新人OJTで心掛けていること
目次
この考え方の対象
主な対象
使われる場面
問題意識
構造の整理
私なりの整理・実践案
OJT基本
関係性の築き方
説明の仕方
新人の覚えが遅い場合
指示の出し方
指示が伝わっていなかったとき
新人がミスをしたとき
全体の流れ
この考えが活きる場面
この考え方を使うことで楽になること
この考え方の対象
主な対象
・新人のOJTを担当するトレーナー
・マネージャー
・OJTの属人化に悩んている方(管理職、人事担当者など)
使われる場面
・新人のOJTの進捗に遅れが生じているとき
・新人と担当しているトレーナーの間ですれ違いが生じ始めたとき
・OJTのやり方を標準化したいとき
問題意識
人によってOJTの技能にばらつきがある。仕事の習得が早い人ほど評価されやすく、より早く教える側に回る可能性が高くなる。一方で仕事覚えの早い人は、結果として躓いた経験が少ない場合が多く、躓きがちな人がどこでどのように躓いているのかを想像したり共感することが難しくなる。そのため仕事を覚えられないのは本人の問題とされがちである。そしてそれが仕事が早い人と躓きがちな人の間で、感情的なすれ違いを生む場合も多々ある。
構造の整理
どのようにすると仕事をスムーズに覚えられるかは、人によって異なるものである。本来であれば一人一人に合わせたOJTを実施することが理想である。しかし、仕事の教え方は、教わる機会がなかなか得られないために個々の経験や感覚に依存しやすい。結果、OJTの技能は職場内でばらつきが生じる。また、教え方を教える人がいてもその人自身の経験ややり方を伝授する場合が多く、その職場での紋切り型の教え方になりやすい。その職場で良いとされているOJTの手法により仕事をスムーズに覚えられない新人がいても、「どのような方法が本人に合っているか」という視点で検討されることは少ないと感じる。
私なりの整理・実践案
OJT基本
- ①業務を説明する。
- ②業務を実演する。
- ③業務をやらせてみる。
- ④フィードバックする。
- ③④を繰り返す、場合によっては①や②に戻る。
- 段取りを含めて自走できるようになることが目標。
関係性の築き方
- 挨拶と自己紹介をする。(名前だけで良い)
- 事前に「説明がわかりづらかったら遠慮なく言って欲しい」とお願いしておく。
- 新人が自分とどれくらい体の距離をとるかで、心理的な距離感を測る。
- 雑談をどのくらい入れるかは、新人の反応次第で臨機応変に調整する。
- フィードバックをする際に、良い点から伝え、改善点は、「このように改善すると良い」という伝え方をすることで角を立てずに伝える→新人が安心してトレーニングに臨める。
- 教える人ではなく、業務習得まで伴走する人というイメージで接する。
説明の仕方
- 論理的に順序立てて話す。
- 「〇〇について説明します。」と概要を述べてから説明に入る。
- その仕事が「なんのための」「どんな」仕事なのか、から説明する。
- 説明の順序は、前提→結論→例え→再び結論
- 例え話は、その人の頭の中にあるものを使って例える。
- メモをとっている最中は待ってあげる。
- 質問は歓迎する。
- 常に新人の頭の中を想像しながら説明や段取りを行う。(表情から理解度を測る。)
新人の覚えが遅い場合
- 真っ先に考える可能性
- 説明やOJTの進め方がその新人に合っていない。
- 「わかったつもり」に陥っている。
- わからないことがあるけれど、質問ができていない/質問をしてもらえる関係性を築けていない。
- 次点で考える可能性
- 新人の方の取り組み方に理由がある可能性
- メモをとっていない、できないままにしているなど
- 原因を踏まえて、OJTの進め方をより本人に合うように調整する。
- ロールプレイや、練習の回数を増やす。
- 理解の追いついていない部分を炙り出す。
- 説明の仕方を変える
指示の出し方
- 新人のOJTなので、指示は一度に一つまで。
- 終わったら報告してもらう。
- 指示を出すときに必ず質問はないか聞く。
- 他は説明の仕方に同じ。
指示が伝わっていなかったとき
- コミュニケーションの主役は「聞き手」。伝わらなかったのは、自分の伝え方が悪かったと考える。
- ちゃんと伝わっているかどうかの確認はしたか振り返る。
- 伝わる説明になっていたかどうか振り返る。
新人がミスをしたとき
- 新人ではなく、ダブルチェックで見落とした自分の責任。
- お客様を怒らせるような事態になったときは代わりに対応し謝罪する。
- なぜミスが起こったのか。不注意で終わらせずに、仕組みから再発防止策を一緒に考える。
- 感情的に怒らない。なぜそうしたのかをまずヒアリングしてからフィードバックをする。
- 伝わる言い方を心がける。
全体の流れ
- まずは全体的に基礎を身につけられるように段取りをとる。いきなり応用まで教えると負担が大きい。
- 最初の1回目は説明と一緒にやってみて流れを体験してみることにフォーカス
- 回数を重ねるごとに1人でやる形に持っていく。それでも必ず新人の成果物は確認し、フィードバックを行う。
- 必要であれば段取りの取り方、ミスのリカバリーの仕方など、抽象的なことも教えていく。
- 応用編を教える。応用は先に抽象的な概念を教えておくと説明しやすい。
- 研修期間内に目標とする業務を自走して取り組めるようになるように、スケジュールを調整してOJTを進める。
この考えが活きる場面
この考え方は、スムーズにOJTを進めるだけでなく、新人が躓くたびにトレーナー側の説明や実施方法を見直す機会ができる。ケーススタディがしやすく、トレーナーとしてOJTの回数が増えるごとに対応できる幅と深さが増していく。さらには属人化しやすいOJTを安定させることができる。また、新人との関係性づくりについても具体化しているので、心理的安全性を作りやすくしている。以上から、再現性、心理的安全性、成果の三点のバランスが取れており、OJTのノウハウが確立されていない職場ほど効果が見込める考え方である。
この考え方を使うことで楽になること
・トレーナーがOJTを進めやすくなる
・OJTの進捗に課題が生じたときに、個人の問題ではなく、OJTの設計の課題として改善を図れる。
・OJT担当者が、やり方を振り返ったり、結果を共有しやすくなる。