AIが出たので、仮想欽天監を作ることにした
AIが出たので、はじめてストーリーを書いてみることにした
文章を書くのは、正直あまり性に合わない。
考えていることはある。
作りたいものもある。
でも、それをきれいに言葉にして外へ出すことには、ずっとあまり関心がなかった。
ただ、AIが出てきて少し変わった。
文章を書くことそのものが得意でなくても、頭の中にあるものを言葉にするための補助線が引けるようになった。
それなら一度、自分がこれから何を作ろうとしているのかを書いてみてもいいと思った。
これは、いま作っているものと、これから作っていきたいものについての話です。
Noxaという仮想欽天監を作っている
いま、Noxaというシステムを作っている。
一言で説明するなら、仮想欽天監です。
欽天監は、かつて天体を観測し、暦を作り、国家の意思決定にも関わっていた機関だった。
天の運行を見て、そこから人間社会の時間や判断を組み立てていた。
自分が作りたいのは、その現代版のようなものです。
ただし、未来を当てるための占いサービスを作りたいわけではない。
むしろ興味があるのは、人間が不確実な未来とどう向き合ってきたのかということです。
古代の占術、暦法、天文学、統計、AI。
それらはまったく別のものに見えるけれど、根底には同じ問いがあると思っています。
「見えないものを、どう観測するのか」
「不確実なものを、どう解釈するのか」
「未来について、どう考えるのか」
Noxaは、その問いをシステムとして扱うための実験です。
占いを信じたいわけではない
自分は、占いを絶対的な真理として扱いたいわけではありません。
ただ、卜占や命術のようなものには、人類が長い時間をかけて不安と向き合ってきた痕跡が残っていると思っています。
未来は見えない。
人は失敗を恐れる。
選択には常に不確実性がある。
その不安に対して、過去の人間たちは、天体を観測し、暦を作り、自然のリズムを読み、象徴体系を作ってきた。
それは科学ではない部分もある。
けれど、単なる迷信として切り捨てるには、人間の思考や文明の歴史が詰まりすぎている。
Noxaでは、そうした知識体系を現代のソフトウェアとして再構成し、AIとも接続できる形にしようとしています。
演算結果を出す。
それをエクスポートする。
LLMに読ませる。
人間が解釈する。
また記録する。
そうやって、古い知識体系と現代のAIを接続する場所を作っています。
作りたいのは、判断を支えるための補助線
Noxaが出すものは、絶対的な答えではありません。
自分が作りたいのは、ユーザーに「あなたの未来はこうです」と断言するものではない。
そうではなく、
考えるための補助線を出すものです。
人間は、自分のことを自分だけでは見切れない。
迷っているときほど、問いの立て方も、状況の見方も狭くなる。
そこに、別の視点を差し込む。
過去の知識体系をレンズとして使う。
AIによって解釈の幅を広げる。
それによって、自分の選択を少しだけ違う角度から見られるようにする。
その程度でいい。
でも、その程度の補助線が、人間の判断にはかなり重要だと思っています。
この先は、仮想人間を作りたい
Noxaの先に作りたいものがあります。
それは、仮想人間です。
人間の性格、価値観、記憶、行動傾向、意思決定の癖。
そうしたものを持った仮想的な存在を作り、シミュレーションできるようにしたい。
単にチャットできるAIキャラクターを作りたいわけではありません。
その人間が、ある状況に置かれたときにどう考えるのか。
どのような選択をしやすいのか。
どのような関係性の中で変化するのか。
時間の経過によって、どう振る舞いが変わるのか。
そういうものを扱えるシステムを作りたい。
人間そのものを完全に再現することはできない。
けれど、人間を理解するためのモデルを作ることはできる。
そして、そのモデル同士を動かせば、小さな社会や組織や物語をシミュレーションできるかもしれない。
ゲーム、AI、占術、シミュレーションはつながっている
自分にとって、ゲーム制作も、AIも、占術も、シミュレーションも、かなり近い場所にあります。
ゲームは、世界を定義する行為です。
ルールを作る。
キャラクターを作る。
行動を決める。
結果を返す。
プレイヤーの選択によって世界が変わる。
これは、ある意味で小さな世界モデルです。
Noxaも同じです。
人間や世界をどう記述するか。
その記述から、どのような解釈や結果を返すか。
そこにAIをどう関与させるか。
扱っている題材は違っても、根本にある興味は同じです。
世界をどう記述し、どう動かし、どう理解するか。
これが、自分の中で一番大きなテーマなのだと思います。
これから作っていくもの
これからやっていきたいことは、かなりはっきりしています。
Noxaを育てる。
知識体系を増やす。
AIとの接続を強くする。
仮想人間を作る。
複数の仮想人間を動かす。
関係性や社会をシミュレーションする。
そこから、人間の判断や創作や意思決定に使えるものを作る。
たぶん、自分が作りたいのは単なる便利ツールではありません。
人間が世界を観測し、解釈し、未来について考えるための基盤。
あるいは、思考や選択を支えるための仮想的な観測機関。
その最初の形がNoxaです。
まずは、作る
まだ完成形が見えているわけではありません。
むしろ、作りながら見えてくるものの方が多いと思っています。
ただ、自分が興味を持っている方向は変わらない。
人間はどう考えるのか。
未来をどう怖がるのか。
どうすれば、もう少しよく選べるのか。
世界をどう記述すれば、そこに意味のあるシミュレーションが生まれるのか。
そういうことを考えながら、Noxaを作っています。
文章を書くのは、やはりあまり性に合わない。
でも、AIがあるなら、こうして一度くらいは言葉にしてもいい。
これから作っていくものの記録として、まずはここに残しておきます。