BeRealで相次ぐ社内情報漏洩──SNSの性格と企業リスク|時事雑感(58)
*この記事は5月11日にnoteに公開する予定の記事です。
みなさん、こんにちは。
内部社員による社内情報漏洩が相次いでいます。
どうやら、BeRealというSNSの性格が問題のようです。
BeRealの特徴と漏洩の関係についてみていきましょう。
①BeRealとは。社内情報漏洩の事例
(参照:弁護士ドットコム、ITmedia ほか)
「BeReal」はフランス発のSNSで、若い世代を中心に利用が広がっているようです。
一日一度の通知、その瞬間を友達グループ内で共有するという設計思想が特徴で、他のSNSとはかなり性格が違います。
BeRealの主な特徴
- ランダム通知 → 2分以内が本来の投稿タイミング
遅れても投稿できるが、Late扱いになり他人の投稿が見られない。 - 前後カメラの同時撮影
外カメラは周囲の様子
内カメラ:自分の顔や手元 - 加工機能がない
フィルターなし。撮り直しもほぼ不可。 - 投稿は24時間で消える
ストーリー系SNSに近いが、リアルタイム性がより強い。 - イイね・フォロー文化がない
承認欲求の圧が弱く、若年層の「映え疲れ」からの逃避先になっている。 - 友達限定のクローズドSNS
ただしスクショが外に出れば、Xなどに転載されるのは一瞬。
これらの特徴を併せて見てみると、
2分縛りによる焦りと、BeRealは友達限定のクローズドSNSという心理面。
内側カメラによる意図せぬ撮影、スクショが外に出れば X や InstagramなどのSNSに転載されるは止められない仕様。
これら心理面と仕様が合わさり、
- PC画面
- 会議室のホワイトボード
- 店舗のバックヤード
- 銀行や病院の内部
こういった、外部に流出すると問題になる画像が流出しやすい構造になっています。
実際に、銀行支店内のBeReal投稿がXで拡散し、 顧客名がそのまま流出したケースも報じられています。
②今日の雑感
ハッキングやランサム攻撃ほど大規模ではないものの、 写り込む情報によってははバイトテロと同等、あるいはそれ以上に企業へ深刻なダメージを与えかねません。
企業側には、新たな教育コストも発生します。
そもそも、ランダムな通知に合わせて撮影するという設計そのものが、ビジネス環境と根本的に相性が悪いのは明らかです。
たとえ遅れて投稿できる仕組みがあったとしても、「今撮るのがBeRealらしい」という文化的な圧力は残ります。
もし、社員に使用を許可するのであれば、
- スマホのレンズを指で押さえて真っ黒な画面にする
- 撮影禁止エリアを明確にする
- スマホロッカーを完備する
といった対策が必要になるでしょう。
ただし、通知がいつ来るかわからないという心理的負荷や、 通知への対応で集中が途切れるといった弊害は避けられません。
こうした環境下で、常に100%のパフォーマンスを発揮できる人は多くないと思います。
企業が能力に応じて報酬を支払っているのであれば、生産性の低下は評価や報酬の見直しにつながっても不思議ではありません。
一方で、BeRealの仕組みは、アトラクションやイベントの中で「サプライズ要素」として組み込めば非常に効果的だと感じます。
たとえば、テーマパークのアトラクション中に
「緊急ミッション!」のような通知が突然届き、
「10分以内に対象を撮影して本部に報告せよ!」
といった使い方をすれば、モンスターハンターの緊急クエストのような高揚感が生まれるでしょう。
音楽フェスなどで、専用アプリを使って
「“推し”が魅せる最高の瞬間を投稿せよ!」
といった仕掛けも、参加者の一体感を高めるはずです。
いずれにせよ、道具を使うにも「時と場合」が重要です。
場面に適した使い方でなければリスクが生じ、適切な場で使えば価値を生むことが可能です。
どこの誰が管理しているのかも分からないSNSに、
いきなり時間制限のある撮影と投稿を求められるというのは、
正直なところ抵抗があります。
自分の行動を外部のタイミングに合わせる仕組みは、私には向いていないようです。
ここまで読んでくださって有難うございました。
気が向いたらまた、ふらりと寄って行ってください。