小さな会社で経理が属人化すると、何が起きるのか
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小さな会社ほど、経理は少人数で回されています。
経理担当が一人だけ、あるいは社長や管理部門が兼務している。
そうした体制自体は珍しいことではありませんし、最初のうちはそれでも何とか回ることが多いです。
ただ、その“何とか回っている”状態には、見えにくいリスクがたくさんあります。
たとえば、担当者しかやり方を知らない。
請求書の発行方法、支払の流れ、証憑の保存場所、月次でどこを確認しているか。
それらが口頭や個人の感覚で回っていると、いざその人が休んだり退職したりしたときに、途端に業務が止まります。
しかも、属人化の怖さは「止まること」だけではありません。
業務の全体像が見えないので、改善しようとしてもどこから手をつければいいか分からない。
結果として、無駄な二重入力や手作業が残り、月次の締めは遅れ、数字が見えるのも遅くなります。
すると経営者は、十分な情報がないまま判断を迫られることになります。
本来であれば、経理は経営の安心材料になるはずです。
でも、属人化が進むと、逆に経営の不安要素になってしまいます。
さらに、小さな会社では、一人が複数の役割を担っていることが多いため、経理の問題が現場や経営層にも波及しやすいです。
経理が回らないから社長が請求処理をする。
数字が見えないから次の打ち手が決められない。
本来は売上をつくるために使いたい時間が、穴埋めに消えていく。
これはとてももったいない状態だと思っています。
属人化した経理は、表面上は「何とか回っている」ように見えても、会社の中に静かに負担とリスクを積み上げていきます。
だからこそ、問題が大きくなる前に、業務を可視化し、整理し、誰でも分かる形にしていくことが大切です。
小さな会社に必要なのは、大企業のような複雑な仕組みではありません。
その会社に合った、無理なく続けられる運用と、止まらないための土台です。
経理の属人化を解くことは、単に引継ぎしやすくするだけではなく、会社が安心して前に進むための一歩だと思っています。