こんにちは!北区王子でほそぼそとWebサイトの運用・改善サポートを行っている桑野一哉です。
「AIはコードが書ける」
テクノロジーのトレンドとして耳にはしていましたが、私自身はプログラマーではありません。日頃はサイトの管理やWebマーケティングの伴走がメインのため、自分でゼロからPHPをガシガシ書いてプログラムを組む機会はなく、正直「へぇ、すごい時代になったな」と遠目から眺めている感覚でした。
ところが先日、あるクライアントワークをきっかけに、気づけば自作のWordPressプラグインを完成させて現場に導入していました。かかった時間は、なんと約30分。
今回は、非エンジニアがAIを相棒にしてツールを自作したプロセスと、そこから見えた「これからのWeb支援・チームのあり方」についてお話しします。
1. きっかけは「クライアントの作業負担を減らしたい」という思い
発端は、クライアントの運用支援の中で「エンドクライアントに自社紹介のテキストを作成してもらう」という業務があったことでした。
ゼロから自社紹介文をまとめるのは、誰にとってもハードルが高い作業です。筆が止まって納期が遅れてしまったり、担当者の方の大きなストレスになってしまったりすることも少なくありません。
そこで最初は、以下のような運用を考えました。
- ネット上の公開情報をAIにまとめさせる「プロンプト」を作成して渡す
- 各社でそれを使って骨子を出力してもらう
- 出てきたテキストに事実確認と独自情報を追記して提出してもらう
「これなら入力側の負担をかなり減らせるはず」と考えたのがすべての始まりでした。
2. プロンプト配布から「プラグイン開発」へ舵を切った理由
しかし、実際に考えていくうちに「プロンプトをそのまま配るより、入力フォームがあるWebアプリ形式にしたほうが圧倒的に使いやすいのでは?」という疑問が湧いてきました。
そこでGeminiのCanvasなどを使ってモックアップ画面を作成。ここまではスムーズにいきました。ところが、実戦投入を考えたときに大きな壁にぶつかります。
ステップ
1. プロンプト作成
紹介文生成の指示文を設計
「一般の担当者にプロンプトを扱わせるのは体験として不親切」と気づく
2. Webアプリ化
入力画面をAIで生成
固定データの診断テストなら動くが、検索を伴う回答がWP埋め込みではうまく連動しない
3. API連携
外部検索・回答用にAPIを接続
フロント側にAPIキーが露出するという話を聞いたことがあるので、相談すると、簡単にやるならプラグインにしろと。
4. プラグイン化
サーバーサイドで安全に処理
AIから「WordPressならプラグインにして裏側で通信させれば解決する」と提案される。
いやプラグインなんて作ったことないし、と思いつつも従っていると、30分でプラグインが感性
決め手は「セキュリティ」
Webサイトを預かる立場として、最も妥協できなかったのがセキュリティです。
売れない集客できないなどと違って、セキュリティをザルにすると打つ手がないですからね。
私:「ブラウザ側のコードにAPIキーを入れて動かすのって、セキュリティ大丈夫?」
AI:「危険です。第三者にAPIキーを盗まれるリスクがあります」
私:「じゃあどうすればいい?」
AI:「WordPress環境なら、プラグイン化してサーバーサイド(PHP)でAPIと通信させましょう。そうすればキーを隠蔽できます」
APIの設定だけでも試行錯誤していた自分にとって、「プラグインを開発する」というのは本来なら専門のエンジニアに外注するレベルの領域でした。
しかし、AIに要件を伝え、出力されたPHPコードをプラグインファイルとしてまとめ、サーバーにFTP転送して有効化してみると……なんと一発で正常に稼働してしまったのです。
3. なぜ非エンジニアでも踏み出せたのか?
もちろん、「コードが書けないなら手を出さない」という選択肢もありました。今回あえてプラグイン化まで踏み切れたのには、2つの理由があります。
① 日頃からWeb運用の「構造」を理解していたこと
もし仮に不具合が起きても、「どのファイルを外せば復旧できるか」「サーバーで何が起きているか」を把握しているという運用の知見(セーフティネット)があったからこそ、恐れずに挑戦できました。
② AIとの対話を「日常会話」で回せたこと
「この入力項目は削って」
「検索結果の要約が少しあっさりしているから、もう少し深掘りして出力するロジックに変えて」
専門用語を使わず、チームメンバーに指示を出すような自然言語で投げるだけで、AIが的確にコードの微修正を返してくれます。
4. この体験から見えた「現場のこれから」
世間では「AIによってプログラマーがいなくなる」といった極端な言説もあります。
しかし、中小企業の現場を見渡してみると、そもそも普段の業務の中で「よし、プログラムを作ろう!」となる場面は、それほど多ないでしょう。
対して画像生成でアイキャッチやらインフォグラフィックは、クライアントも自作が普通になっていますから。
ですが、今回の私の体験が示しているのは別の可能性です。
「これまで専門スキルの壁があって諦めていた課題解決ツールを、現場の人間がその日のうちに自作してクライアントに提供できてしまう」
これは、クライアントワークのスピード感や提供価値を根本から変える大きな転換点だと感じています。
最後に:テクノロジーを使い倒し、泥臭く顧客課題を解く楽しさ
私たちの仕事は、単に綺麗なWebサイトを作ったり、決められた保守作業をこなしたりすることではありません。
クライアントが抱える「日々のちょっとした面倒」や「運用のボトルネック」を、あらゆる手段を使って素早く解消することです。
新しい技術を食わず嫌いせず、「これを使えばもっとクライアントが楽になるのでは?」と面白がって実験できる。
そんな環境やスタンスに共感してくれる仲間と一緒に、これからのWebサポートの形をつくっていきたいと思っています。
正直、面倒臭いなぁ。と思うこともあるのですが、今はAIが伴走してくれるので、どんどんできることが増えていてビックリ。
AIに作らせるのもいいですが、AIに伴走させてサポートさせるのはオススメですね。