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いきなり求人情報を見せるのは、バーで隣に座ってすぐにプロポーズするようなもの

Wantedlyからメッセージを頂き、株式会社プルークスという会社の人事採用担当・山本さんとお会いし、話をしてきました。


山本さんはキャリアをエン・ジャパンで営業をするところからスタートし、その後、人事の道へ進まれ、現在のポジションに就かれました。

写真を撮り忘れて公開するほどの爽やかナイスガイな山本さんと話をして、いろいろと人事について意気投合する部分があったので、ブログでシェアします。

■入り口のタッチポイントで心を掴め

会社に着いてエントランスから内線で呼び出しをしました。ソファに座り、横に目をやると、、、


手書きで私のアポイント情報を書かれているのを発見しました。これはすごいと思って思わず撮ってしまいました。

聞いてみるとメンバーの方が今日から始めた試みで、用紙を選んで、手書きでアポイントを書いているそうです。

デジタルデータで入り口に表示されているものは何度も見たことはありますが、手書きで書かれているものを見たのは初めてです。

自分が歓迎されている気持ちになり、とても和やかに会談がスタートできました。

効率化やコストパフォーマンスは?などととやかく言う風潮がありますが、むしろここに時間を掛けて一手間加えるだけで、私のような気持ちになる人が増え、会社のファンになる人が増えるわけです。

打合せや面接はエントランスからの印象で最初の勝負が決まりますが、こうした細かい部分まで気持ちが行き届いているかどうかは、会社のスタンスが色濃く出るものです。


■スピード感が早いからと言って、中期・長期の計画を立てることから逃げるな

スタートアップ企業やベンチャーによくありがちな言葉として、「弊社は変化のスピードが早いので、中期経営計画や人員計画を立てる意味がないんですよ~」というのがある。

それを笑ってごまかしている人事をよく見かけますが、単なる怠慢、能力の無さを露呈しているのだと思うのです。

「見たいと思う現実だけを見ようとする」なら、別に人事がやらなくてもいいわけです。

単なるコストを使う(浪費する)コストセンターになり下がるなら別にいいのですが、一人一人の人生や組織全体の価値を高めるバリューアップセンターになりたいなら、「見たくない現実も見ようと努力する」姿勢が必要になります。

様々な統計データや現場から吸い上げたデータを見て、いろいろな切り口から分析して、未来を想像するのです。3年~5年など短い期間ではなく、50年~100年先に未来を想像するのです。

そこから逆算して、今、この瞬間に何を考え、どう動くのかを考えていくわけです。

自分たちのことを50年、100年先の未来から考えてくれている人事がいたとしたら、仮に当たっていても外れていても、その姿勢に共感する気持ちを持ってもらえるのではないでしょうか?

まずは、国立社会保障・人口問題研究所が出している「将来推計人口」のデータから、この先の日本の人口、労働人口がどうなっていくのかを見ながら、そこで起きうる事象を想像してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

将来推計人口・世帯数
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Mainmenu.asp


■いきなり求人情報を見せるのは、バーで隣に座ってすぐにプロポーズするようなもの

Wantedlyなどで求人情報をアップして、それをSNSでシェアしている人がいますが、あれはどれだけの効果があるのでしょうか?

元々のその会社を知っている人には求人を知ってもらい応募してもらうきっかけになる、という効果はあるかもしれません。

ただ、おそらくはほとんど効果はないでしょう。

考えてみれば当たり前な話です。求人に応募するというのは想像以上にハードルが高いものです。

まずはその会社やその会社に属する人のことを知り、職務内容を理解するなど、いろいろな情報を知った上で、ようやく応募したり、面談を希望したりするものです。

「気軽に会社に遊びに来て下さい」という文言もよく見ますが、正直気軽さを感じることはありません。

バーで一人で座っている人の隣に座り、「私と結婚してください or 私と付き合って下さい」と言っているようなものです。

まずは自己開示して、自分のことを知ってもらい、興味を持ってもらう必要があります。

その上で、相手に興味を持ち、話を聞かせてもらって、理解度を深めて、ようやく会ったり、語ったりして、正式に応募してみようかな、と思ってもらえるものです。

まずは自己開示しましょう。オススメは自分たちのダメダメな点を赤裸々に語ることです。こんなに素晴らしい!とかこんなに出来てる!と語っても、聞いた側は「あーそうですか」と記憶に残ることはありません。

ダメダメな点を語ることで共感を得られて、興味を持ってもらえるようになります。

いきなりプロポーズするのではなく、まずは自己紹介から。仕事でも恋愛でも、人間関係を築くにはコミュニケーションの順序が必要です。

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