多くの人が、自分の価値を証明するために言葉を積み上げようと必死になっています。これまでどの大学を卒業し、どんな有名な企業で、どんな役職に就いてきたか。その華やかな文字列を丁寧に並べることが、良い仕事に出会うための最短ルートだと信じているからです。しかし、採用という現場の最前線で多くの才能を見つめてきた僕の視点から言わせれば、それらはすべて過去の残像に過ぎません。本当にエキサイティングな未来を創るのは、今この瞬間に、これまでの自分をどれだけ捨て去る準備ができているかという潔さです。
世の中には、完璧に整えられたマニュアルや成功法則が溢れています。でも、誰かが作った正解をなぞるだけの作業は、いずれすべて自動化されたシステムに飲み込まれていくでしょう。僕たちが本当に追い求めるべきなのは、履歴書の空白にこそ宿る、名付けようのない情熱です。それは、効率化という言葉では決して説明できない、深夜まで没頭してしまった趣味の話だったり、誰も見向きもしないようなニッチな分野への異常なこだわりだったりします。そうした「無駄」の中にこそ、既存の枠組みを壊して新しい価値を生み出すためのエネルギーが潜んでいます。
僕が一緒に働きたいと思うのは、完成されたプロフェッショナルではなく、未完成であることを楽しめる人です。自分の知らない領域に飛び込むとき、人は誰でも不器用になります。その不器用さを隠そうとして履歴書で武装するのではなく、むしろさらけ出すこと。失敗した経験を「効率が悪かった」と切り捨てるのではなく、そこから得た手触り感を大切に抱えている人。そんな人たちが集まる場所には、数字上の予測を遥かに超える化学反応が起こります。
仕事を選ぶということは、自分の時間を切り売りすることではありません。自分がどんな世界の一端を担いたいか、その意志を表明することです。もしあなたが今の環境に窮屈さを感じているなら、それはあなたが「正解」という名の狭い箱に収まりきらなくなっている証拠です。これまでの実績を一旦すべて忘れて、ただ真っ直ぐに、自分がワクワクする方向へ舵を切ってみてください。
僕たちは、あなたの過去を買い取るためにここにいるのではありません。あなたの未来という、まだ誰も見たことがない物語を一緒に描くために、扉を開けて待っています。整えられた言葉の裏側にある、あなたの生々しい声を聞かせてください。成功の保証なんてどこにもありません。でも、挑戦する価値だけは、ここには確実に存在しています。履歴書という名の古い地図を捨てて、まだ名前のない新しい場所へ、一緒に出かけましょう。