私の経歴を見ると、「天然物化学の博士号を持つ研究者が、なぜAI・データサイエンスの世界へ進んだのですか?」と聞かれることがあります。
私にとって、それは突然のキャリアチェンジではありません。
研究者として積み重ねてきた経験を、さらに広げるための自然なステップでした。
博士課程修了後、日本で約4年間、化学・生命科学分野の研究に携わってきました。日々の仕事は、実験を計画し、データを収集・解析し、仮説を立てて検証を繰り返すことでした。
研究はとてもやりがいのある仕事でしたが、その中でも私が最も夢中になっていたのは、「データの中から新しい発見や価値を見つけ出すこと」でした。
AIや機械学習が世界中のさまざまな業界で活用されるようになる中で、私は次のように考えるようになりました。
「研究で培った分析力とデータサイエンスを組み合わせれば、もっと幅広い社会課題を解決できるのではないか。」
その思いが、私の新しい挑戦の始まりでした。
そこで私は、AI・データサイエンスを本格的に学ぶために Le Wagon Tokyo Data Science & AI Bootcamp に参加しました。
Bootcampでは、
- Python
- SQL
- 機械学習
- Deep Learning
- Data Visualization
- Streamlit
- MLflow
- Generative AI
- Large Language Models(LLM)
- LangChain
などを実践的に学びました。
単に技術を学ぶだけではなく、「実際に動くAIプロダクトをチームで作る」という経験ができたことが、私にとって最も大きな学びでした。
技術だけではない、大きな学び
Le Wagonで最も印象に残っているのは、多国籍で多様なバックグラウンドを持つ仲間と一緒に学び、成長できたことです。
この写真は、最終プロジェクトを発表したDemo Dayで撮影したものです。
この一枚を見るたびに、チームで何度も議論を重ね、コードを書き、問題を解決しながら一緒に成長した日々を思い出します。
私はこれまで研究者として国際的な研究環境で働いてきましたが、Le Wagonではさらに、ソフトウェアエンジニア、ビジネス、金融、コンサルティングなど、さまざまな専門分野や文化を持つ仲間と協働する貴重な経験を得ることができました。
それぞれが異なる考え方や強みを持っていたからこそ、多くの新しい視点を学ぶことができました。
プロジェクトでは、アイデアの議論、コードレビュー、機械学習モデルの改善、プロダクト設計、そしてプレゼンテーションまで、チーム全員で協力しながら進めました。
この経験を通して、AIプロジェクトを成功させるためには技術力だけではなく、コミュニケーション能力、相互理解、信頼関係、そしてチームワークが欠かせないことを実感しました。
また、多様な文化や価値観を持つ人々と働くことへの自信も大きく深まりました。
Duckstradamusの開発
Bootcamp最後のチームプロジェクトでは、「Duckstradamus」という機械学習アプリケーションを開発しました。
ニュージーランドの卸売電力価格を予測し、企業が最もコスト効率の良い時間帯に設備を稼働できるよう支援するシステムです。
データ前処理、特徴量エンジニアリング、モデル構築、評価、そしてWebアプリとしての実装まで、一連の機械学習開発を経験することができました。
AIが実際のビジネス課題を解決する力を持っていることを、このプロジェクトを通して強く実感しました。
Bootcamp修了後も学び続ける
Le Wagon修了後も、私の学びは終わりませんでした。
現在はKaggleコンペティションに積極的に参加し、実践的な機械学習スキルを磨き続けています。
Student Health Risk Predictionコンペティションでは、特徴量エンジニアリング、Cross Validation、LightGBM、CatBoost、XGBoostなどを活用し、再利用可能な機械学習パイプラインの構築に取り組んでいます。
Kaggleは、世界中のデータサイエンティストから学び、自分自身を成長させ続けられる素晴らしい環境だと感じています。
これから目指すこと
Le Wagonで得たものは、技術だけではありません。
新しいことへ挑戦する勇気、多様な仲間と協力する楽しさ、そして学び続ける姿勢です。
私はこれまで研究者として培ってきた分析力や課題解決力に、AI・データサイエンスの技術を組み合わせることで、企業や社会が抱える課題の解決に貢献したいと考えています。
私にとって、研究者としての経験とAI・データサイエンスは別々の道ではありません。
どちらも、「データから新しい価値を生み出し、人や社会に役立つものを創る」という共通の目的につながっています。
この挑戦はまだ始まったばかりです。
これからも学び続け、多様なバックグラウンドを持つ人々と協力しながら、AIを通じて社会に価値を届けられるデータサイエンティストを目指していきます。