継続するコミュニティであるために、主催する冨元雅仁さんが心がけているのは「学びの循環を促すこと」だといいます。

勉強会へ教わりに来た人が、別の日には、自分の得意分野を教える講師として参加できる場であってほしい。興味に火がつくと、寝食を忘れて自ら覚えたくなります。そう思える技術に出会うきっかけになる、コミュニティでありたいのです。人に教えることが、自らの学びにもなりますし、講義を受けた人から「勉強になりました!」とひと言もらうだけで、次の講座の準備も頑張ろうというモチベーションになります。その循環を生み出せば、エンジニアのレベルを底上げできるのではないか。そういう考えで、今日まで続けてきました。

この日の、WEB脆弱性ハンズオン講座で講師を務めたフリーランスエンジニア「柴雑種」氏も、この”循環”のサイクルを体現する一人。eLV勉強会へ参加後、スタッフからWEBセキュリティの知識を見込まれて、講師役を買って出たといいます。

講師の解説を受けながら、参加者はWEBサイトへの”攻撃”を実際に体験したり、近年のWEBサイト攻撃手法を学びます。SQLインジェクションの体験では、脆弱性対策が施されていないWEBサイトのフォームからSQL文を送信すると、わずか数秒でデータベース内のすべてのIDとパスワードが表示される結果に。あまりの簡単さに、驚きの表情を見せる参加者も少なくありませんでした。


講座の終了後は、Wantedly Peopleを紹介して参加者同士の「ヨコのつながり」づくりをサポート。複数の名刺をまとめてスキャンする機能を通じて、会場内の出会いを「つながり」に変える体験を提供しました。この日の「講師と受講者」のつながりは、また別の日には「受講者と講師」になるかもしれません。

つながりのエコシステム

豊かな森を育む土のように、それぞれの場が体現する文化の存在が、共感を広げ、学びを循環させることによって新たなつながりを生んでいく──今回お邪魔した2つのイベントには、そんな「つながりのエコシステム」がありました。

個々人の働き方が問われる今の時代、こうした場への参加を通じて、フットワーク軽く「ヨコのつながり」を広げることの意義はますます高まっていくことでしょう。そして私たちWantedly Peopleもまた、そうした時代の要請に応えるアプリでありたいと思いました!

取材・執筆: Go Tsuneyama

編集: 加勢 犬

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