なにをやっているのか
SonicAIは、AIとハードウェアを基軸とした技術開発により、製造業(Factory Automation領域)における検査および搬送工程の自動化を統合的に推進し、人材不足という構造的課題の根本的な解決を目指します。
検査領域では、教師なし学習に基づくAI画像処理技術の研究開発と社会実装に注力。従来のルールベースや大量ラベル付けを必要としないモデル設計により、少量の良品データのみで高精度な検査を可能にします。また、GPUを中心とした高性能プロセッサを搭載したエッジデバイスにより、リアルタイムかつ高速な画像処理を現場レベルで実現しています。
搬送領域においては、従来の6軸アームロボットやAGVでは対応が困難だった多品種・非連続工程の現場における搬送の自動化に挑戦。ヒューマノイドロボットや次世代ロボティクス技術の応用により、より柔軟で人間に近い動作を可能とし、これまで人手に頼らざるを得なかった工程への自動化を実現します。
SonicAIは、これらの技術を統合的に組み合わせることで、検査と搬送を一体化した高度なFA(Factory Automation)ソリューションを提供し、現場の生産性と持続可能性の飛躍的向上を目指しています。
なぜやるのか
日本の製造産業のポテンシャルを開放してレジリエンスを高める
私は東京都大田区、町工場が立ち並ぶ京浜工業地帯の中心で育ち、幼少期から中小製造現場に親しみがありました。大学卒業後、キーエンスにおいて画像処理システムの営業を担当し、大量生産を担う大企業には目視検査を自動化するソリューションを提供できる一方で、少量多品種生産を主とする下請けの中小製造企業では、自動ラインが整備されておらず、画像処理技術の導入が技術的に困難であるという現実を目の当たりにしました。加えて、人材不足や品質保証に対する納入先からの要求に直面し、これらの課題が企業経営に大きな負担を与えているリアルな現場の課題を深く実感しました。
その後、A.T.カーニーにて、国内外の製造メーカーの戦略策定およびサプライチェーン改革では、下請け企業が製造業全体の重要な役割を担いながらも、原価の上昇や納入先との構造的に不利な立場が原因で、値下げ交渉や利益圧迫にさらされ、持続可能性を損なっている現状を痛感しました。このままでは日本の中小製造業のみならず、日本製造業全体の競争力が大きく損なわれるという危機感を抱きました。
これらの経験を通じて、ハードウェアとソフトウェアを統合した革新的な技術の開発に取り組みこの課題を解決を目指すことを決意しました。製造業の大宗を占める多品種小ロットの現場において外観検査の自動化を実現することで、人材不足や品質不良といった課題を解決すると同時に、下請け中小企業が抱える構造的なジレンマを解消し、製造業全体の潜在力を最大限に引き出すことを目指しています。
私たちは、日本発の技術でグローバル市場に革新をもたらし、製造業に新たな価値を創造するだけでなく、新産業の創出を通じて日本経済の再活性化を目指します。失われた30年を取り戻し、日本が再び世界に輝く産業国家となるための一助となれるよう、全力で取り組んで参ります。
どうやっているのか
AI画像処理エッジデバイス
GPUプロセッサー
SonicAIは、AIとハードウェアを基軸に、検査と搬送の自動化を統合的に推進します。
① 教師なし学習ベースのAI画像処理
従来の「良品データのラベリング」や「ルール定義」を前提とした画像検査は、多品種対応に大きなコストと時間を要します。
当社では、教師なし学習(良品学習)を応用したAIモデルを用いることで、極少数の良品画像から製品ごとの特徴を自動で学習し、異常検知・欠陥抽出を高速かつ柔軟に実行できます。これにより、新規品種にも即時対応できる柔軟性を確保しつつ、検査工程の大部分を自動化しています。
② GPU搭載エッジデバイスによるリアルタイム処理
画像処理をクラウド依存にせず、工場内に設置可能なエッジデバイスにAIを搭載。
これにより、通信遅延のないリアルタイム推論を実現し、ミリ秒単位での判定・制御が求められる製造工程にも対応可能です。現場での素早いフィードバックやNG品排除、履歴記録が可能になり、ライン停止リスクの低減や品質安定化に貢献します。
③ 次世代搬送自動化:複雑・非連続な製造現場への挑戦
従来の自動搬送は、構造がシンプルで大量生産に最適化された現場(例:自動車や電子部品の組立ライン)で主に導入されてきました。しかし、多品種小ロット・非連続工程を特徴とする現場では、定型的な6軸アームやAGVでは対応が難しく、ほとんどの搬送工程が人手に依存してきました。
当社はこうした環境下での搬送自動化に向けて、ヒューマノイドロボットや次世代ロボティクス技術の活用にも取り組んでいきます。これにより、人間が行っていた複雑な物の受け渡しや、空間的に制約のある中での柔軟な動作が求められる工程においても、機械による再現が可能になります。
さらに私たちは、こうした搬送自動化技術と、AI画像検査による判定処理をシームレスに統合した「一体型アプリケーション」を提供します。
特に、下記のような動作を、単なる装置の寄せ集めではなく全体最適されたスマートファクトリー・モジュールとして提供することで、製造現場の課題の解決を目指しています。
・不良品を検出したらその場で自動で仕分け・排出
・工程間の搬送を、検査結果や生産状況に応じて柔軟に制御
・現場内の最適搬送動線を自律的に判断・更新