「DXが必要だ」と言われ、ツールを導入する。
でも、現場では使われなくなり、結局もとのやり方に戻ってしまう。
そんな話を、私たちは数えきれないほど見てきました。
エルボーズは2026年3月で10期を迎えました。
リアル産業の現場に入り込み、DXを「導入」ではなく「共に創るプロセス」として支援してきた10年です。
この節目に、私たちが何を大切にし、どんな現場で、どんな仕事をしているのか。
そして、これからどんな仲間と一緒に進んでいきたいのかを、あらためて言葉にしてみます。
10年やってきて、変わらなかったこと
DXやAIを取り巻く環境は、この数年で大きく変わりました。
それでも、私たちの向き合い方は変わっていません。
それは「現場から考える」という姿勢です。
どれだけ技術が進化しても、実際に業務が行われ、価値が生まれているのは現場です。 だから、机上の設計や一般的なフレームワークから入るのではなく、まず現場の実態を理解することから始める。 この前提を、ずっと置き続けてきました。
「導入して終わり」にしないために
DXという言葉が広がる中で、議論は「何を導入するか」に寄りがちです。
一方で現場では、「導入したが使われない」「業務に合わず元に戻る」が後を絶ちません。
ここにあるのは、技術の問題というより前提の置き方のズレです。
私たちはDXを「仕組みを入れること」ではなく、「事業や業務の価値をどう再構成するか」というテーマとして捉えています。
だから、最初から解決策を持ち込むことはしません。
まず現場や業務の構造を整理し、何が価値につながっているのかを見極める。
その上で、必要な仕組みや技術を一緒に設計していく。
この進め方を、私たちは 「共に創る(Co-Crafting)」 と呼んでいます。
私たちの仕事は、こう進む
では、実際にどう動いているのか。
建設・建築をはじめとするリアルな現場で、私たちはこんなふうに進めています。
たとえば施工の現場では、トラブルの原因が「確認不足」「伝達ミス」「担当者の判断」と片づけられがちです。
でも丁寧に見ていくと、誰かがミスをしたというより、そう判断せざるを得ない状況がすでにできていたことがほとんどです。
- 図面や仕様が完全には揃っていない
- 関係者ごとに前提の理解が違う
- 時間の制約の中で判断を迫られる
ここにツールを入れても、現場は変わりません。
問題は情報の量ではなく、判断の前提が揃っていないことにあるからです。
だから私たちは、「何を作るか」より先に「いま現場で何が起きているか」を捉えることから始めます。
- 現場・管理・経営、それぞれの立場からの課題ヒアリング
- 図面や資料だけでは見えない判断を捉えるための現地視察
- 情報の流れと判断ポイントを整理する業務フローの可視化
- 現場運用を前提とした要件定義と、使われ続けるためのUI/UX設計
そして、完成形をいきなり作りません。
AIを使って現場のヒアリングを素早く反映し、モックアップやMVP(最小実用製品)を現場で使いながら育てていく。
プロトタイプ検証から、実運用に耐えるシステム開発、導入後の改善・運用支援まで、一気通貫で伴走します。
UX設計・AI活用・システム開発を、別々のものとして分けて考えない。
一体として扱うことで、現場に根づく形をつくる。これが私たちのやり方です。
なぜ、正解のない現場に向き合うのか
現場は常に変化し続けます。
完成形を固定しても、すぐに合わなくなる。
だからこそAIも、「正解を出すため」ではなく「試しながら判断を揃えるため」に使う。
変わり続ける現場に柔軟に適応できること、そのプロセスそのものを価値に変えること。 それが、私たちの考えるAI×DXの面白さです。
過去には、ベテラン担当者の“勘”に依存していた業務を、意思決定の基準として整理し直すことで、AI活用と業務標準化を同時に実現できたこともあります。
属人化していた価値の源泉を、構造として捉え直す。地味だけれど、ここに一番の手応えがあります。
熊本・九州から、フルリモートで全国の現場へ
エルボーズは熊本・九州を起点に活動してきました。
地域の産業に深く関わる中で見えてきたのは、現場ごとに課題も条件もまるで違うという現実です。
いまはフルリモートの体制で、全国の企業と取り組んでいます。
それでも「現場を見ずに進めない」という考えは変えていません。
必要なら現地へ足を運び、直接状況を理解する。リモートと現地を使い分けながら伴走しています。
これからの10期で、目指していること
これまでのDXは、効率化やコスト削減に焦点が当たりがちでした。
それも大事ですが、私たちが次に目指すのは効率化にとどまらないDXです。
事業の価値や収益構造そのものにどう影響を与えるか。
AIも、単純な自動化ではなく、意思決定支援や価値判断の補助として活かす。
現場起点で価値を捉え直し、それを事業として成立させるところまで伴走する。
その領域に、これからも取り組んでいきます。
こんな人と、一緒に創りたい
ここまで読んで、少しでも「面白そう」と感じてもらえたなら、たぶん相性は良いです。
- 正解のない状況を、決めつけずに面白がれる人
- 「作ること」より「作る前の整理」を大事にできる人
- 図面やデータの先にある、現場のリアルに関心を持てる人
- 職種の枠を越えて、クライアントと“事業の仲間”として共創したい人
PM、エンジニア、デザイナー、役割はさまざまですが、共通しているのは「現場から価値をつくる」という姿勢です。
最後に
10期という節目を迎えた今も、私たちのスタンスは変わりません。
現場に向き合いながら、価値をどうつくるかを共に考える。
少しでも気になったら、まずは話を聞きに来てください。
お互いを知るところから、ご一緒できればうれしいです。