こんにちは!松岡史晃です。
誰かと一緒にひとつの仕事を進めていくとき、私はよく「灯台」の静かな光を思い出します。暗い海で波に揺られる船にとって、遠くで変わらず明かりを灯し続ける存在があるだけで、進むべき道の安心感が生まれます。私の役目もまた、自分の主張を強く打ち出すことではなく、相手が迷ったときにいつでも立ち戻れるような確かな光として静かに寄り添い続けることです。
仕事の現場で出会う複雑な悩みや課題は、時に芽が出たばかりの繊細な「盆栽」に似ています。早く立派な形に仕上げようとして力任せに枝を曲げたり、水を急いでやりすぎたりすると、根が傷ついて育たなくなってしまいます。相手がどのような想いを抱き、どんなペースで伸びようとしているのかを注意深く観察し、余計な葉を優しく摘み取りながら全体のバランスを整えていく作業が必要です。相手の個性を尊重しながらじっくり時間をかけて枝振りを整える丁寧さが、強固な信頼関係という根を広げていきます。
また、異なる意見を持つ人々が対話を重ねるときは、「天秤」の傾きをそっと見守る観察者の視点が欠かせません。双方の言い分や大切にしている価値観を両方の皿に慎重に載せ、どちらか一方に重りが偏りすぎないよう言葉の重みを微調整します。左右の皿が水平に保たれた瞬間、お互いが心から納得できる心地よい合意点が生まれ、滞っていたプロジェクトや関係性が滑らかに動き始めます。
人と人との間で生まれる課題を紐解き、新しい可能性を開いていく営みには、どこにもあらかじめ用意された正解のマニュアルは存在しません。灯台のように行く先を静かに照らし、盆栽のように相手の可能性を丁寧に育み、天秤のように双方の想いの重さを汲み取っていく柔軟な立ち回りが求められます。自分を前面に出すのではなく、相手の魅力を最大限に引き出す黒衣として伴走することこそが、この仕事の持つ最大の魅力です。
言葉を通じて気持ちが通じ合い、それまで曇っていた相手の表情にパッと明るい光が灯る瞬間を見届けるたびに、丁寧な対話の持つ力を深く実感します。
これからもひとつひとつの出会いと対話を大切に重ねながら、目の前の人と真摯に向き合う歩みを止めることなく続けていきたいと考えています。互いの視点を尊重し合いながら新しい可能性を探し出していく作業を、これからも愚直に積み重ねていきます。