はっきりしてきたことがある。
これまでずっと、有形のモノを扱ってきた。仕入れて、値段つけて、売る。シンプルで手応えもある仕事だと思う。でもやればやるほど、どこかで違和感もあった。
どこまでいっても「すでにある構造の中で動いている」感じが消えない。価格も在庫も回転も分析できるし、ある程度はコントロールもできる。でも結局は、できあがっている仕組みの中で微調整してるだけなんだよな、と思う瞬間がある。
それより気になってきたのは、もっと手前の部分だった。そもそもこの判断ってどう決まってるんだっけ、なんでこのやり方が当たり前なんだっけ、みたいなところ。
たぶん自分がやりたいのはこっち側だと思う。売ることじゃなくて、「どうやって決めてるか」をいじること。
ここでよく言われる再現性も、少しだけ違う感覚がある。再現性は大事だと思う。でもそれがゴールではない。人間は普通にバラバラだし、全部が同じように再現できるわけじゃない。むしろ必ずズレる。
ただ、そのズレこそが面白いとも思っている。一度ちゃんと型をつくる。誰がやってもある程度同じ結果が出る状態をつくる。その上で、そこからズレるものが出てくる。そのズレ方に個性が出るし、初めて「違い」が見える。
自分にとって再現性は完成形ではなく前提に近い。白いキャンバスみたいなものだと思っている。
ちゃんと何もない状態をつくっておくから、そこに乗った違いが見える。そのキャンバスをつくる手段として、ITやSaaS、AIが一番しっくりきている。
有形の営業からITに行きたいというより、現場から一段奥に入りたい感覚に近い。今まで見てきた“ぐちゃっとした現場”を一度きちんと整地してみたい。その上でどこが崩れるのかを見たい。
たぶん、そこにいちばん興味がある。
構造を作る側に回ってみたい。