「うちも採用ブランディングをやらないと」…そんな声を経営者の方からよく聞くようになりました。
でも一度立ち止まって考えたいのは、「採用ブランディング」とは、いったい何をすることなのかということです。
SNSを始める、採用サイトを作る、社員インタビューを載せる——これらは手段であって、目的ではありません。手段から入ると、コストと労力だけがかかって成果が見えない活動になりがちです。
本来のブランディングとは、「良く見せること」ではなく「自分たちが何者かを明確にすること」。
SNS採用がうまくいっている企業に共通するのは、投稿頻度や写真のクオリティより先に、「自社が何者かを、自分たちでわかっている」ことです。そこが言語化されている会社は、写真が素人撮影でも、文章が短くても届きます。発信より、定義が先なのです。
「うちは特別な会社じゃないので」という声もよく聞きます。でも「自社らしさ」とは、特別な制度や派手な実績のことではありません。会社が積み重ねてきた時間・判断・文化の中に、すでに存在しているものです。
長く働いているスタッフに「なぜこの会社にいるのか」を聞いてみる。創業の経緯を振り返ってみる。あるいは、社名やロゴに込められた意味にも、ヒントは隠れています。「うちの社名には、実はこういう意味があって」と語る経営者の言葉には、決まってその会社の核心が宿っています。
問題は「らしさがない」ことではなく、「らしさに気づいていない」ことがほとんどなのです。
そしてもう一つ大切なのが、定義より体験が先ということ。どれだけ言葉を磨いても、実際の職場体験が伴っていなければ、採用ブランディングは機能しません。
採用ブランディングとは、良く見せることではなく、自社を深く知るプロセスそのものなのかもしれません。
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