■SES業界で異例の営業規模
「東京だけで営業が30人いるんです」
代表の林が語るこの数字。確かに、SES業界でこの規模の営業体制を持つ企業は珍しいです。しかも、拠点ごとに分散しているのではなく、東京の営業30人全員が「ワンチーム」で動いている点が重要です。
大手企業の方が規模は大きいかもしれません。しかし、拠点が分かれ、部門が分かれると、持っている情報量はその範囲に限られてしまいます。
営業が多いということは、それだけ案件の情報量が多いということ。
「案件の数自体は相当多いので、エンジニアがうちでマッチする案件がないのなら、他のSES企業もほぼないと思います」
実際、どのタイミングでも「今ない」という状態は基本的にありません。案件の数は2,000〜3,000件と、膨大な案件を抱えています。毎日のように新しい案件が舞い込んでいるのが現状です。
■「営業主導」の仕組みを変えた
しかし、かつてはこの営業力が、別の問題を生んでいました。
「営業主導になりすぎないように」
林がこう語る背景には、組織の歴史があります。
元々は営業部とエンジニアの部署しかありませんでした。営業にはインセンティブもついていたため、数字を追いやすい構造です。
「営業担当は、自分の案件で決めたいと思うようになります。営業マンとして当然持っておくべき考えではあるのですが、その気持ちが強すぎると力関係が働いてしまいます」
例えば、他にどんなにいい案件があっても、役職のある営業の案件で決まってしまうなど、エンジニアのキャリアよりも、営業の都合が優先される。そんな状況が生まれていたのです。
林はこの状況を変えるため、大胆な改革を行いました。新たに別の部署“を作り、営業部単独の意見で決裁ができないような仕組みになりました。
それが「組織デザイン部」の誕生です。役割は、エンジニアのスキルアップの支援。営業が案件を持ってきても、最終的な決裁は組織デザイン部と林、そしてエンジニア本人を含めて行う。営業部から決裁権を剥がしたのです。
組織デザイン部の詳細はぜひこちらの記事をお読みください!
キャリアは点じゃなく線。組織デザイン部が設計する成長ルート | フューチャー・アンティークス株式会社
しかし、当然ハレーションがありました。
人が辞め、組織が崩壊していく。それでも林は方針を変えませんでした。
組織デザイン部は、技術面やエンジニアのキャリアのことを知っていなければならないので、技術者出身であるか、営業経験が長い人でないと難しい立ち位置です。そのため、技術部の部長・課長クラスに兼任してもらうこともあります。スピードを持って増やすのが難しい部署ですが、この存在が組織の要になっています。