AIの仕組みやLLMの原理は独学で学んできたものの、その技術を社会に実装するには、確かなエンジニアリング力が欠かせない。そう感じていた須之内太陽さんは、SALT2とBoost Capitalが合同で開催するキャリア相談会で、SALT2の「AI駆動開発ブートキャンプ」を知り、参加を決めました。企業への提案を想定した開発、Claude Codeの環境づくりでぶつかった壁、成果発表会で受けたフィードバックを経て、開発の全体像を見渡せるようになった須之内さんに、ブートキャンプでの経験を聞きました。
※本記事は、2026年のスプリングブートキャンプに参加した受講生へのインタビューです。現在はオータムブートキャンプを開催中で、これまでの回の様子も順次お届けしていきます。
須之内太陽|早稲田大学 法学部 2年
早稲田大学法学部出身。知的財産権、司法制度改革について研究に携わる。
現在はAIエンジニアとして、LLMを活用したAIソリューションの設計・開発に従事。
法学部で学びながら、SALT2のAIエンジニアとして開発に携わる
── 自己紹介をお願いします。
須之内:早稲田大学法学部2年の、須之内太陽と申します。
現在はSALT2でAIエンジニアとして、システム開発やソリューションの提案に携わっています。具体的には、大企業向けのシステムリプレース支援をはじめ、AIを活用したチャットボットや、自動設計ツールなどの開発を行ってきました。
「実際に社会へ実装していく」ための、エンジニアリング力を求めて
── AI駆動開発ブートキャンプに参加しようと思ったきっかけはありますか?
須之内:もともとAI分野に強い関心があり、AIの仕組みやLLM(大規模言語モデル)の原理などについては独学で勉強していました。しかし、その技術を「実際に社会へ実装していく」ためには、確かなエンジニアリング力が必要不可欠だと感じるようになり、自身の知見とスキルを広げたいと考えていました。
そんな中、SALT2とBoost Capitalが合同で開催しているキャリア相談会に参加し、「AI駆動開発ブートキャンプ」の存在を知りました。実践的な環境でエンジニアリングを学べる点に惹かれ、参加を決意しました。
企業への提案を想定した開発で、開発の全体像を見渡す
── 実際に参加してみてどうでしたか?
須之内:このブートキャンプの最大の特徴は、実際に企業へ提案するソリューションを想定して開発を行う、非常に実践的な形式である点です。「AIがどのように社会実装されていくのか」を身をもって学べたことが一番の収穫でしたし、システムの中身や基礎的なプログラミング力といった開発全般のスキルも大きく向上しました。
大変だったこととしては、最初は「Claude Code」を使った開発経験がなく、環境のセットアップにかなり戸惑ってしまったことです。しかし、SALT2のメンターの方々が丁寧にサポートしてくださり、無事に乗り越えることができました。そこを突破してからは、AIコーディングの道が一気に開けていく感覚がありました。また、細部へのこだわりから時間がかかってしまうこともありましたが、それも良い経験になっています。
このブートキャンプを通じた一番の成長は、設計や要件定義から実装までの一連の流れをすべて自分で行い、開発の全体像を見渡せるようになったことです。さらに、成果発表会では同期メンバーから大きな刺激を受けましたし、SALT2の方々から非常に具体的で的確なフィードバックをいただけたことは、大変勉強になりました。顧客のニーズを考え、相手の意図を汲み取って自らアイデアを出し、それを実装に落とし込むという経験は、私にとって大きな成長につながりました。
「やり遂げたい」という熱意があれば、最後まで実装しきれる
── ブートキャンプへの参加を迷っている方に向けて、メッセージをお願いします。
須之内:開発経験があまりなくても、「やり遂げたい」という熱意さえあれば、最後まで実装しきれる環境が整っているのがこのブートキャンプの魅力です。メンターの方々が親身になって相談に乗ってくれますし、研修のカリキュラム自体も細部まで丁寧に設計されています。また、独自の学習用アプリも用意されており、スムーズに研修を進められる素晴らしい環境が整っています。
エンジニアリングに対してハードルを感じている方でも、心配せずにまずは一歩を踏み出して、ぜひ参加してみてほしいと思います。
Sprint 3で形にした、不動産を手放しそうな企業を見つける仕組み
須之内さんが「実際に企業へ提案するソリューションを想定して開発を行う」と話したブートキャンプのお題。この回のSprint 3は、自律的に動くAIエージェントを組み込んだアプリを作るというものでした。須之内さんが向き合ったのは、大手デベロッパーの事業開発部門が抱える課題です。不動産を売却しそうな企業を探すため、担当者は年2回、約50社分のIR資料や決算情報を手作業で読み込んでいました。深掘りの調査まで含めると、その負担は年間約500時間にのぼります。どの企業に目をつけるかも、担当者によってばらつきがありました。
目指したのは、最初の絞り込みをAIが担い、担当者は深い調査と最終的な判断に集中できる状態です。仕組みは2つの見方を組み合わせています。1つは財務の数字で、株価が会社の純資産に比べて割安か、財務にどれだけ余裕があるか、賃貸に回している不動産をどれだけ持っているかを点数にします。もう1つは企業が金融庁に提出する有価証券報告書の文章です。AIエージェントが自ら書類を取り寄せて読み、売却の意向や、資産の使い方を見直す方針に触れた箇所を拾い出します。この2つを合わせた点数で、企業に順位をつけます。
須之内さんが品質の基準に据えたのは、AIの判断のすべてに根拠を添えることでした。AIが読み取った示唆と、その根拠になった原文の引用を分けて記録し、根拠の文をクリックすると、隣に表示した開示書類の該当箇所へ移動できます。ただ、書類の中で文が細かく区切られていたり、空白の入り方が違ったりして、狙った箇所へうまく移動できないことがありました。須之内さんは最終発表の前日の夜から当日の朝にかけて、この移動がずれないよう修正を重ねています。インタビューで語った「細部へのこだわり」は、こうしたところにも表れています。
開発は、3月上旬に設計書をそろえたあと、ランキング、企業の詳細、変化の監視、絞り込み、分析の実行という5つのまとまりに分けて進めました。企業が新しい書類を提出したことを検知すると、その企業だけを自動で評価し直します。発表を前に、架空の企業で動かしていた仕組みを、実在する上場企業101社に入れ替えました。100社規模を一度に分析すると、AIの利用上限に達したり、書類の取り込みで処理が追いつかなくなったりします。そこで、同時に分析する社数を絞る、一時的なエラーは間を置いてやり直す、途中で止まってもその日に終えた企業は飛ばして再開する、二重に動かないようにする、といった備えを加え、数分で順位を更新できるようにしました。発表当日には、社内で使うための情報提供ツールであり投資の助言にはあたらないという注意書きと、データの出典も画面に加えています。
須之内さんは、この仕組みを3月26日の最終発表会で発表しました。
ブートキャンプについて
SALT2では、AI駆動開発ブートキャンプを定期的に開催しています。
参加したい気持ちがあれば、開発経験は問いません。
なお、応募者が多数の場合は、運営による選考を行います。
プログラムの詳細や最新の日程は、ブートキャンプ特設サイトをご確認ください。
👉 SALT2 AI駆動開発ブートキャンプ
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