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自分たちの手で、10年後のスタンダードになるプロダクトを仕掛けにいく。元コンサルの物流業界への挑戦

森居プロフィール

30歳、滋賀県出身。早稲田大学文学研究科修了、専門は社会学。PwCコンサルティング合同会社を経て、ascend株式会社を創業。取締役としてCS責任者を担う。趣味は読書と外食(お酒なし)で文化系に見られるが、実は元スポーツ少年。たまにオフィスで寝泊まりも。zZZ

―人一倍責任感が強く、真摯に仕事に向き合うascend取締役(CS責任者/PdM)の森居。その真面目さは、物流業界での起業案を練っていた経営コンサル時代に、激務の合間をぬって有給を取り、運行管理者の国家資格を習得しにいくほど。(ちなみに、免許習得に沸く社内slackはコチラ👇)

そんな森居に、ascend創業に至る経緯や、ascendで働く魅力を、代表の日下が聞いてみました!

目指せ全国!文武両道のスポコン時代

───「森居くんには感情がないのではないか...?」と僕に心配されるほど落ち着いた振る舞いをする森居さんですが、実は、昔は熱血スポーツ少年だったとか。当時の話を聞かせてください!

小・中学校と野球少年で、ポジションはキャッチャーをしていました。実力はそこそこで、スタメンでもないかもしれないくらいだったのに、監督とコーチから指名され、なぜかキャプテンをしていました。「グラウンドでは森居の声だけ響いている」と言われるのが理由だったのかもしれません・・・。しかし、好きで始めた野球ですが、必ずしも同じ熱量や感覚を共有しない集団を引っ張るチームスポーツの難しさにも直面して、「楽しかった」というよりも、今振り返っても精神的に鍛えられた、という印象の時間です。

高校入学を機に、野球はやめてハンドボールに転向したのですが、そこは誰もが自分のモチベーションを自分でコントロールして目標に向かうことが当然の場所だったので、同じ運動部でもこんなにも違うのかと、部活に夢中になりました。努力も実を結び、2年3年次には滋賀県代表として全国大会に出場しました。子供時代は、スポコンでした。

───現在の仕事に向き合いきる姿勢を早くも彷彿させるエピソードですね。大学時代も体育会だったのですか?

いや、ハンドボールサークルに入りはしたのですが、飲み会の激しさについていけず(笑)、感覚の違いもあって2年になって辞めました。代わりに自分の視野や物事の見方を一番広げてくれると感じた社会学の研究に没頭するようになり、アルバイトも最小限で、ビジネスにはまったく関わらない日々を送っていました。修士まで研究を続けた後、総合系のコンサルティングファームであるPwCに入社し、その内定者懇親会で、ascendの代表である日下(同大学出身)と出会いました。

無我夢中で、「創って作って売る」日々を送る

───PwCではどのようなコンサルをされていたのですか?

最初は主にITシステム導入系の案件を担当していました。そこでは企業や現場業務がどの様に動いて、その改善のために業務とシステムをどう上手くはめていくのかという感覚や、ITベンダーや企業内の他部門など多岐に渡るステーククホルダーをどう巻き込み、何をどういう順番で動かすべきかというコンサル業務の肝の部分の動きを学びました。3年目になった頃、IT・デジタルが一番進んでいるTMT(テクノロジー、メディア、テレコム)への部署替えを希望し、通信系会社の資材物流から設備管理までをスコープにしたオペレーション改善のプロジェクトに携わるようになりました。

そこでは、クライアントの上層部を動かす企画を書くべく、現場を見ては企画を練り、関係者にアプローチすることを部長と二人三脚で行う毎日でした。

倉庫の人が触るプロダクトに落とし込む上で、情報を集め形にしていくこと。素案を作りITベンダーに渡すこと。企画を実現する為にモノを作っていく人との調整。そこまでを一気通貫して支援することが面白いと思っていましたね。

「自分の手で育てたい」気持ちが転機に

───「創って作って売る」という言葉がありますが、まさにそれを実現していましたね。まだ形の無い物を創造し、それを業務の中に落とし込んでいく。コンサルタントとして順調に経験を積んでいるようですが、そこからどうascend創業につながっていったのかを教えてください。

元々PwCに入社したのは、汎用的なビジネススキルを得たいという気持ちからでした。しかし、業務をしていくなかで、コンサルとして事業に向き合うことの限界も感じるようにもなっていました。相手の現場に入り込んで仕事をするものの、それはどこまでいってもクライアント企業のサポートであり、オーナーシップを持つことはできない。相手よりも必死になって仕事をしているけれど、企画導入のフェーズが終われば、その結果を自分の目で見届けることは、難しい。それなら、自分の手で、自分たちのものを育てていきたい──そう考えるようになったのです。

個々の事業者に経営体力がない業界だからこそ、業界特化型SaaSがもたらす可能性が大きい

───そこから、どう物流業界に的を絞られたのでしょうか?

一言で言えば、日本社会に不可欠なファンクションでありながら現場の課題が大きい、つまりは業界特化型SaaSで社会的なインパクトを与えられる可能性が非常に高い領域だと思ったからです。

物流業界の経緯を辿ると、90年代に物流二法の改正があって自由化が進んだことに行き着きます。

平たく言えば、トラックを5台買えば誰でも参入できるビジネスになったのですが、その結果として、新規参入が急増し事業者数が増え、運送業のコモディティ化が進みました。そうすると、需要側(荷主サイド)の力が強力になり、差別化する要素を持たない供給側は価格競争をするしかなくなります。結果、運送事業者の経営体力がどんどん下がり、差別化や業務効率化のための投資などは、遠のいていく。

物流業界には、運送管理と呼ばれる業務一つを取っても、膨大な量のアナログな業務が存在します。たとえば、荷主から電話なりで発注が来ると、運送業者側で、紙やエクセルのフォーマットに入力をします。そこから、どこからどこに何の荷物を誰が運ぶか、つまり車両(トラック)とドライバーに荷物に割り当てていく「配車」と呼ばれる作業があるのですが、そこの業務も紙とエクセルで行われます。また、割り当てられたドライバーが荷物を集荷する倉庫や工場にも、どのドライバーがいつ来るのかを通知する必要があるのですが、それにも別の用紙を作成し、ファックスで相手先に流すというのがよくあるパターンです。請求書の作成も手作業で、さらに、ドライバーの乗務実態を把握する安全管理の目的で運転日報の記載が義務付けられているのですが、手書きの日報を元に管理者がエクセルの管理表に打ち込む・・・という状況です。

これらの運送業者の基幹業務をスクラッチでIT化しようとすると、500〜1000万以上の価格帯になるのですが、それは、なかなか中小の運送業者には手の届きにくいものです。結果、90年代や2000年代に形作られた業務の方法で今も現場をまわしているという現状があります。

しかし、これでは膨大な量の転写業務に管理者側が忙殺されてしまい、仕事自体にも非常に魅力の少ない業界になってしまいます。

運送業界は小さな事業者の集まりで、事業者の99.9%が中小企業とも言われています。業界特化のSaaSという形でなら、そんな物流業界全体を変えていけるのではないか──。PwCからシンクタンクへ転職し、物流業界の政策提言や調査を担当していた日下と話をするうちに、そう思うようになったのです。

       (撮影・投稿者が森居、映っているのは代表の日下 @0:33am)

現場装着・効率化の先にある、10年後の「業界の常識」を作る挑戦

───創業して1年、現在の気持ちは、率直にどうでしょうか?

すごく面白い、の一言です!物流業界としてのあるべき姿や、その実現に向けた全体設計を考えた上で、一歩を踏み出すためにどう現場にはめていくかを考えるということ自体が、とても魅力的です。足元は運送管理の業務効率化が主体ですが、「そのデータをどう経営改善につなげていくか」というDXの次段階のフェーズにこそ、挑戦の真価がある。現場装着だけをやっているわけでもなくて、思想の筋があって、その上でプロダクトを日々つくっているということが、魅力です。

コンサルティングのプロジェクトは企画・導入支援にフォーカスする傾向が強く、その後の運用フェーズに関わることが少ないので、企画(管理側)と現場の双方にとって本当に狙った価値を提供できたか不明瞭なまま、現場を離れることが多くありました。これはコンサルタントとしてのジレンマの一つであったのですが、今はその逆で、ずっと自分たちのプロダクトの活用状況を見ていくことができる。10年後、「それなしでは物流業界の業務が考えられない」くらいのものにしたい、と思っています。

    (スタートアップピッチイベントで受賞した看板に囲まれたオフィスで仕事をする森居)

─── 一緒に実現しましょう!最後に、「これだけは伝えておきたい!」と思うascendの特色や社風について教えてください。

自分たちの事業とプロダクトがあって、業界を主語にして、どう社会的インパクトにフォーカスして考えられることが、何よりも強い魅力だと思っています。

最後は、メンバーです。私たちは「業界を主語に」と掲げ、言行一致をさせることにこだわってきたのですが、そこに共感した人が集まってくれて、本当に強い想いを持っているメンバーが集まっています。そんなメンバーと、組織・チーム・文化のところまでゼロから作っていけるところが、今ascendで働く醍醐味ですね!                 

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