みなさま、こんにちは。
Brushup採用チームです。
いつも、弊社ストーリーをご覧いただき誠にありがとうございます!
今回は実際にBrushupを導入いただき、さらに販売パートナーとして共に業界変革に挑む、マイシアターD.D.石原様、鈴木様との対談をお届けします。
マイシアターD.D.(以下、MTDD)は、日本テレビ・TBSテレビ・フジテレビジョン・東宝・電通グループの5社が出資して2011年に設立された、デジタル映像配信のリーディングカンパニー。約500社の権利元企業から邦画、洋画、アニメ、ドラマなど10,000タイトル以上の作品の配信権を預かり、Netflix、Amazon Prime Video、U-NEXTといった、国内ほぼすべての配信サービスへ提供しています。
いわば、映像配信業界のハブとなる存在。私たちが日々当たり前のように見ているコンテンツを届ける見えないインフラを担っており、日本の映像配信業界を支え続けている会社です。
そんなMTDDは、なぜBrushupを選び、販売パートナーとして業界そのものを変えようとしているのか。そこには本音で語り合いながら取引先から仲間へと変わっていった信頼の軌跡がありました。ぜひ最後までお読みください。
対談メンバー紹介
<マイシアターD.D.株式会社>
石原 はるか様
デジタル・ディストリビューション事業部 オペレーション部 部長
鈴木 洋平様
デジタル・ディストリビューション事業部 オペレーション部 納品グループ グループマネージャー
<株式会社Brushup>
宗形 伸明
営業部・カスタマーサクセス マネージャー
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アナログで古い慣習が残る映像配信業界。関係各社間のコミュニケーションをBrushupでつなぎ、業界全体の変革へ
電話、メール。アナログな仕組みで現場が崩壊
―まずは、MTDDが映像配信業界でどのような役割を担っているのか教えてください。
石原:私たちはコンテンツディストリビューターといい、簡単に言うと、映画配給会社などの権利元から作品を預かり、各配信サービスへ届ける架け橋のような存在です。 オペレーションという観点でいうと、単にデータを送るだけではなく、字幕や吹き替えの品質チェック、作品紹介用のアートワークの制作・監修までも一手に引き受けています。1つの作品を配信するのに、制作・監修チーム、配信サービス、権利元など、関わるステークホルダーは非常に多岐に渡ります。
―Brushup導入前は、どのような課題があったのでしょうか?
石原:連絡手段はすべてメール、電話、アナログの極みでした。アートワーク制作、プロモーションの監修など、それぞれ担当者が違います。さらには同じ作品でも、各配信サービスの仕様ごとにリサイズしたり、ロゴ配置など微調整を行い、複数パターンを用意する必要があるんです。そのため監修関連だけでも1日200通以上のメールが飛び交う状態でした。
―1日200通!それではメールを確認するだけで日が暮れてしまいますね。
石原:そうなんです。最も負担が大きかったのは、ステータス管理でした。1つのメールスレッドで複数案件が進行するため、作業のボールが誰にあり、どんな状況かを把握するのが非常に困難でした。送ったメールが開封されているのかもわからず、心理的なストレスもありましたね。加えて修正指示が長文になったり、文章だけでは意図が伝わりきらず電話で補足したり…認識の齟齬やメールの見落としも頻発していました。
―複雑な業務が絡み合う中で、なぜ長年そのようなやり方が続いていたのでしょうか?
石原:業界の慣習です。「昔からこうだから」と、改善に目を向けられていませんでした。セキュリティや権利関係に厳しい仕事柄、外部ツールを使うことへの抵抗感もあり、完全にマンパワーで乗り切ろうとしていたんです。
―石原さん自らそこに切り込まれたということは、「このままではいけない」と感じた決定的な出来事があったのでしょうか?
石原:チームの残業が続いてしまったんです。また、社外からも「もっと監修をスムーズにできないか」という声も上がっていました。「このやり方は絶対に変えないといけない」と強い危機感を感じ、具体的な打開策を検討していきました。
もう導入前には戻れない。コミュニケーションが根本的に変化
―そんな中でBrushupと出会ったわけですね。導入の決め手は何だったのでしょうか?
石原:いくつかのツールを比較した上での決め手は、直感的なUIでした。業務に関わるのは必ずしもITリテラシーが高い人ばかりではないので、 マニュアルを読みこまなくても誰でも迷わず操作できることが必須条件でした。何より、商談の場で私の理想とする業務フローを、即座にデモ画面で再現してくれたことが大きかった。「Brushupなら私たちの課題を根本的に理解し、解決してくれる」と確信しました。
―宗形さん、導入支援のプロセスは具体的にどう進めていかれたのですか?
宗形:大きくは、「現状把握」「成功体験の構築」「仮説・実行」の3ステップです。
まず現状の業務フローを解剖し、ボトルネックを可視化します。誰が・いつ・どの画面を見て・どんなストレスを感じているか、現場の負の感情の解像度を極限まで高めるんです。導入時で一番怖いのは、現場が置き去りになることですから。そのため決定権を持つ役員層の経営課題と、現場のストレスとのギャップを丁寧に探ることが出発点になります。
ここで浮き彫りになった、現場にとって「最も苦痛な作業だけ」をBrushupで完結させます。今回の場合でいくと承認フローの簡略化ですね。
全体を一気に変えるのではなく、スモールスタートで「本当に楽になった」実感を作ることが、浸透への近道なんです。
―確かに。実務で効果を実感できれば、現場の協力も得やすくなりますね。
宗形:そこで得た手応えをもとに運用ルールを標準化し、ステークホルダー全体へ展開していきました。石原さんが社内の推進役として立ち回ってくださったことが、非常に大きな後押しとなりました。
石原:改善をポジティブに捉えてくれるメンバーに協力を仰ぎました。宗形さんは他社事例も交えながら、一つひとつ丁寧に説明してくださったので、自分たちの実務がどう楽になるのかゴールがイメージしやすかったのだと思います。
―Brushup導入後、一番の変化はどんなことでしたか?
石原:業務効率はもちろん、指示の不透明さ、心理的負担などすべてのコミュニケーションコストが激減しました。というより、コミュニケーションの質が高まったと言った方が正しいかもしれません。以前は権利元への確認依頼1つに対して最低3往復のメールが発生していましたが、今は問題なければ完了ボタンの押下1アクションで承認が完結するようになりました。
制作のやり取りに関しても、受け取ったらステータスを変更するだけ。誰がボールを持っているのかが一目瞭然なんです。お互いの状況がわかるだけで、これほどまで気持ちの負担が軽減されるのかと驚きでした。
宗形:権利元、MTDD、Brushupの3社間で運用ルールを整備したんです。その中で、「お世話になります」「よろしくお願いします」といった定型文は不要にしましょうという取り決めも行いました。
石原:権利元からも快諾いただけました。ライトなやり取りで十分という理解が双方に生まれたことで、ストレスなくやり取りできるヘルシーな関係に変わったんです。今までが必要以上に丁寧すぎたんですよね。自分たちで仕事を増やしてしまっていたことに気づかされました。
―単に効率を上げるのではなく、コミュニケーションに負担をかけない環境づくりもBrushupの価値なのですね。
宗形:その通りです。
石原:結果として、導入前に比べて残業時間の約4割減に成功しました。空いた時間でこれまで忙殺されて手が回らなかったデータの整備や業務フローの再構築にも着手できるようになり、組織全体の生産性が一段上に上がった実感があります。もうBrushup導入以前のやり方には、絶対に戻れないですね。
正論よりも共感を。信用を信頼へ引き上げた、カスタマーサクセスの流儀
―導入自体は比較的スムーズに進んだのでしょうか?
石原:いえ、やはりネガティブな意見も一部ありました。「今までメールでできていたのに変える必要があるのか?」「新しいツールを覚えるのは大変だ」といった、戸惑いの声です。
鈴木:当時私はMTDDから見て取引先の会社に所属していて、制作側として携わっていたので、正直なところ抵抗感はありました。いざ使ってみると、Brushupの素晴らしさを実感することになるのですが、最初は未知のツールに対する構えは否めなかったですね。
―長年染み付いたやり方や考え方を変えることは、決して簡単ではありませんよね。その壁をどのように乗り越えたのでしょうか。
石原:宗形さんが真摯に向き合ってくださったことに尽きます。さまざまな意見を受け止めながら、私たちにとっての最適解を丁寧に提示してくれました。本当に心強かったです。
宗形:私は正論を言う前に、まず共感を置くことが大切だと考えています。Brushupはコミュニケーションのあり方や制作の工程を変えるツールなので、既存のアナログ文化を否定せず、いかに滑らかにデジタルへ移行できるかを見極める必要があります。
だから「今のやり方は非効率なので変えてください」という押し付けは一切しません。「今の煩雑なフローは、現場の皆さんが作品への愛着を持って守ってきた結果ですよね」と、これまでの歴史と努力を肯定することから始めました。その上で「想いはそのままに、無駄な作業だけを削る方法を一緒に考えましょう」というアプローチを徹底したんです。
―業務効率という数字以上に、現場の感情に寄り添うことを重視されているのですね。
宗形:もちろん業務効率化への寄与は大事ですが、そこに固執して数値的な側面だけに囚われてしまうのは違います。Brushupというプロダクトを使うことで、顧客の成功に直結する流れが見えるかを、常に問い続けています。
―それは信頼関係を構築するための、宗形さんの流儀なのでしょうか。
宗形:そうですね。私は信頼関係を築く上で、信用と信頼とを分けて定義しています。システムが落ちない、納期を守る、機能が要件を満たすなどは、単なるツールの信用に過ぎません。目指すべきは、この人ならたとえ予期せぬトラブルが起きても何とかしてくれる、このチームと一緒にいれば、5年後の業界はもっと良くなっているはずだと感じていただける「信頼」です。
だから良い側面だけではなく、あえてリスクも先出ししてお客様と共に解決策を練るようにしています。また、プロダクトの限界をパートナーシップで超えようとする姿勢も非常に重要です。機能がないから「できません」で終わらせるのではなく、開発チームも巻き込み、泥臭くお客様の成功に執着する。その積み重ねが今の関係性に繋がっているのだと思います。
―顧客を深く理解した上で、共に事業成長を目指す。もはやカスタマーサクセスの枠に収まらない、コンサルタントのような立ち位置ですね。
宗形:そうかもしれません。この考え方は弊社が最も重視している点でもあります。
石原:今では取引先というより、仲間のような感覚です。映像配信業界全体を変えていこうという目標に向かって、目先の利益や効率だけに縛られず動いてくださる。宗形さんの誠実で気さくなお人柄もあり、いい意味でビジネスライクでない関係性が非常にフィットし、安心して一緒にやっていけると確信しています。宗形さんじゃなかったら100%こうはいかなかったですね。
3年後はBrushupの業界標準化、5年後はグローバル展開を目指して
―2025年2月、MTDDとBrushupは、販売パートナー契約を締結しました。御社でBrushup専任の営業担当を配置するほど深くコミットいただいた背景には、どのような決断があったのでしょうか。
石原:私たちがBrushupで解消できた監修業務の煩雑さは、配信業界全体が共通して抱えている課題です。コンテンツディストリビューターとして多くの権利元やプラットフォームをつなぐハブの立場にある私たちなら、自ら広める側に回ることで、業界をより良くできると考えました。もちろん、業界のパイオニアとして変革の先頭に立ちたいというチャレンジ精神も、大前提としてありました。
鈴木:業界課題を誰よりも知る私たちが解決策を広めていくBrushupの代理店事業は、まさに目指すべき構想にぴったりはまったんです。
宗形:初回打ち合わせの時点で、石原さんから「自社への導入に留まらず映像配信業界全体へ普及させたい」という想いを聞かせていただきました。双方が映像配信業界を変革するというミッションに共感し、目標を共有できたことがパートナーシップへの大きな契機となりましたね。何よりBrushupが掲げる「レビュー文化をつくる」というビジョンとも強く共鳴したんです。配信・放送業界での実績が少なかった私たちにとっても、MTDDとタッグを組めることは非常に有難いお話でした。
―現在は両者間で定例会議を毎週開催されているとのことですが、具体的にどのような議論をされているのでしょうか。
石原:主に3つの視点で議論しています。1つ目は、Brushupを業界全体に普及させるための営業・提案戦略。どの企業様にどんなアプローチや提案をすべきか、具体的な作戦を練っています。
鈴木:非常にシビアな数字目標を設定しているので、戦略の精度にはこだわっています。
石原:2つ目は現場の声を反映した機能改修と要件定義です。
宗形:ここで出た意見はBrushupのエンジニアにフィードバックし、プロダクトの進化に活かしています。
石原:現場のリアルな意見を直接お伝えできるので、プロダクトが自分たちに合わせて育っていく感覚がありますね。もちろん、「他社も同じような困りごとがありそう」という多角的な視点でも議論しています。
そして3つ目が、エンタメ・動画配信業界全体が抱えるアナログな課題をどう解決するかという、ビジョンの議論です。
鈴木:とはいえ、常に真面目な話ばかりでなく雑談などもしょっちゅうです。すごくアットホームで、よく脱線してしまいますが(笑)私たちにとって癒やしの時間にもなっているんです。
宗形:こうしたフラットで人間的なコミュニケーションが、強固なパートナーシップの土台となっている感覚があります。石原さんたちの意見が、プロダクトそのものの改善に直結しているのは紛れもない事実です。現場を知り尽くしたパートナーからのフィードバックは、どんな調査よりも価値があります。
―では、少し視点を変えた質問です。昨今、AIの進化が目覚ましいですが、今後の映像配信業界において人間の仕事はどうなっていくとお考えですか?
石原: 例えばバリアフリー字幕の制作では、単に音を文字にするだけでなく作品の文脈を読み取った高度な判断が求められます。これはAIには難しい、人間ならではの感性が必要な仕事です。ビジュアル監修も同様です。キャラクターの扱われ方が適切かどうか、判断した上での最終承認は人間にしかできません 。AIに任せられるパターン作業は効率化しつつ、人間はより高度な判断やクリエイティブに集中していくべきです。
宗形: そして、複雑なステークホルダー間の交渉や、業界の慣習を変えるという正解のない挑戦に向き合う熱量こそ、AIには代替できない人間の価値。まさに、石原さんや鈴木さんとのパートナーシップそのものだと実感しています。
―では最後に、ぜひ今後のビジョンをお聞かせください。
石原:映像配信業界全体のDX実現に向け、Brushupさんとの間で5か年計画を握り合っています。まず3年後の目標としては、Brushupの業界標準化です。Brushupを使うことが当たり前という状態を創り上げ、市場全体の生産性向上に挑みます。
そして5年後は、持続的成長としてグローバル展開を目指します。日本国内に留まらず、世界規模での映像配信業界のDXを支える存在になりたいと考えています。
鈴木:実現のための目下の課題は、そもそも業界全体がこのアナログな状況を課題であると認識していない、あるいは認識していても保守的で改善に動けていない現状を打破することです。そのため、まずは周知活動やウェビナー、導入事例の紹介を通じて、業界へBrushupの認知を広げていくことに注力しています。
具体的には、プラットフォームや大手テレビ局などの上流企業から攻める戦略をとっています 。影響力のある企業が導入することで、それに連なる制作会社や権利元への普及が格段に容易になるからです。すでに導入が進んでいる企業様と共にイベントを共催し、成功事例やツールの優位性を広く周知・啓蒙していく計画を進めています。
宗形: 映像配信業界という巨大なマーケットを変革するのは、決して簡単なことではありません。しかし、現場の痛みを知り尽くしたMTDDという強力な仲間と一緒なら、現実的な目標に変わります。同じ未来を見据える同志として知恵を出し合い、正解のない挑戦に向き合い続ける。その先には、単なるツールの普及ではなく、業界のあり方そのものがアップデートされた新しい景色が見えるはずです。
この挑戦に注ぐ熱量こそが、業界の、そして世界の未来を変える一番の原動力になると信じています。
株式会社Brushup
設 立:2017年2月1日
従業員数:46名(2026年4月1日時点)
拠 点:大阪本社(大阪府大阪市北区)
東京オフィス(東京都豊島区東池袋)
島根オフィス(島根県松江市西茶町)
事業内容:コンテンツ制作現場のためのコミュニケーションプラットフォーム「Brushup」の開発・運営