2026年に新設されたコンサルティング事業部は、アンドパッドとしてエンタープライズの顧客が抱える複雑かつ多様な課題を明らかにした上で、解決策の道筋を示し、変革実現が達成されるまで伴走する部署です。部長を務める松本は、「プラットフォームを築き上げる面白さ」と「プラットフォームを活用した更なる事業展開の可能性」を描けるチャンスはまたとない、と語ります。個々の経営課題に踏み込み、現場の解像度を上げ、実行から定着までを完遂することに加え、コンサルティングとしての事業モデルの確立から組織基盤の構築までを一気通貫で手掛けています。支援で終わるコンサルタントから、事業運営の当事者へ。一つひとつのプロジェクトを成し遂げ、実績へと結び付けていく困難とその先に見える景色について、話を聞きました。
松本 陽 コンサルティング事業部 部長
大手コンサルティング会社にて様々なIT系コンサルティングや戦略系コンサルティングを経験した後、医療業界向けプラットフォーム運営会社にて事業責任者に着任。アンドパッドに2022年入社。エンタープライズ向けのプロジェクトや新規プロダクトの事業責任者を経て、2026年1月よりコンサルティング事業部の部長就任。
プラットフォームを成長させ、真の価値を創造する醍醐味
――まず最初に、松本さんのこれまでの経歴と、アンドパッドへの入社動機についてお聞かせください。
私は新卒で、コンサルティング会社に入社し、ITコンサルタントとしてエンタープライズ企業向けの大規模システム導入を約6年間経験しました。その後、戦略系コンサルティング会社に転職し、経営戦略の最上流に7年ほど携わりました。業務に従事する中で顧客企業の課題解決を「支援」する立場でしかない事に強いもどかしさを感じるようになり、事業運営の当事者になることを決意し、医療業界向けプラットフォーム企業へ転じます。そこでは、製薬企業向け営業支援事業や広告代理店事業の責任者をしており、プラットフォームがあることの強みと、プラットフォームを通じた事業展開の可能性を強く感じていましたが、私が入社した時点で既に圧倒的なプラットフォームの強みがあったため、今度は、強いプラットフォームを築くフェーズに挑戦してみたいと考えるようになり、アンドパッドに入社しました。「アンドパッドは建設業界のカテゴリーリーダーを目指している」とお話を伺う機会があり、プラットフォームを業界に広げていく真っ最中で、そのプラットフォームを強くしていける点と、その上で新しいサービスや事業を展開できる、とその両方を経験できる可能性があると考えました。これは他では代替できない最大の魅力に感じ、入社を決意しました。
――プラットフォームへの熱量が、アンドパッドを選んだ理由の核にあることがよく分かりました。入社後に取り組んだプロジェクトについて教えてください。
入社してすぐに携わったのが、エンタープライズ企業の基幹システム刷新でした。巨大なエンタープライズ顧客の複雑なシステムと業務を解きほぐし、ANDPADというプラットフォームをどうフィットさせるかをハイレベルでデザインし、その後の大規模導入に向けた道筋をつけました。
もう一つが、「ANDPAD 請求管理」です。具体的には、約2年をかけて事業戦略の立案からプロダクトの要件整理、開発チームとの連携、営業、オンボーディング、そして市場への拡販に至るまで手掛けました。事業責任者として、このプロダクトをANDPADプラットフォームの強力なアセットとして確立させたことは、まさに、これまでの経験を活かして私自身がアンドパッドでやりたかった事の一つであり、今でも非常に深い思い入れがあります。
コンサルティングの事業モデルを確立する絶好のタイミング
――そもそも、なぜこのタイミングでエンタープライズ向けのコンサルティング事業を立ち上げようとしているのでしょうか。
私たちは「DXを通じた建設業界の変革」をミッションとして掲げていますが、その建設業界は多重請負い構造という大きな特徴があるため、上位に位置するエンタープライズ企業がDXに本気で取り組むことで、業界への波及効果が非常に大きくなります。ここ4-5年の間にエンタープライズ顧客の間でもANDPADの利用が一定広まってきており、また、象徴的な事例を公開できるケースも増えてきているため、「ANDPADは、現場だけが利用するツールではなく、経営課題に踏み込み、基幹システムの刷新まで手掛けるプラットフォームである」という認知が広がり始めました。
ただし、エンタープライズ顧客はステークホルダーが多く、課題も複雑であるため、多くの場合、顧客の課題解決のためにはコンサルティング手法が求められます。また、最近ではお客さまの方からお問い合わせをいただくようなケースも増えてきており、このタイミングでコンサルティング事業を一気に立ち上げる事にしました。
私たちはエンタープライズ領域へ「挑戦権を得た」という強い認識を持っています。だからこそ、この絶好のタイミングを逃してはならない、という危機感もあります。
――松本さんが現在率いるコンサルティング事業部が、何をミッションとし、どのような差別化要因で他社と戦っていくのか、その事業戦略について深くお聞きしたいと思います。
当事業部が担うミッションは、大きく分けて二つあります。一つは、アンドパッド全体としてのエンタープライズ顧客向け事業の成長を加速させることです。建設業のエンタープライズ企業と一口に言っても非常に多種多様であり、様々な顧客の様々な課題を解決できるように早期に力をつけていく必要があります。そしてもう一つは、「SaaS企業が担うべきコンサル事業のモデル確立」です。自社プロダクトを有するアンドパッドにおけるコンサルティング事業の意味合い・位置づけを明確に定め、他部門との協業を進めていく必要があります。
――アンドパッドのコンサルティングが、従来のSIerやITコンサルティングファームといった競合に対峙できる「圧倒的な差別化要因」とは何でしょうか。
それは、私たちが「建設DX」という領域において、他社が真似できない3つの武器を保持しているからです。まず1つ目が、変革を実現する手段として自社プロダクトがあること。私たちは既に建設業の26万社、69万人が利用している自社プロダクトを持っていますし、顧客要件に合わせて継続的かつハイペースで機能開発をしています。従って、私たちは経営層への提言から「ANDPADをどう活用するか」という具体的な実装レベルまで落とし込み、スピーディーに追加機能の開発を行い、定着まで責任を持って伴走することで変革を実現することができます。
2つ目が、業界解像度の圧倒的な蓄積です。アンドパッドは10年以上にわたり建設業界に向き合い、現場の声に耳を傾けてきました。顧客基盤の厚さからくるデータや知見の蓄積は、他の追随を許しません。さらに、当社の社員の多くが、建築・建設業界出身者で構成されています。現場の実情を知っているからこそ、私たちはクライアントの経営層だけでなく、「現場の職人さんが、なぜこの機能を必要としているのか」という微細な課題まで見抜くことができ、真に機能させるDXを実現できると自負しています。
そして3つ目が、プロダクト導入時、及び、導入後の徹底的なサポート、つまりカスタマーサクセスの強さです。従来のコンサルタントは、システム導入が完了すれば役割を終えることがほとんどです。しかし、真のDXは「導入後」に始まります。私たちは、カスタマーサクセスの強力な組織と連携し、「提言したことが、実際に現場で使われ、成果に繋がっているか」を追いかけ続けます。提言から実装、そして現場の定着・成果創出までを一気通貫で責任を負うこのモデルこそが、私たちがSaaS企業として確立を目指す、コンサルティング事業のあり方そのものです。
SaaS×コンサルの真価とは、現場の変革を五感で実感
――アンドパッドがエンタープライズ企業に挑戦権を得た背景と、自社のプロダクト、業界解像度、サクセスという三つの武器について理解できました。では、コンサルティング事業部が、最終的に目指す「SaaS×コンサル」の真価とは何でしょうか。
私たちが目指すのは、単なるプロダクト導入支援の組織ではなく、私も含め個々のコンサルタントが目指す姿として2つを定めています。一つは、顧客から「まず、アンドパッドに相談してみよう」と最初に想起していただける「トラステッド・アドバイザー(Trusted Advisor)」であること。そしてもう一つが、「アンドパッドのコンサルタントに任せれば、必ず変革が実現される」と顧客から信じてもらえる「変革請負人」としての地位を確立することです。日々の業務に取り組みながらこのようなスタンスを目指します。
――「変革請負人」ですか。他には、コンサル業務の特徴はありますか。
私たちは、一つのエンタープライズ企業で現場の解像度を高めながら実現した成功体験を、ANDPADプロダクトの機能として昇華させます。そして、その機能は、他のエンタープライズ企業に加え、ANDPADをご利用いただいている全国の顧客にも提供可能です。
当社のコンサルティングは、最先端の知見をもとに最も難易度の高い課題を解き、成果を創出することで、プロダクト進化のドライバーとしての役割を担うことになります。私たちが現場で知見を得れば得るほど、プラットフォームが強くなり、業界全体の非効率が解消されていく。この循環こそが、SaaS企業がコンサルティングサービスを持つ、真の意義です。
――プロダクトへの還元もありますね。とはいえ、コンサルティングサービスは属人化しやすいのも特徴です。事業として拡大させるために組織としてどのような仕組み化を進めているのでしょうか。
コンサルティング事業の組織づくりにおける最重要テーマの一つは、プロジェクト手法の型化です。コンサルティングはどうしても担当するメンバーによって品質がバラつきがちですが、誰がやっても一定水準の成果を出せるように、顧客やプロジェクトのタイプごとにどのようにプロジェクトを進め、どのような成果物を納品するのか等の型化を進めています。この型は、先ほどの話の通り、現場の泥臭いアクションによって得た知見と、コンサルタントの論理思考を融合させて作り上げています。
そして、もう一つの重要な取り組みが、プロジェクトナレッジの蓄積及び利活用です。個々のプロジェクトを見ると、当然ながらまったく同じプロジェクトはあり得ないのですが、一段抽象化することで他のプロジェクトに援用できる示唆や学びを得られる事は非常によくありますので、継続的にナレッジを蓄積し、それを容易に引き出せる状態を実現することで、次のプロジェクトの質を高めていきたいと考えています。
日本の巨大産業の変革を、裏側から支えていく命題
――最後に、この挑戦の舞台に飛び込もうとしている、視座の高いプロフェッショナルへ向けたメッセージをお聞かせください。
この仕事に必要なのは、「何をやるべきか」「どうやるべきか」を定めるだけではなく、それを業務とシステムの両面から考え泥臭く現場に落とし込み、確実に定着させる「実行力」です。現場のリアルを深い解像度をもって理解し、ANDPADという業界特化型プラットフォームを最大限に活用して顧客企業の変革をリードできる人材と共に、壮大なミッションに挑んでいきたいと考えています。
私たちが求めているのは、コンサルティングならではの、また、新規事業特有の不確実性を楽しめるプロフェッショナルです。私たちがこの事業部の創業期に、特に強く求めている人物像は三つあります。
一つ目は、「自走できる人」です。私たちの組織は立ち上げたばかりであり、事業戦略も戦術も組織も、また、個々のプロジェクト手法もこれから自らの手で作り上げていく段階にあります。誰かに指示されて動くのではなく、曖昧な状況の中から自ら課題を見つけ、道筋を描き、それを実行までやりきれる自律性が不可欠です。
二つ目は、「チャレンジングな環境で燃える人」です。エンタープライズ領域の攻略の難しさ、既存のコンサルティングの型に収まらない複雑な現場の課題。こうしたカオスな状況をむしろ「面白そう」と感じ、熱量を持って乗り越えられるタフネスが必要です。
そして三つ目が、「経験に裏打ちされた楽観的思考」です。不確実な状況下でも、「自分なら必ず乗り越えられる」「何とかなる」と信じられる楽観性。ただし、それは根拠のないものではなく、これまでに培ってきた確かな経験と実績という裏付けがあるからこそ、困難な状況を楽しめる、真のプロフェッショナルを求めています。
――その挑戦の先に、この事業部でどのような経験を提供できるとお考えでしょうか。
非常に社会的意義の大きい仕事に携われる点は大きな魅力です。建築・建設産業は日本のGDPの約7%を占める巨大産業でありながら、最もDXが遅れている領域の一つです。その非効率を解消し、日本社会を支える産業をDXにより変革していく仕事は、何物にも代えがたい達成感を味わえるでしょう。
また、自社プロダクトを有するアンドパッドでは、コンサルティングプロジェクトの成果をプロダクトという最もパワフルかつ再現性のある形に結晶化し、それを業界内に展開することで、目の前の顧客課題の解決から業界課題の解決に昇華させることができる醍醐味があります。私たちが生み出した個別プロジェクトの成果は、プロダクトの機能として業界内の非常に多くのユーザーに展開されます。単なる机上のドキュメントとして終わらず、無形の知を、永続的な資産に変える面白さを最前線で味わうことができます。
そして何より、これから参画いただく方は、このコンサルティング事業部の創業メンバーです。個々のプロジェクトを完遂するだけではなく、事業そのもの、及び、それを支える組織を自分たちの手で作り上げていける面白さがあります。
アンドパッドにおけるコンサルティング事業は、IT系コンサルティング、戦略系コンサルティングにより顧客の事業成長を支援する経験を経た後に、事業会社側で事業責任者として様々な事業を成長させてきた私自身が、「最も熱中できる」と選んだ場所です。ご自身のアイデアと実行力次第で何でもでき、組織を作っていける。これほどの自由度と責任、そして社会貢献性を両立できる場所は、他にないと断言できます。不確実性の先に、真の変革請負人として、私たちと共に歴史を作っていける楽しみを是非、十二分に味わっていただきたいと思います。