採用は教科書通りには行かないが、教科書を読まないとうまくは行かない。
早いもので私が「採用」に関わって9年が経ちました。
その中で計5社経験し、業界もほとんどバラバラと言うかなりドラスティックでスリルある9年でしたが、年数だけを見ると、そこそこ採用を経験をしてきている部類に入ってきたのではないかと思います。
ただ、経験年数とパフォーマンスへの相関関係は全く別のものなので、経験年数を自分は自分のステータスとは考えてもいません。長くやればいいものではないです!
・・・ただ、そこそこ長くやって来たからこそでもあるのですが、比較的ネガティブな事と捉えがちな、教科書通りにやることが想像以上に採用の成功へと繋がることを痛感する様になりまして、更に言うと教科書を知っていないと、何がイノベーションかすらわからなくなることもあるなと感じるように・・・。
と言うのも、色々なイベントで採用担当の方と交流をしていると
「新しい採用手法を試したい」
「他がやっていない手法を取り入れたい」
と言ったようなお困りごとを良く聞くのですが、よくよく話を深掘りすると、採用の教科書があれば絶対に載っているような一般的な手法をほとんどやっていないことが多いことに気付きます。
(ここで言う一般的なことと言うと、情報収集、情報発信、面接、説明会、媒体を出す、エージェントなど、採用と言えば!的なものだと思って読んでください)
なぜやっていないのかと聞くと、
「工数が足りない」
「効果が見込めない」
「効率よくやりたい」
と言った返答が多いのですが、個人的にはやっていない、もしくはやれていないのになぜそう判断が出来るのかを疑問に思ってしまいます。
これについては、恐らく他社の採用担当から聞いた話や、何かの記事などで見たからというケースが多いのではないかと思いますが、これでは「工数が足りない、効果が見込めない、効率良くやる」を判断するにあたっての肌感覚が全くなく、単なる食わず嫌いの様なものです。
更に、やったこともないこと、もしくはやりきれていないことをベースに判断する訳なので、失敗のリスクも高いですし、個人としての成長(特に気付き!)にも間違いなく大きな影響を及ぼすでしょう。
ちなみに決して難しいことを言っている訳ではありません。
例えば、「有名な採用媒体を使って見たけど効果がなかった」と言う一つの事実を経験するだけでも、深掘りをしていけば、
・広告内容の精度が低かったから効果がなかったのでは?
・ターゲットの設定が甘くターゲットになるべき人に情報を届けられていなかったのでは?
と言う気付きや、
「面接はするものの採用に至らない」と言う経験から、
・そもそもの面接が悪かったのでは?
・採用基準とターゲットがあっていないのでは?
と言った気付きがあるかもしれません。
実はここで書いたことは私の実体験でもありまして、やったこともないことや、やりきれてない経験をベースに判断したことが成果に繋がったことはほぼなく、成功体験の多くが、採用担当ならきっと知っているごくごく当たり前のことを、当たり前ににやって来たことが積み重なった上で判断したことだったりもするのです。
やるべきことから気付きがあって、その気付きから次のやるべきことが見つかって・・(続く)の繰り返しが全ての成功に繋がる感じです。
もちろん感覚的な判断も時には必要なのでしょうが、どんなに最新の手法であっても、因数分解をしていくとたどり着くのは元々古来からある教科書的な採用手法がベースにあります。
その教科書があったから、矛盾を感じて来た先人達が新しい採用サービスを作ってきましたし、HRTechと言う新しい分野も誕生しました。採用で実績を出している採用担当の方も、ポッと出て成功したきたのではなく、見えない所で教科書的な手法をかなりやり込んだ上で新しいことにチャレンジし、実績を出している方が多い印象です。ある意味採用マニアです。すごいです。
自分も採用担当に成り立ての頃と比べても、今の方が基本に忠実に、そして教科書通りなことをやっていますし、そこからの気付きから次のアクションに繋げています。こんなんやっても意味ないよとか思う前に、「採用は教科書通りには行きませんが、リアルに教科書を読まないとうまく行きません」ので、まずは教科書に書いてあることを粛々とやることをオススメする次第です。
なかなかうまくまとめられませんでしたが、何かの気付きになれば!!