正しい情報が現場のマネジメントを変える~とある運送業者の事例~
コンサルタントの松浦です。
企業の永続には適正な利益が不可欠です。私たちが推進する「全員経営」では、利益を全社員の共通目標として掲げます。その真の目的は、単なる数字の達成ではありません。若い時から自部門の利益を考え、行動するプロセスを通じて「経営者意識を持つ人材」を育成することにあります。
現場の善意と情報の欠如
「うちは現場に任せているから大丈夫だ」と信頼を寄せる経営者は少なくありません。しかし、現場は「正しい情報」を持って判断しているでしょうか。
ある運送会社での事例です。一便あたりの利益をドライバーに尋ねたところ、実際の100倍の金額を回答しました。これは、利益の構造を理解していても、判断の基礎となる「客観的な数値」が共有されていないために起こる、現場の典型的な「思い込み」です。
問題の本質はマネジメントの責任
こうした認識の乖離は、社員の能力不足ではなく、正しい情報を提供していないマネジメント側の課題です。
- 情報の不在による弊害
数字がない現場では、無意識に「自分が作業しやすい製品やサービス」を優先します。 - 情報の共有による変化
正しい利益情報があれば、現場は自発的に「利益率の高い仕事」を選択し、工夫を始めます。現場の判断ミスは、多くの場合、判断材料(数字)を与えられていないことから生じるのです。
活動を金額で捉える管理会計
当社の管理会計が目指すのは、現場の活動を「金額」という共通言語で可視化することです。
正しい管理会計を導入すれば、社員は「算出された数字は自分たちの工夫の結果である」と実感できるようになります。自分たちの努力がどのように利益に直結しているのか。それが金額で見える化されることで、現場の改善活動は劇的に加速します。
正しい判断基準の提供
現場の社員は、本来「会社に貢献したい」という熱意を持っています。その想いを空回りさせず、確かな成果へと繋げるのがマネジメントの役割です。
あやふやな感覚ではなく、正しい情報を共有すること。現場に「正しい判断基準」という武器を渡すことこそが、強い組織を作るための第一歩となります。