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"プロダクトマーケットフィットが見つからなかった" ーー 前年比300%成長のヤプリが乗り越えた困難とこれからの挑戦

こんにちは。株式会社ヤプリで採用担当をしている石村です。

自分たちも、お客様もワクワクするアプリを作ろう -- そんな想いから始まったYappli。最大の特徴はプログラミング不要で高品質なアプリを開発・運用できること。直近3年間の導入企業数は250社を超え、今では大手企業にも導入されるようになりました。ただ創業以来ずっと順風満帆だったかと言えば、決してそんなことはありません。今回は共同創業者の1人で代表取締役の庵原に、今だからこそ話せるヤプリの「これまでの歩み」と、創業6年目となる「これからのチャレンジ」について聞きました。

【プロフィール】庵原 保文(いはら やすぶみ)CEO
出版社を経てヤフー株式会社にてメディア系サービスの企画職として従事。その後、シティバンクのマーケティングマネージャーを経て、2013年4月にファストメディア株式会社(現 株式会社ヤプリ)を3名で創業。

これからはアプリの時代が来る

― 2018年の4月で創業から5年を迎えました。Yappliの原体験はどんなところからきたのでしょう?

(庵原)原体験まで遡ると2010年ごろですね。iPhoneが登場して2年が経ち、日本でもApp Storeが登場し始めたころでした。当時ヤフーに在籍していたこともあり、この新しいテクノロジーを使って自分でビジネスをやってみたいと思ったんです。そこで同僚の佐野(現ヤプリ取締役CTO)に声をかけて、スノーボードのハウツーアプリを2人で作り始めました。すると、それがちょっとヒットしたんですね。600円のアプリが3000本くらい売れたんです。App Storeのスポーツカテゴリで1位になったりもして、そこから僕たちの勘違いが始まって(笑)、どんどん夢が大きくなっていきました。

実はこのアプリに『アプリじゃないとできない新しいデジタル体験』を仕込んでいたんです。モーションセンサーを使って、通常時は記事が読め、横にすると動画に切り替わる仕様にしていました。『これからの時代は、Webではできなかった直感的なデジタル体験の時代になる。それを実現できるアプリの時代になるはずだから、自分たちでもアプリを使ってビジネスをやりたい』――そんな思いが強くなって、後のYappliにつながっていきました。

― 最初はスノーボードアプリから始まったんですね!そこからどのような経緯で「Yappli」にたどり着いたのか、気になります。

(庵原)毎週1回佐野と六本木ヒルズのカフェで落ち合い、アイデア出しの100本ノックみたいなことを3ヶ月ほど続けていました。だけど確信をもって流行りそうなものが浮かばなかった。そんな時にある出来事がきっかけとなって、偶発的にYappliのアイデアが生まれました。というのは、2人の友人から「こんなアプリを作れないか?」と相談されたんですが、偶然にも双方とも同じような仕様のアプリだったんです。その時に個別でひとつずつ作るのではなくて、『何の苦労もなく自分が作りたいアプリを作れるCMSのようなもの』を提供してあげることができたら、すごく革新的じゃないかと考えました。

Webサイトを簡単に作れるCMSはいくつもあるので、アプリでも同じようなものがあるのではないかと探してみたものの、見つけられなかった。それなら自分たちで作ってしまえばいいと思い、東日本大震災が起こった直後の2011年4月から開発を始めたんです。そこから2年がかりでベータ版を開発し、各々が勤めていた会社をやめて2013年4月にファストメディア(現ヤプリ)を創業しました。

創業前の開発期間は「人生で1番大変な2年」

― 創業までに2年間の開発期間があったんですね

(庵原)この2年間は今振り返っても間違いなく「人生で1番大変な2年間」でした。やろうとしていたことがすごく複雑で大きなシステムだったため、仕様書が何百枚も必要で、その作業に約半年。そのタイミングでもう1人の創業者であるデザイナーの黒田が参画して、デザインテンプレートを作り始めたのですが、何百ページものコーディングをするのににさらに半年。最後に佐野がプログラミングをして、トータルで2年かかりました。

最初は半年くらいで作れればいいなと思っていたけど、全くそのレベルではなかった(笑)。Yappliの場合はアプリを作るためのデータを入れる『重厚な管理画面』、そのデータを反映する『iOS版のアプリ』、そして『Android版のアプリ』の3つが必要になるんです。これは3つのサービスを同時に開発するような大変さでした。ただでさえ業務量が多く難しい上に、当時はまだ全員が会社勤めをしていました。本業以外の時間を使って進めていたこともあって、予想以上に時間がかかってしまったんです。だけどその期間に諦めずにやり通せたことが大きかったと、今では思っています。

― 正直「別のアイデアに切り替えよう」と考えたりはしなかったんですか?

(庵原)それがなかったんです。やればやるほど『これは素晴らしいアイデアだ』と思うようになっていたので、そこは一切ぶれなかった。これから必ずアプリの時代が来ると思っていたし、その時には僕らのようなプラットフォームが絶対に必要になるはずだと。

GoogleにしろFacebookにしろ、創業者たちが偉大なるプロダクトを作って、最初は誰も理解できなかったプロダクトが、巨大な会社になっていますよね。僕たち自身がWeb業界にいたこともあって、そんな創業者達のストーリーに憧れもありました。『自分たちの手で独創的かつ強烈なプロダクトを作り出して、社会に新しい価値を生みたい。みんなを驚かせたい』という思いだけは当時から変わりません。

だから僕たちはビジネスモデルや市場規模といった発想は一切なく、完全にプロダクトアウトの形で始まったんです。マネタイズのプランもないし、大勢の人にヒアリングしたわけでもない。『とにかく自分たちが本気で誇れる、ワクワクするプロダクトを作ろう』と。Webブラウザ上で、ドラッグアンドドロップだけでアプリを作れるなんて、当時の感覚だと誰も理解できなかったし、市場があるとも思えなかった。だけど実現できたら凄いし、そんなチャレンジをしたかった。このプロダクトドリブンの文化は今でも社内に残っています。

ついに本格始動と思いきや。。。最初の2年はPMFに苦しむ時代

― 2年の開発期間を経て、ついにYappliが形に!会社化もしていよいよ本格始動したんですね。

(庵原)とはいえ創業して2年は、苦しみの時代でした。その期間は創業者の3人だけ。外部から3000万円の出資はいただいていたので、自分たちの資金も合わせて、2年間で何らかの成果を残さねばと考えていました。ただ本格的に風向きが変わったのは3年目で、そこからようやくプロダクトも組織も成長フェーズに突入しましたね。

―人生で1番大変な2年を乗り越えたと思ったら、次は苦しみの時代ですか…。

(庵原)皮肉なことに、最初に苦労したのはプロダクトアウトで始まったことが原因でした。みんなもすごいとは言ってくれるのだけど、肝心の誰がお客様になってくれるのかが分からなかったんです。どんな業界や企業の方たちがお金を継続的に払ってまで使ってくれるのか、それを見つけるのに迷走していました。

振り返ってみるとお客様を探す際に、プロダクトマーケットフィット(略してPMF)と呼ばれる『どの業界に1番ささるのか』『どれくらいの規模の企業にささるのか』の2つをしっかり考える必要があったんです。今でこそ、そこは明確になっているのですが、たどり着くまでに時間がかかりました。当初はスモールビジネス向けに展開しようとしていたのですが、上手くいかず。それならばと、ある業界をターゲットに半年かけて機能開発をしても、結局使ってもらうには至らない。周囲のさまざまな声を聞きすぎて軸を絞れず、ただ時間だけが過ぎていく。そんな遠回りの連続でした。

当時はワンルームのマンションを借りて3人で開発をしていたのですが、とにかく閉塞感との戦いの日々。Yappliが話題になることは少なく、正直なところ創業者同士が険悪なムードになることもありましたね(笑)。ただ、それでも不思議と『このプロダクト、ダメだね』ということにはならなかった。年を追うごとに世のモバイル化は進んでいたし、『これから時代が追いついてくる』というわけではないけれど、なぜかいけるという確信だけは変わりませんでした。

ようやく見つけた光、転機となった3年目

― それが3年目の転機へとつながっていったんですね。

(庵原)2年間苦しみ続けた結果、ようやくPMFを発見することができました。僕たちのコアなお客様は「コマース領域」、つまり小売や流通業界のお客様です。例えばクーポン機能を作ったら集客効果が大きくて、評判がよかった。消費者が実際に来店し、アプリをだしてクーポンを使ってくれていたんです。効果がでるとお客様は継続的にYappliを使い続けてくれます。

そしてもうひとつ、SLUSH ASIAというテック系のイベントにて行われた、ピッチバトルで準優勝したことも大きかった。これで業界から注目されるようになりましたし、なによりも『自分たちがやってきたことは正しかった』と自信になりました。これが後の大型の増資にもつながり、そこから初めて仲間を採用したり、マーケティングに力を入れたりできるようになって一気に成長フェーズになりました。今では幅広い業界で使われるようになり、銀行のアプリからメーカーの社内向けアプリ、採用支援、オウンドメディアなど様々な用途で使ってもらえるようになっています。

― 人生で1番大変だった2年、そして苦しい時代があったからこそ、Yappliが使われるようになった時はかなり嬉しかったのではないですか?

(庵原)今でもそうなのですが、商談でお客様にYappliのデモを見せると『こんなサービスあったんだ』とびっくりされることが多いんです。ドラッグアンドドロップだけでアプリを作れるのは便利だねと。これは自分たちが当初から信じ続けてきたプロダクトの技術的な優位性があってこそなので、やっててよかったなと思う瞬間ですよね。

あとは自分たちのサービスを通じて、たくさんの人が動く様子をみると嬉しいです。Yappliを導入するのは法人の方ですが、実際にアプリを使うのは消費者のユーザー。だからプロダクトを開発する際は、常にエンドユーザーのことを考えるんです。販売は法人に、プロダクト開発は消費者向けというビジネスモデルというのもYappliのおもしろい部分であり、やりがいだと思っています。

6年目を迎えるヤプリが目指す、アプリを通じた感動体験の創出

― 創業前の2年間も含めると、壮絶な7年間ですね。会社としては創業から6年目になりますが、これからのヤプリはどんなチャレンジをしていきますか?

(庵原)『アプリのテクノロジーを解放して、世界の感動体験に貢献する』という目標に向けて、完全にミッションドリブンな会社にしていきます。当初から変わらない考えとして、やっぱりアプリのテクノロジーは『人を動かす』と思うんです。Pokémon GOやInstagram、メルカリなど今の時代はアプリが人を感動させ、動かしていますよね。そのベースには例えばカメラを使ったAR、GPS、速い動作など、アプリならではのリッチなユーザー体験があり、ユーザーが感動する。

ただこれまでは、アプリ開発の敷居は非常に高く、社内にエンジニアを抱えるIT企業など、一部の企業しかアプリを提供することができませんでした。僕たちはそれをすべての企業が提供できるようなプラットフォームを作っていきたい。Yappliを通じて、アプリ開発の敷居を劇的に下げることにより、世の中の『感動体験を増やす』ことをミッションにして、会社やプロダクトをさらに磨いていきます。たとえばARやチャットなどの新機能の開発、動作スピード向上といった細かい改善など、やりたいことは尽きません。仲間も増えて、出来ることが広がってきた今だからこそ、『アプリのテクノロジーで人の心を動かす』プラットフォームを目指して、これまで以上にチャレンジしていきたいですね。

(石村)ありがとうございました!Yappliのアイデアが生まれた原体験から始まり、創業前の2年間の話も含めてヤプリのこれまでや、プロダクトへの想いを感じることができました。創業6年目となる2018年も今まで以上に盛り上げていきたいですね!

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