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フリーランス活用は難しい?調査から見えた企業の本音。

こんにちは、フリーランスを中心としたメンバー組成を行い、様々な新規事業開発の支援を行っている株式会社Lboseの小谷草志(こたに・そうし)です。

弊社は、場所や時間の制約にとらわれず人生を主導権を持ち、力を発揮できる社会の実現を目指して「フリーランス」として働く人たちの課題解決や活動支援を行なっており、定期的にフリーランスに関する調査分析レポートを配信しています。

今回は、先日発表を行った「企業のフリーランス活用に関する実態調査」をベースに、どうすれば企業のフリーランス活用がより推進されるのかについて書いていこうと思います。


そもそもこの調査をおこなった理由は、世の中全体に「フリーランスの活用は難しい」「フリーランスへの発注は避けたい」といったネガティブなイメージがある一方で、実際にフリーランスを活用している企業の生の声(ポジティブ・ネガティブ問わず)がほとんど聞こえてこないためです。

「フリーランスの働き方」におけるさまざまな選択の制限をなくし、個人が働き方を自由に選べる社会をつくることを目指している弊社ですが、フリーランス活用にはさまざまな課題やハードルがあることも理解しています。


そこで、今回の調査を通して、フリーランス活用の実態を明らかにし、少しでもフリーランス活用を実践できていない企業を後押ししたいと考えました。

調査前の仮説では、フリーランス側のスキルやコミュニケーション上の課題が出てくると考えていましたが、調査で明らかになったのは、どちらかと言うと企業側の考え方や社内の制度設計における課題感でした。

この結果に、フリーランス活用がより推進されるヒントが隠されていると強く感じています。



発注意欲があってもフリーランス活用がなかなか進まない理由

まずは、フリーランス活用の全体像からまとめます。

・発注期間は、半年未満が約半数を占め、単発での発注も2割程度。
・発注する理由は、人手不足やスキル・ノウハウの補填が中心。
・依頼内容は、単純作業からコンサルティングや制作・開発など専門業務まで多様。

そして、仕事を依頼した満足度は約6割。これは僕が想像していたよりも良い数値でした。


ではなぜフリーランス活用はもっと進まないのでしょうか。調査によると、それは発注する企業側の課題が中心だと分かりました。

フリーランスへの依頼時の課題TOP3は、
①社内での手続き・契約周りが煩雑(25.5%)
②現場で依頼するフリーランスの決定・決済ができない(23.8%)
③優秀なフリーランスを探すこと(22.75%)
です。


つまり、フリーランスへの発注意欲はあるものの、社内の制度設計や優秀な人材のネットワーク構築の不足が最も大きな問題となっています。

この企業側の意識や制度を変えていくことで、フリーランスの活用はより進んでいくのではないかと考えています。

実際に人材ネットワークの観点では、クラウドワークスやランサーズ、ビザスク、サーキュレーション、ミッドワークスなど、フリーランス活用を推進する企業の上場は続いており、市場としても可能性の高さが窺えます。

一方で、法的な観点ではフリーランスへの発注しづらさが残ります。

現在の法律では資本金1000万円以下の事業者は、フリーランスへの業務発注時に取引代金の額や支払期日を記載した書面の交付が義務付けられていません。

しかし今後は、事業者の資本金額に関係なく書面作成が必須化される予定もあり、発注側の手続き負担が高くなることが予想されています。

※参考:読売新聞による記事

【独自】口約束で泣き寝入り多発...フリーランスへの業務発注、契約書の作成義務付け事業者拡大 : 政治 : ニュース
政府は、会社などの組織に属さず、フリーランスで働く人の法的保護を強化するため、業務発注時に契約書面の作成を義務付ける事業者の対象を拡大する方針を固めた。新型コロナウイルス禍でフリーランスの収入源が減る中、口約束の仕事を一方的にキャンセルされるなどのトラブルが相次いでいるためだ。来年の通常国会に関連法案を提出する方向で調整している。 ...
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210810-OYT1T50293/



契約時の書面必須化自体はフリーランスを守るための制度ではありますが、今回の調査では7割以上の方が「書面作成が義務化されることで、逆に企業側がフリーランス活用に対して億劫になると思う」
と回答しています。


日々の業務の中で、煩雑な手続きは積極的にやろうとはしないものですよね。

こういった手続きや社内手続きの設計における課題をクリアできれば、フリーランス活用の推進が一気に広がりそうな予感がしています。



スキルがあれば、さまざまなチャンスがあるフリーランスの時代

人手不足の観点でフリーランスを活用する企業は多いですが、調査結果から興味深い発見もありました。

それは依頼時に重視する項目として、スキルや専門性、コミュニケーション能力の高さなど、費用以外の要素が強く求められていることです。

調査前の仮説として、僕は「正社員より費用が安く、固定費を抑えられるから」が高い順位にくると想像していましたが、実際は最下位(13.75%)でした。そのことは良い意味で予想を覆されたポイントです。


この結果から、企業の事業内容や抱える課題を日々のコミュニケーションから汲み取り、仕事に反映できるフリーランスは重宝されやすく、長期的な契約につながるのではないかと感じています。

新型コロナウイルスによる変化も大きいですが、最近では職種に関係なく、リモートで働ける企業も増えています。

フリーランスも「全ての業務でリモートワーク(26.0%)」「基本はリモートワーク&たまに出社(44.25%)」と普及が進んでおり、働き方がより選択しやすくなっていることでしょう。


また、今回の調査対象者の企業規模は「1,001名以上」が最多の約3割でした。


大企業でもフリーランス活用が進んでおり、フリーランスで働きながら大きな規模の仕事に関わるチャンスも高まっていると感じられます。内訳では、「製造業」と「サービス業」がそれぞれ2割程度を占めていました。



フリーランス活用での成功体験を積み重ねていくこと

調査を振り返ると、フリーランス活用に対して意欲や必要性の高い企業が多いことが伺えました。

企業側の意識や制度面の課題も残りますが、フリーランス活用の成功体験が増えていくほど、より活用前提の組織や制度づくり、意識改革につながるのではないでしょうか。

そして、企業が求める高いスキルやノウハウ、そしてコミュニケーション力を持つフリーランスはどんどん仕事の可能性が広がっていくことでしょう。

Lboseも、フリーランス活用の流れをさらに後押しできるように事業を展開してまいります。そのための手段として引き続き、まだまだ明らかにされていないフリーランスの実態調査も続けていきます。

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