幼少期から「欲しいものは絶対手に入れる」という強い意志を持ち続け、数々の挑戦を経て現在に至るEnagic株式会社で活躍する宮嶋真友さん。今回は、そんな彼女のキャリアの軌跡と、働く上で大切にしている価値観についてお話を伺いました。
原点:家族から受け継いだ価値観
ーー現在のキャリア観を持つに至った、原体験はどこにありますか?
『してほしいことはまず自分から』という親からの教えが、今でも私の軸になっています。周りに感謝し、ギブすることで返ってくる。この考え方は家族から受け継いだものです。
この価値観は、物心ついた頃から家庭の中で自然と育まれました。
両親は口だけでなく、日々の行動でこの姿勢を示してくれていました。近所の方が困っていれば手を差し伸べ、誰かが喜ぶことを自ら進んで行う。そんな両親の背中を見て育った私は、「人に何かを求める前に、まず自分が与える側になる」という考え方が当たり前のものとして身についていったんです。
特に印象に残っているのは、母の言葉です。「人に優しくした分、いつか必ず自分に返ってくる。でもそれを期待してするんじゃない。ただ、相手が喜んでくれることが嬉しいからするんだよ。」
見返りを求めない純粋なギブの精神。これが、私の人生観の土台になっています。
そしてこの姿勢は、私のキャリア選択や働き方の根幹を成しています。職場でも、後輩が困っていたら手を止めて話を聞く。チームメンバーが忙しそうだったら自分の仕事の手を止めてでもサポートする。こういった小さな積み重ねが、結果として信頼関係を築き、チーム全体のパフォーマンス向上につながっていると実感しています。
ーー最初のキャリアはどのようにして選択したんですか?
福岡の大学に通っていましたが、卒業後は当時付き合っていた彼の地元の長崎で働こうと考えていました。私はどちらかというと人生設計を細かく立てるタイプで、社会人2年目での結婚まで計画していました。
当時の私は、プライベートとキャリアの両方を大切にしたいという想いが強くありました。「仕事も頑張りたいけど、大切な人との時間も諦めたくない」そんな気持ちから、彼の地元である長崎で就職することを決めたんです。周りからは「自分のキャリアを優先すべきじゃないか」という声もありましたが、私にとっては両方を叶えることが重要でした。
その中で、長崎で知名度のある企業で働きたいと思い、ORIXやメットライフなどを志望していました。地方都市である長崎で、自分のキャリアをしっかりと築いていける企業を探していました。ただ地元の企業ならどこでもいいというわけではなく、「ここで働いている」と胸を張って言える、社会的に認知されている企業で自分の力を試したいという想いがありました。
電話業務には抵抗がなく、むしろ興味がありました。 人と話すことが好きで、相手の課題を聞いて解決策を提案する。そんなコミュニケーションの仕事に魅力を感じていたんです。多くの人は電話業務と聞くと大変そうというイメージを持ちますが、私にとっては「お客様の声を直接聞ける」「一人ひとりに合わせた対応ができる」という点で、とてもやりがいのある仕事だと思っていました。
そして、入社前には自らコールセンターでアルバイトをし、同期に負けないようスキルを磨いていました。これは私の「欲しいものは絶対手に入れる」という性格の表れでもあります。(笑) 内定をもらってから入社までの数ヶ月間、ただ待っているのではなく、実際のコールセンター業務を経験することで、入社後すぐに活躍できる準備をしたかったんです。
アルバイトでは、実際の電話対応の流れ、お客様の様々な問い合わせパターン、クレーム対応の方法など、基礎から実践的なスキルまで学びました。時には厳しいお客様の対応で心が折れそうになることもありましたが、「入社後に同期に負けたくない」という強い想いが私を支えてくれました。この準備期間があったおかげで、入社後は同期の中でもいち早く成果を出すことができ、自信につながりました。
Web制作への挑戦:家族を支えながらの決断
ーーWeb制作に挑戦しようと思ったきっかけは何ですか?
キャリアの転機となったのが、Web制作への挑戦です。安定した仕事から、全く新しい分野への転身は大きな決断でした。家族がいる中での新しい挑戦は、決して容易なものではありませんでした。
スクールに通うのにもお金がかかるし、パソコンも持っていなかったのでMacも購入する必要がありました。家族のために貯めていたお金を使うことへの葛藤もありました。
経済的な不安だけでなく、家族への責任という重圧もありました。安定した収入を捨てて新しい分野に飛び込むことは、自分だけでなく家族の生活にも影響を及ぼすので。それでも、私の中には「このままでいいのか」という問いがありました。
ーー最終的に決断できた理由は何ですか?
私の背中を押したのが、母からの一言でした。
「自分の選択を正解にできるのは自分だけ」
この言葉を聞いた瞬間、目の前が開けたような感覚がありました。それまで私は「正しい選択はどれか」を必死に探していたんです。Web制作に挑戦するべきか、今の安定を守るべきか。どちらが「正解」なのかと。
でも、母の言葉で気づいたんです。選択そのものに正解も不正解もない。大切なのは、選んだ後にどう行動するか。自分の選択を正解にするために、どれだけ本気で取り組めるか。それが全てなんだと。
この気づきは、私の中の迷いを一気に吹き飛ばしてくれました。家族に対して感じていた申し訳なさも、「この挑戦を絶対に成功させて、家族を幸せにする」という強い決意に変わりました。決断した自分に対しても、「後悔させない」という約束を交わしたような気持ちになったんです。
選択の「正しさ」は、選んだ瞬間に決まるのではなく、その後の自分の行動によって決まる。家族のために貯めていたお金を使うことへの罪悪案も、「この投資を何倍にもして返す」という前向きなエネルギーに変わりました。
不安や恐れは消えませんでしたが、それ以上に「絶対に正解にしてみせる」という覚悟がありました。この覚悟があったからこそ、スクールに通い始めてからも、子どもが寝てから深夜3時まで作業を進めたりと子育てとの両立でしたが、どんなに大変でも諦めずに学び続けることができたんだと思います。
エナジックでの成長:ビジネスの視点を獲得
ーーEnagicに入社して、どのような変化がありましたか?
以前は制作のことしか見えていませんでした。でも今は、会社がどう受注して、どうお金が動いて、どう仕事が回っているのか、全体のフローが見えるようになりました。
以前の職場や副業では、自分が担当する業務のみに集中していました。しかしEnagicでは、ビジネス全体の流れを理解する機会に恵まれました。営業がどのようにしてクライアントを獲得し、プロジェクトがどう進行し、会社の収益がどう生まれるのか。
「ビジネスの全体像」を理解しながら業務できたことが、大きな成長に繋がっています。
ーー立ち上げメンバーとして働く意義をどう感じていますか?
特に印象的なのが、立ち上げメンバーとして会社の成長に関わっている実感です。
以前は正直に言うと、自分のプライベートを充実させるためだけに働いていました。でも今は『会社をどう回すか』という視点を持てています。一人の社員として、営業、採用、広報など、様々な領域に関われる。この経験はなかなかできないと思います。
Enagicのような立ち上げ期の会社では、一人ひとりの社員が複数の役割を担っているので、私自身も、本来の業務であるプロジェクトマネジメントだけでなく、営業活動のサポート、採用面接への参加、広報活動など、多岐にわたる業務に携わっています。
このような経験は、大企業やメガベンチャーでは得られない貴重なものです。会社の成長を肌で感じながら自分自身も成長できる。この環境が、大きなやりがいとなっています。
これからのビジョン
ーー将来、どのような人材になりたいと考えていますか?
これから社員が増えていく中で、その人たちをまとめられるような、入ってくる人に負けないような人材になりたい。そして会社の中枢に立っていきたいです。
具体的には、立ち上げメンバーとして培った経験や知識を活かし、新しく入ってくるメンバーをサポートしていきます。それと同時に、自分自身も常に成長し続け、新しいメンバーに負けないスキルと知識を持ち続けることを大切にしています。
「後輩を育てる」と「自分も成長する」この両立が、私の目指す姿です。
ーーすばり、3年後・5年後のビジョンを教えてください。
会社が事業を展開していく中で、より大きな責任を持つ立場を目指しています。具体的には、M&Aで買収した事業の代表として経営に携わったり、新規事業の立ち上げを統括したりするなど、経営層に近いポジションで会社の成長を牽引したいと考えています。
立ち上げメンバーとして培ってきた経験は、こうした役割において大きな強みになると考えています。会社の初期段階から事業の全体像を見てきたこと、様々な部門の業務に携わってきたこと、限られたリソースの中で成果を出す方法を学んできたこと。これらの経験は、新しい事業や組織を率いる際に必ず活きてくるはずです。
私が目指しているのは、単なる管理職ではありません。経営者の視点を持ちながら、現場の実務にも精通している人材です。戦略を描くだけでなく、それを実行に移すための具体的な施策を考え、チームを率いて実現していく。そんな実行力のあるリーダーになりたいと思っています。
3年後には、部門やプロジェクトの責任者として、より大きなチームをマネジメントしている自分を想像しています。そして5年後には、事業全体の責任を担い、経営陣の一員として会社の方向性を決める立場に立っていたいです。
悩んでいる人へのメッセージ
ーーかつての自分や同じようにキャリアに悩んでいる人に伝えたいことはありますか?
私自身、安定したキャリアを捨ててWeb制作に挑戦する際、大きな葛藤がありました。家族への責任、経済的な不安、新しい分野への挑戦に対する恐れ。しかし、「自分の選択を正解にできるのは自分だけ」という言葉に出会い、決断しました。 そして、その決断を正解にするために、全力で努力しました。今のキャリアに満足できていない人、新しいことに挑戦したいけれど一歩を踏み出せない人。
「正しい選択」を探すのではなく「自分の選択を正しくする」ために行動してほしいです
ーー 最後に、この記事を読んでいる方へのメッセージをお願いします。
正直、最初は「母親として家族のために安定を選ぶべきでは?」という葛藤がありました。でも、子どもに見せたいのは、チャレンジする母親の姿なんです。「お母さんも頑張ってるよ」って。
Enagicでは、リモートワークやフレックスな働き方ができるので、子どもの急な発熱や学校行事にも柔軟に対応できています。会社が家庭の事情を理解してくれる環境があるからこそ、仕事でも全力で挑戦できる。この両立ができる環境に、本当に感謝しています。
ワーキングマザーだからこそ、限られた時間の中で成果を出す工夫や、優先順位のつけ方が磨かれました。この経験は、プロジェクトマネジメントにも活きていると感じています。
特に、子育て中の方や家族との時間を大切にしたい方にとって、地方での働き方は大きな可能性を秘めています。都会での忙しい生活から一歩離れて、自分らしいキャリアと家庭の両立を実現できる。そんな働き方がここにはあります。
もし、その答えが明確で、私たちの想いに少しでも共感していただけたなら、ぜひ一度お話ししましょう。Enagicには、あなたの熱い想いを受け止め、共に大きな夢を描ける仲間がいます。
一緒に働けることを楽しみにしています!