仕組みで「攻める」経理へ。AIで勤怠督促を自動化したバックオフィスDX
1. AI活用の第一歩は「小さく、確実に勝つ」ことから
AIを使った業務自動化において、最初から壮大なシステム構築を狙うのは得策ではありません。まずは「影響範囲が限定的」かつ「ミニマムな業務量」から着手し、確実な成功体験を積み上げることが重要だと考えています。
今回選んだテーマは、毎月発生する「勤怠締めの督促」。万が一エラーが起きても修正が容易で、かつ自動化の恩恵を全員が即座に感じられる、スモールスタートに最適な領域でした。
2. セキュリティとリスク管理:自作せず「つなぐ」という選択
最新技術の利用は刺激的で、つい大きな夢を描いてしまいます。しかし、非エンジニアである私が自動化を行う上で、最も重視したのはセキュリティリスクの排除です。いきなり自社専用のアプリを一から作り上げるのではなく、freeeやSlackといった「既に信頼性の担保された既存ツール」同士を安全につなぐ仕組みづくりに徹しました。
APIを介したデータ連携に絞ることで、余計な脆弱性を生むリスクを最小限に抑えつつ、業務効率化の果実だけを手にする。これは、リスク管理を本業とする管理部門としてのこだわりです。
3. 技術的突破:GitHub Actionsによる「真の自動化」
実は勤怠締めのアラートをAIに実行させるには、Claude aiにfreeeやSlackを連携させるだけで実行可能です。しかし、自動化はできず、ユーザーが指示を出してあげる必要があります。
「自分が不在でも動き続ける」ことに意味があると考え、GitHub Actionsを採用(※シャドーITは厳禁!きちんと会社のワークスペースに招待してもらいましょう)。ソースコードをクラウド上で定期実行させることで、PCを起動していなくても、毎月決まった日時に正確にアラートが飛ぶ「サーバーレス」な運用を実現しました。
4. 実務の勘所:AIに「配慮」を実装する
構築にあたっては、Claude Codeをパートナーに、コーポ部としての視点をロジックに組み込みました。
・「除外リスト」の重要性: 産休・育休中の方など、申請が不要なメンバーを自動で除外するロジックを実装。ここには、現場の事情を知る実務担当者だからこその「配慮」を反映させています。
・「角を立てない」Slackボット: 管理部門の個人アカウントからではなく、専用の「通知ボット」を作成。システムからの通知という形をとることで、受け取り側の心理的抵抗を減らし、組織内の摩擦を回避しました。
・心理的摩擦を消すSlackボット: 管理部門の「個人」からではなく「ボット」から通知。角を立てずに、組織全体の心理的負担を解消しました。