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インターン体験談(Taiga #3-2):知識と、経験と、そして思考力。 —Wingsでの学びと就職活動—

※『#3-1 知識と、経験と、そして思考力。——移民問題に興味を持った僕がWingsでインターンを始めて——』の続きになります。

さて、前回の続きです。今回は僕の就職活動の話を書きます。Wingsでの経験が就活にどのようにつながっているかという話です。

この文章を読んでくださっている方の中には、就活など自分には全く関係ない、あるいは現時点では関係ないと思っている方もいるかもしれません。なので就活に限らず、広く「進路選択」の参考になるように書いたつもりです。

・自己分析?

就活を始めると、まずは「自己分析」をしろと言われます。
簡単に言えば、自分が現在に至るまでにどんなものに興味を持ってきたか・将来的にはどんなことを成し遂げたいか・給料や仕事内容、休暇の取りやすさなどの項目のうちどれを重視するか、といったことを分析することによって、自分にはどのような職種や企業が向いていそうかを考えてみることを指します。

自己分析は就職活動の文脈において、自分に合った職業を探すために必要な手段として考えられています。しかし就活に限らず、「自分はどういうことをして生きていきたいか」を考えることは、その人自身が満足する人生を送るためには不可欠なことだと僕は思います。例えば自己分析の結果として「私は就活をしない!」という結論に至れば、それはそれでいいわけです。大学院進学、自分で起業、ギャップイヤーを取って日本一周してみる、などなど。要は、就職を「目標」ではなく「数ある手段のうちの一つ」と捉えましょうということです。自分の将来の目標を実現するための手段として、就職するのがいいと思ったら就職すればいいし、別の手段でアプローチできる/したいと思えば、そうすればいいんじゃないの?って話です。

さて、そんな僕はどうなのかと言いますと。「どういう人生を送りたいか?」と自分に問うたとき、前回のブログで述べた《「知識・経験⇄思考」のサイクルを回していくことがしたい》と思ったことが出発点でした。色んな場所に行き、色んなものを見て、色んな人と喋り、色んなことを学びながら、色んなことを考える。それをしながらお金をもらえる仕事がしたいと。

せっかくお金をもらって働くんだったら、何か社会の役に立つ仕事がしたい、と考える人は多いのではないでしょうか。一つ一つの仕事が社会の中のどのような位置でどう役に立っているのか=どのような機能を担っているのかを考えてみましょう。

・「問題解決」の枠組み

社会のほとんどの仕事は、広い意味での「問題解決」に携わる仕事だと言うことができます。問題の所在を明らかにし、それに対する解決策(ソリューション)を考えて実行する、というモデルです。(僕個人としては、この「問題解決」型の思考にとらわれすぎるのも良くないと思っているんですが……それは置いといて。)

例えば、サハラ砂漠の周縁部では飢餓が問題になっています。これを解決するには、具体的に何をすればいいでしょうか。
「飢餓は食糧の問題だ」と単純に考えれば、大量の食糧を渡せばいいということになるでしょう。しかしこれでは根本的な解決にはならないと、少し考えればわかります。
飢餓の背景として「砂漠化によって耕作可能地が減少したことが飢餓の原因だ」と考える人は、植林活動に参加するなどして問題解決を試みるでしょう。また、「人口爆発によって食糧不足が発生している」と考える人は、例えば、性教育を浸透させる活動をするというアプローチを取るかもしれません。

ここで言いたいのは、ある問題を認識したときに、「その問題の本質は何なのか」を見据えることが肝だということです。ただ食糧を配るよりも、後ろの2つの方が、より問題の本質に近い部分を捉えたアプローチであると言えるでしょう。
問題解決の枠組みにおいて、この「問題認識」から「解決法(ソリューション)の考案」までの橋渡しをするプロセスが非常に重要だというのが僕の考えです。この中間段階を「問題設定」と名づけましょう。

問題認識:サハラ砂漠周縁部で飢餓が発生している
問題設定:砂漠化によって耕作可能地が減少したことが飢餓の原因である
解決法の考案:植林活動を行うNGOを立ち上げる

というイメージです。

就活の話に戻ります。
僕自身は、自分が向いているのはこの「問題設定」の部分だと思いました。効率の良いソリューションを考える段階よりも、その前段階。実際の現場を自分の目で見た経験や、本で読んだ知識を元に、問題の本質がどこにあるかを見極める段階の仕事がしたいと思いました。
「知識・経験⇄思考」のサイクルを回していくことによって、問題解決の出発点である「問題の本質を見抜く力」を養っていく。そういうことができる仕事ってなんだろう。という風に考えてたどり着いた結論が、新聞記者・ジャーナリストでした。

・Wingsで学んだことを活かして、いざ就活へ

以上のようなことを僕が考えるようになったのは、Wingsで2年間働きながら色々経験したからです。Wingsは、急速に進むグローバル化への適応という日本社会の「問題」に対し、英語保育事業という「解決」を提供しています。これがWingsにおける一番大きな問題解決の枠組みですが、日常的なレベルで言っても、日々一つ一つの業務をこなすことは小さな問題解決だということができます。問題解決を実践している場を見ることができること、というより、自分自身がその一員として内側から参加できること。これらは本当に貴重な経験になっています。

その一方で、先に述べたように、解決策を考える人だけでは問題解決が成り立たないことも学びました。例えばWingsは英語教育事業をやっていますが、「どうすれば効率よく言語習得ができるか」ということに関しては研究者が発表している本や論文を参考にして、科学的根拠に基づいた教育法を採用しています。このように、解決策の考案をやっている人に対して、信頼が置けてなおかつ本質を捉えた情報を提供する仕事も必要だ、ということを身を持って感じました。

Wingsでのインターンを通して、上のようなことを実体験をしながら学んだことで、ただ「自分はジャーナリストをやりたいんだ」と言うのではなく、その理由までしっかりと言語化することができました。就職活動の面接では、「本当に記者になりたいの?」「なんで?」「自分が記者に向いていると本当に思っているの?」などなど、厳しい質問もたくさん受けました。しかし、実体験に裏付けられた理由を持っていたので、それをしっかりと面接官の役員に伝えることができ、最終的に内々定を頂くことができました。

さて、僕はこのようなことを考えながら大学生活を送っていました。といっても1年生の始めからずっとこういうことを意識していたわけではなくて、まともに自分の人生について考え始めたのは3年生の途中ぐらいからだったように思います。それまでの2年間は、無駄だったとはもちろん思いませんが、あんまり何も考えずに日々を送っていたなと思わなくもないです。だから皆さんには、是非ともこの先の学生生活を有意義なものにしてほしいと思います(上から目線ですみません……)。

「有意義な」というのは、単に「将来役立ちそうなスキルを身につける」ことにとどまりません。僕の考える「有意義な」大学生活の使い方は、様々な経験を積み、思考する中で、人生における指針=自分は何になりたいのか・どう生きたいのか、といった「自分なりの人生哲学」を形成すること、です。そうすることで、今後の人生をより豊かなものにできるんじゃないでしょうか。

……だいぶ長くなっちゃったので、このあたりにしようかと思います。ほとんど僕の個人的な話になってしまってWingsは少ししか登場しませんでした。すみません。
最後まで読んでくださった方は、本当にありがとうございます。そのうえでこの記事が、皆さんが自分自身や社会のことについて何か少しでも考えるきっかけになったとしたら嬉しいです。

ぜひ、一度Wingsに来てお話ししましょう! お待ちしています。

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