母集団形成、応募数、CPA——今の採用市場は"量"を語る言葉であふれています。間口を広げることは大切ですが、それが本当に"採用の成功"につながるのでしょうか。
Netflixの創業者が、顧客について「一人ひとりが全く違う存在で、突き詰めれば市場は1人しかいない」という趣旨のことを語っています。これは採用にもそのまま当てはまると思っています。
20代・学生・シニア・主婦(夫)——採用ではよく属性でくくられますが、実際の人はもっと複雑です。同じ20代でも、どんな空気感が好きか、何に安心を感じるかはまったく違います。
以前、クライアントによくこんな話をしていました。
「求人広告は、ラブレターに近いと思うんです」
ラブレターは100人に向けて書きません。"その人"を思い浮かべながら書くから、言葉に体温が乗る。求人も同じです。どれだけ集めても、最終的に働き続けるのは目の前の"その1人"。
「学生歓迎」より「学校帰りに3時間だけ働きたい人へ」の方が、結果的に深く届きます。人は"条件"より"情景"に反応するのです。
検索型プラットフォームが主流になる今だからこそ、必要なのは「検索」ではなく「接続」。"この会社、自分に合うかもしれない"という感覚をどう作るか。
何人に届けるかではなく、誰に届くか。
それが、これからの採用の本質だと思っています。