月次決算が遅れる会社では、経理担当者が頑張っていないのでしょうか。
実務を見ていると、むしろ逆のケースが多いと感じます。
決算期になると、担当者が残業し、各部門へ何度も確認し、足りない資料を集め、Excelを修正しながら、何とか数字を作り上げています。
ただ、その頑張りに依存した状態では、会社が成長するほど決算業務は苦しくなります。
月次決算を早めるには、担当者の処理速度を上げるだけでなく、締め方そのものを設計する必要があります。
例えば、月末を迎える前に確認できる項目はないか。売上、仕入、経費、在庫、固定資産などについて、各部門からいつまでに、何を提出してもらうのか。未処理事項を誰が管理するのか。
こうした点を決算スケジュールとして整理すると、月末後に初めて問題が発覚する状態を減らせます。
また、決算業務は経理部門だけでは完結しません。
営業部門が検収情報を出さない。購買部門から請求書が届かない。現場で廃棄した在庫がシステムに反映されていない。
このような状態では、経理担当者だけが速く作業しても、決算は早まりません。
必要なのは、各部門がいつまでに何を行うかを決め、未完了の項目を見えるようにすることです。
さらに、毎月繰り返し発生する仕訳や確認作業は、一覧化しておくと効果的です。
担当者の記憶に頼らず、
「今月もこの確認が必要」
「この資料はこの日までに取得する」
「この処理は上長がレビューする」
という流れを定着させます。
速い決算とは、特定の担当者が無理をして短期間で数字を作ることではありません。
担当者が変わっても、同じスケジュールと同じ確認手順で、一定の品質の数字を作れること。
それが、会社の成長に耐えられる決算体制だと考えています。
次回は、AIやシステムを導入する前に整理しておきたい、データと業務プロセスについて書きます。