1
/
5

VTuberアニメのシナリオライターになるまで

就活編

大学4年の秋。所沢の教習所からの帰り道。原付きを走らせていると、黄色い看板が目に留まる。GEOだ。何となく寄ってDVDを借りる。タイトルは「マインドゲーム」

入間のボロアパートに帰って見てみる。
これは…

面白い!!!!


アニメと実写を混ぜた映像表現!!
新感覚すぎる!!

凄いなこの作品。
どんな会社が作ってるんだろう?
DVDのパッケージを裏返す。
そこには「STUDIO4℃」のクレジットが。
変わった社名だなぁ。検索してみよう。
…おぉ、これがホームページか。
オシャレだなぁ。
ん? 新卒を募集してるぞ。
……
応募しよう。

2ヶ月後。

内定。

こうして廣木章悟(ひろきしょうご)の就活は終わった。


アニメスタジオ編

STUDIO4℃を皮切りに、様々なアニメスタジオに勤めた。

2009年4月~2010年10月
株式会社STUDIO4℃

▼代表作
・えんとつ町のプペル
・ベルセルク
・鉄コン筋クリート
▼担当作品
・WEBアニメ「ハニー東京」
・OAD「グリーンランタン」
▼職種
制作進行


2010年12月~2012年1月
株式会社Production I.G

▼代表作
・攻殻機動隊
・サイコパス
・ハイキュー!!
▼担当作品
・TVアニメ「うさぎドロップ」
・TVアニメ「ギルティクラウン」
▼職種
制作進行


2012年10月~2016年6月
株式会社A-1 Pictures

▼代表作
・あの花
・アイドルマスター
・ソードアート・オンライン
▼担当作品
・劇場アニメ「宇宙兄弟#0」
・TVアニメ「冴えない彼女の育てかた」
・TVアニメ「マギ」
・TVアニメ「僕だけがいない街」
・劇場アニメ「同級生」
▼職種
制作進行→企画営業


2016年7月~2017年11月
株式会社CygamesPictures

▼担当作品
・アニメ「プリンセスコネクト!」
・アニメ「ブレードランナー 2022」
▼職種
制作デスク


働きに働いた。経験値マシマシ。いろんな人にお世話になったし、いろんな人のお世話もした。ちなみにこの頃吉祥寺に住んでいた。住所は練馬区だけど。最寄りが吉祥寺駅なんだから問題ないだろう。

異論は認めない


キャリアの話に戻そう。アニメスタジオで働きつつ、廣木はシナリオを書いていた。ライターになりたくて。そして出来た脚本を同僚に見せたところ…

つまらん


と言われた。
んなはずない!! 自信作だぞ!!
一応見直してみるか…

つまらん


自分でもそう思った。才能ないな、ライターはあきらめよう。っと決めたはずが。翌月にはまた別のシナリオを書いている。そして同僚にダメ出しされる。そんな行いを何年も続けたある日…

いつまでやってんの!?


我に返った。
いい加減あきらめろや!
もうアラサーだぞ!
未練がましく書き続けやがって!
…そうだ。就活しよう。
シナリオライターの求人に応募するんだ。
未経験で受かるわけがない。
現実を見てあきらめろ!!

2ヶ月後。

内定。

マジか…


こうして廣木はシナリオライターになった。


シナリオライター編

ジョインしたのはゲーム会社。
サイバーエージェントの系列企業だ。

2017年12月~2020年12月
株式会社クオリアーツ

▼担当作品
・スマホゲーム「ガールフレンド(仮)」
・スマホゲーム「荒野のコトブキ飛行隊」
▼職種
シナリオディレクター(業務委託)


シナDはライターの書いたシナリオを直すのが主な仕事だ。趣味での執筆経験しかないのに、いきなり監修側なんて…。しかも担当作は「ガールフレンド(仮)」。美少女キャラが130人いるゲームだ。全員の設定を暗記しなければならない。3ヶ月以内に。

荷が重い…


とは言えない。業務委託契約を結んでいる以上、成果が求められる。結果が出なければ契約終了だ。

最初の半年は慣れるのに必死だった。右目のまぶたは痙攣(けいれん)し、肌は荒れる一方。でもそれは自己責任だ。仕事量は適切だし、そもそも望んだシナリオ業務。自分が不慣れなだけ。ってことは分かっちゃいるけど、キツイはキツイ…。そんなとき助けてくれたのが、上司のKさんと同僚のTさんだ。お二人はシナリオのいろはを教えてくれた。物覚えの悪い僕に教え続けてくれた。使えなければ契約終了でいいのに。

感謝しかない


そうした仲間達に恵まれ、シナDを3年務めることができた。そしてこの3年で、美少女モノのノウハウが身についた。なんせ130人の女の子の

・イベントシナリオ
・フレーバーテキスト(カードに添える文)
・コミックプロット

を作り続けたのだ。美少女キャラの魅せ方は一通り網羅しただろう。その一方で、新たな欲求も芽生えた。

別ジャンルにも挑戦したい


そんなとき、VTuberアニメの求人を見つけた。コメディテイストの作品で、脚本家を探してるらしい。お笑いは好きだ。シットコムは毎日見てるし、芸人YouTubeもチェックしてる。でも…

VTuberってなに?


ってレベルで疎いジャンル。けど見てみるとこれが面白い。アニメやゲームとも違う。これは…

新しいエンタメだ…!


っというわけで、VTuberアニメのシナリオライターになった。

2021年1月~現在
カバー株式会社

▼担当作品
・VTuberアニメ「ホロぐら」
(ホロライブ公式コンテンツ)
▼職種
シナリオライター(業務委託)


現在在職3年目。フリーランスとしては7年目。シナリオは200本書いた。まだまだ道半ば。


以上、廣木の経歴でした!


プロフィール

名前:廣木章悟(ひろきしょうご)
出身地:茨城県
居住地:中野(新宿と言い張って早5年)
よく見るもの①:海外ドラマ(1000話視聴)
よく見るもの②:格ゲー(スト6)
詳しいスポーツ①:野球(7年間プレイ)
詳しいスポーツ②:プロレス
バイト経験:カフェ、セブンイレブン
副業:専門学校講師(Vや脚本について講義)


自己分析

マリオカートで例えると、クッパタイプです。

タスクに取り掛かる際、キノピオタイプはロケットスタートします。対してクッパタイプは出足が遅い。っというか、僕の場合カートから降ります。そして検証を始めます。このエンジンはどういう仕組みなのか。このタイヤはベストなのか。納得いくまで調べます。その間もキノピオは走り続けています。そしてクッパが検証を終える頃には、コースを一周してます。

でも、ここからがクッパの真骨頂。一度走り出せば、キノピオとの差をグイグイ詰めます。コースに(タスクに)最適化したカートに乗ってるので。検証の成果です。つまり廣木は…

初速は遅いが最高速度が出るタイプ


の人間です。なので、サクッと済ませる系の仕事には向かないです。考える余地のあるお仕事、お待ちしてます。



最後までお読みいただき、ありがとうございました!