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エンジニアによる、エンジニアのための、テクノロジードリブンな組織

組織は、時間の経過や規模に応じて、変化が必要です。ついに数百人を超えたアバナードのソフトウェアエンジニアリング組織も、その変化の真っ只中にあります。なぜ変化が必要だったのでしょうか。そして、どう変わろうとしているのでしょうか。ソフトウェアエンジニアリング組織を統括するディレクターの米満さんに話を伺いました。


米満 卓二郎(よねみつ たくじろう)/ソフトウェアエンジニアリング/ディレクター
日系SIerにて、Microsoft技術を軸にエンジニアとしてキャリアを積み、その強みを活かせる場所とエンジニアとしてスキルアップできる場所を求めて、2007年アバナードへ。現在は、アカウントリーダーシップとして現場でのリードも行いながら、ソフトウェアエンジニアリング組織を統括するディレクターとして、採用、育成、現場のケアを行う役割を担っている。

テクノロジードリブンな組織で強いエンジニアをつくる

ー今アバナードのエンジニア組織は大きく変わりつつあります。その理由はなぜか、また、どのように変化しているのか教えてください。

日本のアバナードは現在、550人を超える組織になり、私がいるソフトウェアエンジニアリングというタレントコミュニティに所属するメンバーは、数百人に及びます。これまでは、その数百人を大きな単位でみていたのですが、それを現在は9つの技術領域に応じて分類したサブタレントコミュニティをつくり、組織運営をしています。

このチーム運用は一昨年ぐらいから始まっていて、最近になってやっと体制が整い、今年はそのチームが各々運用をしていけるところにまできたという感じです。

この体制になる以前は、プロジェクトをリードするマーケットユニット部門に紐づく形で、彼らが使いたい技術領域を大まかにグルーピングしていました。ただ、それでは必ずしも全員を綺麗にグルーピングすることは難しく、当然どのグループにも当てはまらない人が出てくるわけです。

グルーピングされたメンバーは、その技術が必要とされているプロジェクトに、明確な目的とともにアサインされるのですが、グルーピングされなかったメンバーは、なんとなく合っていそうなプロジェクトになんとなくアサインされるという現象が起こってしまうんですよね。

それでは、エンジニアのアサイン理由は曖昧で、目的意識を持てない状態でアサインされることになるので、やらされ仕事になり、成長と紐付きにくい仕事になってしまいます。プロジェクトの視点から見ても、その状態は決していいとは言えません。

そうではなくて、自分で選んだ技術領域のサブタレントコミュニティに所属し、適したプロジェクトにアサインされれば、目的意識が明確になり、その領域を必ず伸ばすことができますよね。

アバナードに所属するエンジニアには、どこかで強みを持って戦える人材になって欲しいという思いがあるので、今のところは、必ずどこかのサブタレントコミュニティに所属するルールにしています。

技術が好きなエンジニアがアバナードには集まっているので、「彼らの強みをいかに生かすか?」と考えた結果の、サブタレントコミュニティとしての9つのチームの構築でした。

ーエンジニアのことを考えたゆえの組織再編なのですね。その中で、米満さんが考える理想の組織像とは、どのような組織ですか?

お互いが、階層ではなくて、役割で信頼してリスペクトし合える人の集まりがベストなんじゃないかなと考えています。

チームにはさまざまな役割があって、単純作業しなきゃいけない人もいれば、上流のことを考えなきゃいけない人もいれば、お金のことを考えて全体を見なきゃいけない人もいる。その役割を理解し合って、「彼は〇〇をやってくれている」と、感謝とリスペクトを持ってお互いが接することができれば、組織は健全に回ると思うんです。

それが例えば、新人のメンバーに対して、「お前は雑用なんだから」なんて言ってしまったら、そこに信頼なんて生まれないでしょうし、関係性の構築なんてできないですよね。そうではなくて、「なんでもこなして、まずは学ぶ」という役割で見ているとしたら、きっとお互い理解し合えるし、信頼が生まれて関係性も構築できる。そして、役割に対して評価もしやすくなるので、次の成長ステップも見えてくると思うんです。

私は必ず入社したばかりの若手に対して、「色々と個人の考えはあるかもしれないけれど、まずはプロジェクト内の先輩や上司から何を求められているのか理解して、依頼されたことをきちんと実施してきてね」とプロジェクトに送り出します。

なぜなら、関係性がないところに自分の意思だけを伝えたところで、信頼の材料になる実績がなければ、信頼することは難しいですよ。だからまずは、信頼関係のために実績をつくることがスタートです。

アバナードは技術に熱い人が多いので、テクノロジードリブンで考える人が多いんです。そういう意味でも、今の組織編成であれば役割で見やすくなるし、信頼とリスペクトが生まれやすいはず。アバナードが持つカルチャーにマッチしている組織編成ではないでしょうか。


9つのチーム、9つのチャレンジ

ー組織編成を9つのチームに変更して、チームに何か変化や成果はありましたか?

この運営をはじめて、まだ一年にも満たないので、「こんな成果が出た」と名言まではできません。でも小さな変化は、多くの場面でみられるようになってきましたね。

まず一つは、プロジェクト対する前向きさが増しているのを感じます。「この領域をやりたい」と自ら技術領域を選んでいるので、明確な目的意識のもと取り組んでくれているのではないでしょうか。やっぱり、やらされるのと、自分で選んでやるのとでは、心の持ちようが違ってきますよね。

もう一つは、各チームの中で考えて進むという姿勢が見られるようになってきたことです。各チームごとに自分のチームをどうしていきたいとか、ちゃんと意見が出てくるようになったんです。チームが自走するようになると、チームに個性が出てきて、それぞれのやり方でプロジェクトにドライブがかかるようになったと感じています。各チームには、リードする役割のメンバーが配置されているのですが、彼らが責任感を持って「自分がリードしなければ」という意識でいてくれるのが大きいですね。

メンバーには、同じチームの仲間がいるし、リード担当にも相談できる同じ役割の仲間がいる。チームの内外問わずにいい関係性と循環が生まれて、ソフトエンジニアリング全体としても、会社としても、全体で底上げがどんどんされていくイメージを持てています。

9つのチームでそれぞれに違ったチャレンジがあるのは、色々な意味で大きな価値になってくると思いますね。

ー9つの違ったチャレンジがあるのは、とても面白いですね。

チームカルチャーには、それぞれリードとなる人のキャラクターが色濃く反映されてきています。きちっとやりたい派、その逆の放任派など、それぞれチーム運営にカラーがあって、だからこそ、それぞれのナレッジが溜まってきています。今後はこのナレッジを横展開して、チーミング術をみんなでアップデートしながら、強いエンジニアリング集団になっていけるといいですよね。

ただ、僕自身も組織全体としても、今の組織編成が必ずしも正解とは思っていません。毎年実施する全社アンケートにも、「もっとこうしてほしい」「こんな風にしてはどうか?」という現場からの意見をたくさんもらいます。そこの現場の意見を大事にしながら、よりよい組織の形をどんどんアップデートしていきたいと考えています。

「いい背中」が、すぐそこにあるということ

ーこの組織構築に携わる米満さんは、どんな想いをお持ちなのですか?

私は、「いい背中を見ながら、チャレンジして成長したい。そして、そんな環境で仕事がしたい」と思って10年以上前にアバナードにやってきました。この私の役割というのは前任者から引き継ぐ形で始まっているので、私の一任で進んでいるわけではないですが、根底には、アバナードに転職した時のその思いが今も変わらずありますし、それが組織構築への思いに繋がってきていると思いますね。

先の信頼の話に戻りますが、チームや組織って、お互いをリスペクトできなくなったらそこでおしまいなんです。一方通行では成り立ちませんが、どちらかと言えば、上に立つ人間がメンバーが期待する答えを返せなくなり、良い背中を見せられなくなったら、メンバーは路頭に迷ってバラバラになっていくケースが多いと思うので、チームをリードする人の役割というのは大きいかなと思っています。

そういう意味でアバナードがすごいと思う点は、それぞれのチームには必ずスター的存在がいるんです。各チームにすごい人がいてくれるので、目標とすべきいい背中がすぐそばにあるんですね。それはとても心強いですし、メンバーとしてもいい背中が近くにあるのは成長への近道になっていると思いますね。

私はたまたまソフトウェアエンジニアリングを統括する立場にいますが、私の周りを見渡しても、いい背中がたくさんあります。今このチャレンジを楽しみながら、その背中を追いかけながら、これからも多くを学んで成長していきたいですね。ただ、いちエンジニアとしては、もっともっとお客様のそばで多くの仕事がしたいというのが、私の本音です(笑)

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