なにをやっているのか
展示会にてThermalniteの資料を説明するメンバー。素材の開発だけでなく、顧客の製品にどう組み込むかを提案するところまでが、私たちの仕事です。
Thermalniteを配合した低熱抵抗TIMシート。曲げられる柔らかさと高い熱伝導・絶縁性を両立し、パワー半導体やAIサーバーの放熱に使われます。
株式会社U-MAPは、電子機器の「熱」の問題を新素材で解決する、名古屋大学発のディープテックスタートアップです。
主力は、繊維状の窒化アルミニウム単結晶フィラー「Thermalnite(サーマルナイト)」。熱をよく伝えながら電気を通さない(高熱伝導かつ絶縁)という、放熱材料に求められる二つの性質を高い水準で両立した素材です。これを樹脂やセラミックスと複合し、放熱シート、グリース、セラミックス基板といった製品として開発・製造しています。
私たちの事業は素材を売って終わりではありません。顧客の製品にどう組み込めば熱の課題が解けるかを提案し、つくる仕組みまで自分たちで確立する。素材の発見から顧客の製品までが一つながりになっているのが、この会社の仕事です。
創業以来、補助金を含め累計21億円の資金を調達し、現在はIPOを見据えた準備を進めています。研究室で生まれた素材が、世界の製品に載っていく。新素材スタートアップがその瞬間を迎えるまでの数年間を、当事者として経験できる会社です。
なぜやるのか
Thermalniteが生まれた名古屋大学のキャンパスで。創業者の宇治原教授(取締役)は、いまも研究と事業の両面からU-MAPを支えています。
電子顕微鏡で見たThermalnite。名古屋大学・宇治原研究室の実験で、当初は「邪魔モノ」として現れた結晶でした。この繊維状の単結晶が、世界共通の熱問題を解く鍵になると分かったことが、U-MAPの始まりです。
スマートフォン、データセンターのサーバー、そしてEV。電子機器が高性能になるほど、内部で生まれる熱は増え続けます。熱を逃がしきれなければ、性能を落とすか、製品を大きくするしかありません。「放熱」は、電子機器の進化を静かに止めているボトルネックです。
この壁を、既存材料の改良ではなく、新しい素材そのもので越えられないか。Thermalniteは、名古屋大学・宇治原研究室での研究の過程で見つかりました。当初は実験の「邪魔モノ」として現れた結晶が、調べてみると理想的な放熱フィラーの性質を備えていた。偶然の発見を世界共通の課題の解に変えるために、私たちは会社をつくりました。
熱の問題は、環境の問題でもあります。データセンターでは消費電力の一定割合が冷却に費やされ、EVでは熱の制約が電費と航続距離を左右します。世界で唯一の素材で放熱を変えることは、AIとモビリティの時代のエネルギー効率を根本から変えることにつながります。
熱の問題は、AIの計算能力にも、EVの航続距離にも、あらゆる電子機器の未来に直結しています。日本の大学の研究室で生まれた素材が、その未来を変えうる。その可能性を社会に届けるために、私たちは事業を続けています。
どうやっているのか
工場と本社のメンバーが集まる定例ミーティング。製造の現場も、営業も、管理も、同じテーブルで議論します。
大型合成炉の前で、Thermalniteの製造を支える瀬戸工場のメンバー。研究から製造まで、部門を越えて距離が近いチームです。
私たちの仕事は、素材の研究から、製造ラインづくり、顧客の製品への組み込み提案までつながっています。専門領域に閉じていては前に進めないので、素材化学やプロセス開発、装置、品質、事業開発といった異なる専門のメンバーが、一つの素材を世に出すために協働しています。
世界で私たちしかつくっていない素材なので、仕事にマニュアルや前例はありません。つくり方も、売り方も、会社の仕組みそのものも、自分たちで考えてかたちにしていく段階です。裏を返せば、経験の有無より「自分で考えて動けるか」が問われる環境だということです。実際、営業や管理部門には異業種から来たメンバーがいますし、技術部門でも入社してから専門を身につけた社員が現場を担っています。
いま会社は、研究開発フェーズから事業拡大フェーズへの転換点にあります。組織も事業もこれから大きくする段階だからこそ、研究者やエンジニアだけでなく、営業、生産、管理といったあらゆる職種で、一緒に会社をつくる仲間を探しています。「世界の熱問題を解く」というミッションに共感できる方なら、いまの経験は問いません。
▼もっと知りたい方へ
・3分でわかるU-MAP:https://umap-corp.com/3minutes-umap
・テクノロジー解説:https://umap-corp.com/technology