機能より先に設計すべき、ゲームの「期待」
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ゲーム開発というと、つい性能や機能、システムの完成度に目が向きがちです。もちろんそれらは重要ですし、疎かにしていいものではありません。
ただ、長くゲーム開発に関わってきて感じるのは、ユーザーが実際にお金を払う理由は、性能や機能そのものではない、ということです。
ユーザーが買っているのは、「このゲームを遊んだら、何か良い体験ができそうだ」という期待です。
人は「かもしれない」にお金を払う
このゲームを遊んだら、
・人より上手くなれるかもしれない
・仲間と盛り上がれるかもしれない
・物語に感動できるかもしれない
人は、その「かもしれない」に心を動かされます。
アーケードゲームであれば、ワクワク感があるから次のコインを入れ、オンラインゲームであれば、その先の楽しさを想像できるからこそ課金します。
結局のところ、購入や継続の原動力になっているのは期待値だと言えます。
シリーズ作品がビジネスとして成立しやすいのも、前作で積み上げた体験が、そのまま期待値になるからです。
初見で伝えたいもの
学生の展示会やインディーゲームの発表を見る中で、少し気になることがあります。
内容自体はしっかり作られているのに、
・タイトル画面が非常に簡素
・デモや導入演出が弱い
・プレイを続けた先の楽しさが想像しづらい
その結果、初見での惹きつけが弱くなってしまっている作品です。
ゲームをプレイしてもらうためには、最初の数秒から十数秒で「これは面白そうかもしれない」と思ってもらえるかどうかが大きいです。
デモループや序盤の演出を少し工夫するだけで、作品の印象は驚くほど変わります。
初回で完璧でなくてもいい
初回プレイですべてを出し切る必要はありません。多少消化不良でも、「この先、何かありそうだ」と感じさせられれば、作品は120点に見えることすらあります。
もちろん、期待と実体験がかけ離れすぎれば失望につながります。ですが、期待に応える体験をきちんと提供できれば、ユーザーは自然と繰り返し遊んでくれます。
ゲームと一緒に、何を売っているのか
人は、ゲームそのものだけを買っているわけではありません。その先にある楽しさや体験への期待も一緒に買っています。
この視点を持っているかどうかで、タイトル画面、演出、導線、設計の判断は変わってきます。
性能や機能を磨くのと同じくらい、
「このゲームを遊んだら、どんな未来が待っていそうか」
それが伝わっているかを、常に意識していたいですね。
おわりに
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