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創造性と思考力を育てるために。子どもたちの本能に働きかけ、自由な遊びを生み出す遊戯施設。





https://www.yamagata-design.com/shigoto/sorai

−まずはお二人の経歴を教えてください。

齋藤 翔太(以下、齋藤):私の出身は酒田市です。農家が大勢住んでいて、集落の周りが田んぼに囲まれた板戸という村で生まれ育ちました。子どもの頃は田んぼの堰でザリガニを釣ったりして遊ぶことが多いような、鳥海山の見晴らしのいい自然豊かな場所です。高校を卒業して山形市の美術大学で油絵を専攻し、卒業後には仙台の花屋に就職しました。店頭で花を売るだけではなく、イベントのフラワーアレンジメントの制作やデザイン、仕入れや運搬なども一通り担当させていただきました。

石橋 綾子(以下、石橋):私は鶴岡の出身で、高校を卒業して保育士の資格を取得するために福島県の短期大学に進学しました。自然も豊かで、家族や親しい友人もいる地元で保育士になりたいと思っていたので、卒業後には鶴岡の保育園に就職しました。今年の3月まで、12年間勤務しました。



−石橋さんは幼児教育に携わっていたんですね。

石橋:子どもの頃に楽しい思い出がたくさんあったので、子どもに楽しい思い出を残せるような人になりたいとずっと思っていました。子どもたちには、自分自身で考えて、自発的にやりたいことに取り組む経験をさせてあげたいと思っていたのですが、保育士の立場からだとなかなか難しいと思うことも多くなってきていたんですね。そんな時に求人情報を見ていたらSORAIが出ていて、ここなら自分がやりたいことをできるかもしれないと思って、会社説明会に応募させていただきました。

−齋藤さんはどのようにSORAIのことを知りましたか。

齋藤:前職は充実していましたが、一通りの仕事をやらせていただいたという実感があったことと、やはり自分が生まれ育った庄内で何かをしたいという思いもあったので、去年の12月にとりあえず戻ってきて、転職活動を始めました。ハローワークに通って仕事を探し始めて、ひとつだけ心にヒットした会社がヤマガタデザインだったんです。

−どういうところに魅力を感じたんですか。

齋藤:私は郷土愛が強い方だと思うんですが、友人と話していると、地元の魅力を感じられないという方も少なからずいます。自分の地元の魅力を見つけられない、感じられないということで、残念なことです。庄内に必要なものをすべてつくり、街を変えていこうというヤマガタデザインの取り組みは、すごく斬新で魅力的だと感じました。また、SORAIでは子どもたちにとっていい経験が思い出となり、庄内のよさを感じることができるきっかけになる場所だと感じたので、応募しました。




石橋:私も、県外に旅行に行った時に、庄内には魅力的な場所やものがたくさんあるのに、アピールができていないなと思うことがよくありました。だから、ヤマガタデザインの事業を知ったとき、庄内を変えていくんだっていう期待がすごく生まれました。多分、ヤマガタデザインが持っている魅力って、そういうワクワク感だと思うんですよ。この場所に何が必要で、それをどうやってデザインしていくかというプレゼンを社長の山中から受けて、SORAIでできることを考えるとすごくワクワクします。

−実際に庄内では、子どもを思い切り遊ばせられる施設が求められているようですね。

石橋:私の周囲は子育て世代が多くて、錆びた遊具が置かれていたり、ロープで立ち入り禁止になっていたりするような公園もちょこちょこあるので、早くSORAIができてほしいという声をよく聞きます。また、庄内に大型の屋内遊具施設がなく、市外へ車で向かわなければいけないため、近場に遊び場が欲しいと思っている方はとても多いはずです。

齋藤:庄内は人口が減少している地域ではありますが、ヤマガタデザインが庄内に足りなかった部分を補う取り組みを進めて、最近では奥さんの実家から近い場所に移住する「嫁ターン」でやってきた人とも出会う機会が増えてきました。変わった取り組みをする企業に人が集まり、そこからおもしろい何かが生まれ、さらに人を呼ぶ、という循環が庄内で起こりつつあるように感じます。そうなると当然、SORAIのような子どもの施設は必要になってきますよね。

−子育てをしやすい環境は、地元の人にとっても、IターンやUターンで新たに暮らし始める人にとっても重要なものですよね。

石橋:庄内から車で山を越えて、子どもを連れて内陸まで遊びに行くのは結構大変なことなんですよ(笑)。



−9月のオープンに向けて、お二人は現在どのような仕事を行なっていますか。

齋藤:私が担当するのは、地下1階の「ものづくりラボ」。子どもたちが自由に想像力を爆発させて、ものづくりに励める空間をつくります。人形や模型などを自由につくることもできますし、子どもたちが普段の生活で使えるようなものをつくる「子どもクリエイタープロジェクト」というのを考えたり、地域の皆さんに協力していただいて、例えば畳屋さんから提供していただく畳の縁で何を作れるか試してみたり、今はラボに置きたい材料や道具などを集めています。

石橋:私は地上1階の「遊び場」担当なので、遊具メーカーさんに色々と嫌がられるようなリクエストを出してフィードバックをいただくようなやり取りがひと段落して(笑)、今は衛生面をどうするか、遊びのルールをどのように決めるか、という運営面を詰めている段階です。やはり保育園での経験から、どう掃除をして衛生面を維持するのかというのは重要な課題ですし、子どもたちに危険なことをただダメと言って禁止するのではなく、どう気づかせてあげるかという部分も考えています。

−保育園の経験が活きてくる場面ですね。

石橋:SORAIでは、ちょっと考えて遊ばないと危険になるような箇所もあるので、注意すべき部分は通常の子ども施設より多いかもしれません。でも、何が安全で何が危険かを理解して、自分のやりたいことを自分で切り開いていけるような自主性を遊びから学べるようにできたら理想的だと思うんです。ケンカしてお友だちが悲しい顔をしていたら、「お友だちの顔を見てごらん」って声をかけると、子どもたちはもう困らせるようなことはやめますし、色々と気づきを与えてあげることができるはずですから。

齋藤:子どもたちは予想もつかないこともすると思います。その場合、きちんと観察して、柔軟に対応できるようにしたいと思いますね。たぶん、子どもたちが話しかけやすいように接することができたら、SORAIに通ってもらえるようになって、ニックネームで呼び合えるような仲に発展していくんじゃないかと思っています。

−オープンに向けて準備も大詰めだと思うのですが、SORAIチームにはどんなメンバーが加わったらいいと感じていますか。

石橋:「遊び場」専任のスタッフは私ともうひとりの女性2名なんですが、男性スタッフに加わって欲しいと強く思っています。子どもの遊び方でも、例えばママゴトにしても女の子と男の子で遊び方は違いますし、一緒に遊ぶ大人が男性なのか女性なのかによって遊び方は変わってきます。スポーツ的な遊びだったら、ダイナミックにお兄さんと遊びたいと思う子もいるでしょうし、男性と女性で補い合えるのが理想的だと思います。

齋藤:SORAIは普通の子ども施設とはまた趣が違うと思うので、新しいことに一緒に挑戦できる男性の方だと嬉しいですね。あと、体力的な面でも男性の手を欲しています(笑)。

−では最後に、SORAIが地元でどんな存在になったらいいと思いますか。

齋藤:1年目はまず、みんなに知ってもらうことが目標です。学校帰りに秘密基地に行くような感覚で遊びに来てくれたり、「ものづくりラボ」で自分がつくりたいものや描きたい絵を思う存分楽しめたりするような、やりたいことを思い切りできる場所として認識してもらうのが最初の目標ですね。

石橋:そうですね。その上で、サイエンスパークやヤマガタデザインの存在も庄内の人々の身近になったらいいですね。そして将来的には、SORAIの「天性重視」「個性伸長」というコンセプトが日々の積み重ねによって浸透して、子どもたち自身が自分で考えて、チャレンジすることが自然と身についていくのがSORAIの文化になったらいいと思います。

齋藤:それが5年、10年と続いて、高校生になった子が小さい子どもと遊んでくれたり、そういうつながりが生まれて行ったら、夢が広がりますよね。そんな未来ができたら嬉しいです。


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