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インタビューライターが思う社員インタビューの効果

社員インタビューの目的とは

社員インタビューは、採用広報の一環として、仕事内容や働き方などを紹介する目的で行われます。近年は採用専用のwebサイトを運用する企業も多く、社員インタビューコンテンツは定番といってもいいでしょう。

社員インタビューの効果

社員インタビューの効果には次のものがあります。

  • 求職者の参考になる
  • 採用のミスマッチを防止できる
  • 従業員満足度が高まる

それぞれの内容について以下で詳しくみていきましょう。

求職者の参考になる

入社後の働き方や仕事内容を知りたいと思っている求職者からすると、実際の社員のストーリーはとても参考になります。さらに、一緒に働く可能性のある人を何人か知ることで、入社後のイメージも湧きやすくなるでしょう。

また、インタビュー内で仕事内容やプロジェクトを紹介することで、企業概要では伝わりにくい詳細な業務内容を伝えられます。例えば、法人営業とひと口に言っても、具体的にどういったことをするのかイメージできません。しかし、インタビュー内で「取引先企業を訪問し、新商品について説明したり商品の活用法をお伝えしたりします」などと説明があれば、仕事内容が具体的に伝わります。

このように、社員インタビューは企業概要を補完する役割もあるのです。

採用のミスマッチを防止できる

社員インタビューは、採用後のミスマッチも防止できます。採用のミスマッチとは、思っていた社風と違ったとか、予想していた仕事内容ではなかったといった、事前情報と実際が異なるときに生まれます。情報の出し手である企業は意図していなくても、情報を受け取る側の求職者が異なるイメージを持ってしまうこともあるでしょう。

そうしたイメージのギャップを少なくできるのも、社員インタビューの効果です。社員インタビューで先輩後輩とのエピソードを語ったり、社内での出来事を載せたりすることで、自然に社内の雰囲気が伝えられます。「当社は風通しがいい職場環境です」と書かれるよりも、「会議では、立場に関係なく意見が活発に交わされ、プロジェクトの骨子のほとんどは後輩が提案した内容で決まりました」というエピソードの方がイメージしやすいということです。

特に「風通しがいい」「やさしい人が多い」「明るい」といったあいまいな表現は、受け手によってイメージが異なります。そのため、社員インタビュー記事によって具体的に示せると、入社後のギャップは起きにくくなるでしょう。

従業員満足度が高まる

社員インタビューを行うと、従業員満足度が高まります。実際に検証はしていなく、あくまでも私の感覚に基づいての話です。

なぜ従業員満足度が高まるのかというと、インタビューは傾聴でもあるからです。傾聴はカウンセリングなどで用いられる手法で、社員との面談に活用している企業もあるでしょう。傾聴を行うと、話し手は考えや感情が整理され、改善や解決に向けて行動しやすくなると言われています。実際、インタビューを実施したあとは、みなさんとてもスッキリとした表情になります。

自分のことを話す機会は案外少ないため、改めてインタビューで話をすると、自分でも意外なことを語ったりするものです。インタビューを実施した方から「インタビューのおかげで次の目標ができました」と言われたときには、私もやりがいを感じました。

インタビューだけでも傾聴の効果はありますが、さらに記事として公開されると、さらに自己肯定感が高まります。会社から認められたという満足感も合わさり、従業員満足度に好影響をもたらすのです。

社員インタビューの実施方法

社員インタビューの実施方法は次の3つのステップで行います。

  • 誰に向けた記事にしたいかを考える
  • 情報発信を行う媒体を決める
  • インタビュイーを選定する

それぞれについて説明します。

誰に向けた記事にしたいかを考える

まず、誰に読んでもらいたいのか決めましょう。いわゆるターゲットの設定です。新卒採用者向けか、中途採用者向けか、職種で絞り込むこともあります。新卒採用者に向けた記事なのに、中途入社のインタビューばかり掲載してはあまり効果的とは言えません。読んでほしい人を意識したコンテンツ設計が大切です。

情報発信を行う媒体を決める

どこに記事を載せるかを決めます。載せる媒体によって記事の長さや、体裁を変える必要があるからです。例えば、自社の採用サイトであれば長さの制限などなく、比較的自由に掲載できますが、求職サイトといった他社ポータルサイトでは、そのルールに従う必要があります。さらに、SNSを使う場合はかなりコンパクトにまとめなければなりません。

記事を作成してから変更するのはとても大変ですし、媒体に合わせたコンテンツを最初からつくる方が効率的ですので、掲載する媒体は決めておきましょう。

インタビュイーを選定する

ターゲットや媒体が決まったら、インタビューを受けてもらう人を選定しましょう。多くの企業では、今後力を入れたい事業に取り組んでいる人や、社内表彰を受けた人、他の社員から信頼が厚い人などを選定しているようです。社員アンケートなどで、インタビュイーの推薦を受け付けるのもいいかもしれません。

また、普段は裏方にまわるような業務の方を選定し、会社として評価していることをアピールするのも1つでしょう。

記事作成は社内か外部委託か

記事作成を社内で行うか外部委託にするか、それぞれのメリットデメリットを明示しつつ解説します。

社内で実施するメリットデメリット

記事作成を社内で行うメリットは、コストを抑えられるという点にあります。インタビュー、記事作成、写真撮影を全て社内の人材で行うので、新たな費用は発生しません。

しかし、制作に携わる社員の業務量が増えるというデメリットがあります。制作時間分の通常業務を他に振り分けられれば問題ありませんが、そうした余裕のある企業は少ないでしょう。すると、残業をして制作を進めることになるだけでなく、通常業務に影響を及ぼす可能性もあります。社員インタビューをコンテンツとして運用していくには、制作専属の社員が必要です。

また、社員が社員のインタビューを実施すると、深いエピソードを引き出しにくいというデメリットもあります。社内で制作を行う際には、インタビュイーに合わせてインタビュアーの選定も必要です。

社員インタビューを社内で行うメリット

  • コストを低く抑えられる
  • 社内に制作ノウハウが蓄積される
  • 社員同士の交流が生まれる

社員インタビューを社内で行うデメリット

  • 社員の業務が増える
  • 傾聴の効果が得られにくい
  • インタビュイーによってインタビュアーを設定する必要がある

外部に委託するメリットデメリット

インタビュー記事を外部に委託すると、当然ながら費用がかかります。これが外部委託を利用するデメリットです。一方で、外部委託には以下3つのメリットがあります。

  • 1.社内の仕事を増やすことなくコンテンツ制作ができること
  • 2.プロ品質のコンテンツができること
  • 3.インタビュイーが話しやすいことの

特に、外部の人間がインタビュアーを行うことで、インタビュイーも話しやすくなり、より深いエピソードや考えを引き出せるでしょう。傾聴の効果も受けやすくなります。社内で制作を行うときのような、インタビュイーによってインタビュアーを選定する手間もないため、社員インタビュー記事作成は外部に委託するがおすすめです。

社員インタビューを外部に委託するメリット

  • 社内の仕事を増やすことなくコンテンツ制作ができること
  • プロ品質のコンテンツができること
  • インタビュイーが話しやすいことの

社員インタビューを外部に委託するデメリット

  • コストがかかる
  • インタビュアーやライターの選定が必要

社員インタビューの活用法

さいごに、社員インタビューの活用法についてお伝えします。社員インタビュー記事を制作したら、インタビュー中や写真撮影中の様子を社内報やSNSで公開しましょう。制作の裏側を知ることで、記事に興味をもってもらいやすくなります。

社員インタビューは、求職者はもちろん社員にもプラスの効果をもたらしますので、取り組もうかどうか迷っている企業はぜひ始めてみてください。