【CEOインタビュー】「最先端技術で世界に新しい価値を提供する」株式会社GeekAcaのこれまでとこれから
CEOプロフィール
株式会社GeekAca
韓 曄(Han Ye)
中国出身。京都大学大学院にて情報学修士号を取得後、日立製作所やデジタルガレージなどでAI研究員として10年以上にわたり最先端開発に従事(特許3件取得)。
2021年に中国・深圳での起業を経て、2023年に日本で株式会社GeekAcaを設立。
趣味はお酒(ビール・日本酒)。
異国の地で感じた「日本の技術エンジニア不足」と、起業への決断
――まずはGeekAcaを起業するに至ったストーリーを聞かせてください。前職の大手企業での安定したキャリアを捨てて、ゼロから挑戦しようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
私はもともと、AIエンジニアとして開発の現場にずっと携わってきました。日本で活動する中で、ある時、同僚が退職した際の後任者が決まるまでに半年以上もかかってしまったことがあったんです。この時に「日本の深刻なITエンジニア不足」を肌で実感しました。
一方で、私の母国である中国をはじめとする海外の状況に目を向けると、エンジニアには「35歳定年説」のような風潮があり、優秀なスキルを持った若いエンジニアが溢れてしまっているという現実がありました。
この「日本での人材不足」と「海外での人材余り」という、双方の異なる課題をつなぎ合わせることで、お互いの問題を一気に解決できるのではないかと考えたのが起業の原点です。
最初は個人事業主からスタートし、その後、現在の「株式会社GeekAca」として法人化しました。当時は大手企業を辞めて起業することに対して親も非常に驚いていましたが、世界が大きく変わる中で「自ら変化を起こすなら、今このタイミングしかない」と一歩を踏み出しました。
現場で直面した「言葉と文化の壁」
――日本と海外のミスマッチを解消するための決断だったんですね。実際に日本と中国の架け橋として事業を展開していく中で、現場ではどのような課題に直面しましたか?
一番大きな課題は、やはり言葉の壁、「日本語環境」でした。海外にいながら日本語を勉強しようとしても、日常的にアウトプットする環境が身近にないことがボトルネックになっていたんです。
オンラインでの日本語リスキリングサービスを展開しましたが、、エンジニアという職種柄、少し内向的で人と話すのが苦手な方も多く、講師と話そうとしても緊張してしまったり、日本人と話すこと自体に恐怖心を持ってしまうケースもありました。
私自身、かつて留学生として来日した際に「教科書で学ぶ日本語」と「日常会話で使われる生きた日本語」のギャップに苦労した経験があります。だからこそ、彼らがどこでつまずき、何を求めているのかが痛いほどよく理解できました。
人間とAIが共に成長する、対話型AI「AINOBI(アイノビ)」の誕生
――実力はあるのに、コミュニケーションの壁のせいで活躍の機会を失ってしまうのは本当にもったいないですよね。その課題を解決するために開発したのが、自社AIプロダクトの「AINOBI」ですね。
その通りです。「実際の人間と話すのが怖いなら、まずはAIを相手に練習すればいいのではないか」という発想から生まれたのが、対話型AIプロダクトの「AINOBI」です。
「AINOBI」は、AIアバターを介して人間の代わりにAIが学習者に知識を教えたり、質問に答えたり、会話の練習相手をしたりすることができるAIネイティブの学習プラットフォームです。AIを相手にすることで学習者は心理的なハードルを下げ、いつでもどこでも生きた対話の訓練を行うことができます。
GeekAcaが実践するAIとの共創スタイル
――ちなみに、GeekAcaでは社内実務においてもAIを積極的に活用していますよね。具体的な活用についても、改めて教えてもらえますか?
私たちはAIを単なるチャットツールとしてではなく、「AI社員(AIエージェント)」として積極活用しています。
例えば社内でも、日本語学習者からの問い合わせ内容をAIが自動で集約・翻訳し、Slackに定期報告してくれたり、逆にこちらから日本語で指示を出すだけで、AIが各学習者の母国語に自動翻訳して通知を送ってくれたりする仕組みを実践しています。
AIがどこまで業務をカバーできるのか、その境界線をクリアにしながら、人間とAIが役割を分担し、共に高め合う未来を目指しています。
テクノロジーの力で、まだ見ぬ未来を形にする
――最後に、GeekAcaがこれから目指していく未来や、韓さんが描くビジョンについて教えてください。
私たちは、最先端技術を使って「これまで考えられなかったこと、あるいは実現できなかったこと」を、どんどん形にしていきたいと考えています。
そのために、同じ志を持つ優秀な技術者たちを巻き込みながら、お互いの強みを活かし合い、日本と、そして世界に向けて新しい価値を提供し続けてまいります。
GeekAca 公式:https://www.geekaca.co.jp/
教育研修AI「Ainobi」:https://biz.ainobi.ai/