この記事は、「UZU」というプロダクトがどんな思想で設計され、どんな意思決定の積み重ねで作られているのかを、かなり正直に書いたものです。
機能の話でも、成功事例の話でもありません。「普通の会社なら絶対にやらない判断を、なぜ私たちはあえて選んだのか」その背景にある、APOCのプロダクト開発の考え方・価値観・覚悟についての話です。私たちは、「合理的かどうか」「短期的に儲かるか」よりも先に、「それは本当に顧客の不安を解消しているか」「その体験は、顧客にとって一番シンプルで分かりやすいか」を問い続けてプロダクトを設計しています。
その結果として、会社のキャッシュフローが一時的に悪化する経営的にはリスクが高い社内でも賛否が割れる──そんな判断を、あえて選ぶことがあります。
この記事で紹介する「UZUでは、インフルエンサーが動画を投稿する“前”に報酬が振り込まれる」という仕組みも、そのひとつです。なぜ、そこまでやるのか。なぜ、他の選択肢ではダメだったのか。そして、なぜ私たちはそれを“正しい意思決定”だと信じているのか。これから書く内容は、APOCがどんなプロダクトを作りたい会社なのかどんな価値観の人と一緒に働きたいのかを理解してもらうための、いわば「思想の中身」です。
もしあなたが、「普通の正解」に違和感を覚えたことがある人顧客起点を、本気でプロダクトに落とし込みたい人であれば、ぜひ読んで欲しいです。
まず、UZUとは
UZUは、外国人インフルエンサーと、インバウンド対策を行いたいホテル・飲食店・航空会社・アクティビティ提供事業者・Webサービスなど、業種を問わず多くの事業者をマッチングするサービスです。
ただ、僕たちはインフルエンサー斡旋会社でも、広告代理店でもありません。
やっているのは“マッチングをシステムとして提供する”プラットフォーム運営です。
ここが本質的に違います。
代理店なら「割引」や「個別最適の提案」で契約を取りにいける。
でもプラットフォームは、それができない。というか、やってはいけない。
なぜなら、プラットフォームは「このサービスを使う理由」が、価格や営業力ではなく、体験そのもので成立しないといけないからです。
つまり、僕たちの成長戦略は一貫してこうなります。
最高の顧客体験を届けて、指名される。
それ以外に勝ち筋がない。
そして、これは事業者側だけの話じゃありません。
むしろ、もっとシビアなのはインフルエンサー側です。
プラットフォームである以上、大企業のPR案件のように「1件数十万円」の報酬感にはなりづらい。案件ごとの単価になるので、報酬は構造上どうしても“自ずと低くなりやすい”。
だからこそ、僕たちは報酬額の勝負ではなく、プラットフォームを通じてインフルエンサーの課題を解決することにコミットしないと、選ばれません。
ここで、APOCの意思決定のルールを明言します。
僕たちは「ビジネス側より、インフルエンサー側の満足度」を優先する。
普通は逆です。売上を上げるなら、まず法人側の体験を整えるべきだ、と言われます。
でも僕たちは、あえてインフルエンサー側の満足度を最大限に高める意思決定をします。
理由はシンプルで、プラットフォームの価値は“供給の質”で決まるからです。
インフルエンサーが安心して活動できる環境がある。
だから良いインフルエンサーが集まる。
だから法人が成果を出せる。
結果として、法人も増える。
この順番を崩すと、プラットフォームは必ず崩壊します。
そして、僕たちはこうも決めています。
この課題を解決できるなら、短期の経営課題は度外視してでも、機能とオペレーションを実装する。
「理想論だ」と言われるのは分かっています。
でも、実際にそれをやり切らないと、プラットフォーマーとして“信頼”は取れない。
外国人インフルエンサー特有の痛み:支払いトラブル
僕たちは、インフルエンサーとの対話やユーザーインタビューを継続する中で、ある共通点を見つけました。
それは、事業者に対する不安感がとにかく大きいということ。
特に多いのが支払いトラブルです。
案件が終わった後、請求書で「日本の銀行口座ではなくPayPalを指定したい」となる。すると、中小企業や大企業であっても「そこには払えない」「社内の経理ルール的に無理」となり、支払いが遅れる・止まる。
インフルエンサーは請負側で立場が弱い。
強く言えない。追えない。泣き寝入りする。
しかも外国人だからこそ、言語・文化・手続きの壁でさらに不利になる。
これ、めちゃくちゃ理不尽です。
僕たちが考えた“いろんな解決策”と、最後に残った一番シンプルな答え
もちろん、最初から「お金を先に払う」なんて発想だったわけじゃありません。
「運営者が情報を開示して信頼をアピールしよう」
「必ず報酬を支払う、とキャッチコピーにしよう」
「他のインフルエンサーに“UZUはちゃんと払う”と代弁してもらおう」
色々考えました。
そんな中、あるメンバーが言いました。
「投稿する前に、先払いしちゃえばよくない?」
経営目線で言うと、かなり難しい提案です。
法人への請求が「月末締め翌月末払い」だとすると、先払いは最大60日立替を意味します。
キャッシュフローは悪くなる。
インフルエンサーが投稿しない事態が起きたら?
別の方法で解決できるかもしれないのに、いきなり極端すぎない?
反対の声が多かったのは当然です。
でも、その提案は、インフルエンサーの課題を一発で、しかも最もシンプルに解決する手でした。
案件が終わる前にお金が払われる。それだけで、当たり前ですが、この仕事は100%支払われると明示できる。不安が消える。安心が生まれる。
結局、僕たちは深く議論を続けて、プラットフォーマーとして“顧客の不安を払拭し、満足度を最大化する”という観点で、実行することを決めました。
もちろん、リスクはあります。
キャッシュフローは悪くなります。
投稿されなかったら大変です。
だから、裏側では銀行から資金を借りるなど、会社の存続が危ぶまれないように対策も取ります。
でも、ここが僕たちのスタンスです。
対策は後からいくらでも打てる。
でも、顧客の痛みを見て見ぬふりした時点で、プラットフォームは終わる。
APOCは、課題に真正面から向き合い「最もシンプルな解決策」を実装する会社
APOCの社名は、「it’s a piece of cake」。
どんな困難があったとしても「へっちゃらだぜ!」という、あのことわざから来ています。
僕たちは、難しい課題を難しく解きません。
真正面から向き合って、最もシンプルな答えを選び、実装する。
これを徹底します。
だから、一緒に働きたい人も明確です。
- どんな課題にも真正面から向き合える人
- 妥協せず、議論し尽くせる人
- 「常識的にそれは無理」を疑い、顧客起点で再設計できる人
- あなたの中にある強い想いを、プロダクトに落とし込める人
社内の議論は激しいです。1mmの妥協もしません。
でもその分、プロダクトは“思想”を持ちます。尖ります。刺さります。
「プラットフォームを本気で作りたい」
「顧客起点を、きれいごとじゃなく実装したい」
そう思う人がいたら、ぜひ一緒に働きましょう。