2024年のインタビュー当時、「地域みらい留学」のマーケティングを担当していた大石さん。
入職から約2年が経った2026年3月、高校教育改革チームへ異動しました。
向き合う相手は、中学生や保護者から、都道府県の教育委員会へ。現在は、教育委員会や学校、地域の人たちと一緒に「これからの高校教育をどうつくるか」を考えています。
2年間で仕事はどう変わったのか。そして、「公教育を変えたい」という思いは、今の仕事にどうつながっているのか。大石さんに聞きました。
今は、どんな仕事をしているんですか?
全国の公立高校の教育改革に関わっています。主に向き合っているのは、都道府県の教育委員会です。
現在取り組んでいるのは、「N-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール構想」に関連するプロジェクト。
教育委員会と課題を整理しながら、「この県ではどんな高校教育を目指すのか」「そのために何をするのか」を一緒に考えています。
具体的には、高校教育改革の「実行計画」の策定支援や、改革を先導する高校への伴走統括などです。
大石さん自身は、どんな役割を?
今は営業統括を担当しています。
全県の営業状況を見ながら、自分自身も現地へ行き、教育委員会の方と課題を整理したり、提案を考えたりしています。
この仕事には、まだ完成された営業の型がありません。
決まった商品を売るのではなく、相手の話を聞きながら「この県では何をやるべきか」から一緒につくっていく営業です。
またCPFだけですべてを担うわけでもありません。
県内や地域内で活動されている教育団体やコーディネーター、専門人材などと連携しながら、各校に必要な人やノウハウをつないで支援していく。
最終的には、私たちが抜けたあともその高校で自走できる状態をつくることが大事だと思っています。
公教育の中で子どもたちの選択肢を多様にしたい ~地域みらい留学事業部 大石 祥代~ | 一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォーム
なぜ、高校教育改革の仕事へ?
今回の異動は、自分から希望したものだったんですか?
実は違います(笑)。
マーケティングチームで2年間仕事をして、統括を任せてもらったり、チームにも一体感が出てきたりしたタイミングで、突然異動の話がありました。
最初は驚きました。
でも、高校教育改革の仕事について知る中で、CPFに入職したときの原点を思い出したんです。
もともと、私は「公教育を変えたい」と思ってCPFに入りました。
学校だけではなく、その制度や仕組みをつくる教育委員会が変わらなければ、公教育そのものはなかなか変わらない。
入職前から「どうやったら教育委員会にアプローチできるんだろう」と考えていたので、この仕事を知ったときに、「自分がやりたかったのはこれだ」と思いました。
マーケティングの経験とのつながりもありますか?
あります。
マーケティングでは、「その学校の魅力をどう伝えるか」を考えていました。
でも仕事を続けるうちに、その前段にある「学校そのものの魅力」や「教育の質」が気になるようになったんです。
「どんな生徒に来てほしいのか」「その学校だからこそできる学びは何なのか」。
届ける方の前に、その学校の教育そのもののあり方をどうしていくべきなのか。
今はその問いに、より上流から向き合っている感覚があります。
この仕事の難しさと、おもしろさは?
一番難しいのは、正解がないことです。
高校教育改革は、まだ完成されたモデルがあるわけではありません。
「こうすれば必ず教育が良くなる」という答えがない中で、自分たちなりの仮説をつくって、提案して、進めていく必要があります。
教育委員会から見えている学校と、実際に現地へ行って先生方から聞く話が違うこともあります。
だからこそ、現場に足を運んで話を聞くことが大切です。
その違いを紐解きながら、また教育委員会とすり合わせて、高校教育改革を前に進めていく。
難しいですが、一番おもしろいところでもあります。
異動して、印象に残っていることは?
チームの専門性の高さですね。
高校魅力化やカリキュラムづくり、その地域の自治体・企業・学校間のコーディネートなど、さまざまな現場を経験してきたメンバーがいます。
そういったメンバーに囲まれているので、ふとした瞬間に「この案件は本当はこうあるべきなんじゃないか」という議論が始まるんです。
いろいろな意見を聞いて、自分の中でもう一度考え直す。
新しい視点や軸が増えていくことが、すごくおもしろいです。
どんな人と、一緒に働きたいですか?
教育の専門性は、最初からなくてもいいと思っています。
大切なのは、新しいことを貪欲に学べること。そして、「教育を良くしたい」という思いがあることです。
教育業界未経験でも大丈夫?
全然良いと思います。
むしろ、教育業界の経験がないからこそ、
「それって本当に必要なんですか?」
「もっとこうできるんじゃないですか?」
と、外から問いを持ち込めることもあります。
一方で、この仕事には完成されたマニュアルも正解もありません。
誰かが教えてくれるのを待つのではなく、自分で情報を取りにいって、学んで、考えて、提案する。
そうやって自分から動けることは、何より大切です。
コンサルなど、他業界の経験も活かせると思います。
ただ、提案書を書いて終わりではありません。
実際に現地へ行き、教育委員会や先生、地域の人と話しながら、変化が生まれるところまで関わっていく。
「提案するだけではなく、実際に変わっていくところまで関わりたい」
そんな人と一緒に、教育の「当たり前」を問い直していきたいです。