働く場所や時間に制約があることで、本来やりたかった仕事をあきらめている人はいませんか? 培ってきたスキルや経験があるのに、生かしきれないのはもったいない。そんな思いから、cool-japan株式会社では柔軟な働き方で成果を出せるようにしています。
3人の子どもを育てながら、営業アシスタントとしてcool-japan経営陣を支える原景子もそんな1人。かつては「正社員として一般企業に戻れるとは思っていなかった」と振り返ります。
cool-japan入社後は「週4日・1日6時間の完全在宅勤務」で正社員として働き、アメリカの代理店とのやり取りや英語資料作成などを担当。営業アシスタントという枠に収まらず、「碧寿司(みどりすし)」を世界へ届けるための仕事を次々と引き受けているんです。
限られた時間で成果を出すために、原はどんな工夫をしているのか。仕事の可能性を広げ続けられる秘訣を聞きました。
(登場人物)
cool-japan株式会社 営業アシスタント 原 景子
大学卒業後にメーカー系の物流子会社へ入社し、海外向けの航空貨物手配業務に従事。10年間で二度の産休・育休と復帰を経験した。育児と仕事の両立に悩んだことから保育園へ転職し、保育士資格を取得。3人目の子どもを出産した後、cool-japan株式会社へ入社。現在は完全在宅・短時間勤務の営業アシスタントとしてcool-japanの経営陣を支える。
国際物流から保育士へ。子どもの成長に合わせて新しい挑戦を重ねる。
—原さんのこれまでのキャリアを教えてください。
大学卒業後、メーカー系の物流子会社に入社しました。配属されたのは海外向けの航空貨物を扱う部署です。荷主さんから届く貨物の量を見ながら、航空機にどれだけ載せられるかを調整したり、航空会社と金額を交渉したりしていました。
毎日の基本的な流れは決まっているものの、貨物の量や状況はその日によって違います。海外の現地担当者とは英語でやり取りしますし、思ったように話が通じないこともありました。振り返ると、相手の反応を見ながら状況に応じて動く力は、この仕事で鍛えられたのかもしれません。
この会社には、新卒で入社してから約10年間勤めました。その間に結婚し、2人の子どもを出産。二度の産休・育休取得と職場復帰も経験しました。
—子育てをしながらキャリアも継続していたんですね。
ただ、夕方遅くまで対応しなければいけない日もあり、当時はリモートワークという選択肢もありませんでした。2人目が生まれた後に、「このまま仕事と子育てを両立していくのは難しいかもしれない」と感じるようになったんです。
そこで、自宅の近くにあり、子どもたちも通っている保育園に「ここで働けませんか?」と尋ねてみました。すると、「いいですよ!」と二つ返事で受け入れてもらえて(笑)。
—国際物流から保育園へ! まったく違う世界に移ったんですね。
はい。当初は無資格でしたが、入職後に試験を受けて保育士資格を取り、保育業務や事務に携わりました。3人目の子どもの出産もはさんで、約7年間お世話になりましたね。
やがて子どもたちが大きくなっていくと、「学校から帰ってきたときに、家で顔を見られる働き方がいいな」と思うようになりました。特に一番上の子は高学年になり、いろいろと難しい年頃です。保育園は現場に人がいなければ成り立たない仕事なので、2026年3月に退職し、在宅でできる仕事を探し始めたんです。
当初は派遣社員やパートの働き方で、事務の仕事が見つかれば、というくらいの気持ちでした。
—そんなとき、cool-japanに出会ったと。
はい。同じ大学の後輩がcool-japanで働いていて、卒業生の集まるSNSページに「一緒に働く人を探しています」と投稿していたんです。「完全在宅勤務や時短勤務も可能、ブランクがあっても構わない」と書いてありました。
ただ、それ以上に私が興味をかき立てられたのは、「冷凍寿司を世界へ広める」という事業内容だったと思います。スタートアップで働いたことはありませんが、「よくわからないけど何だか面白そう」と心を惹かれ、投稿を見た翌日には「一度お話を聞いてみたいです!」と連絡しました。
こんな重要資料を作っていいの!? 想像以上に海外事業へ巻き込んでもらえた。
—現在の働き方について教えてください。
完全在宅、週4日・1日6時間の短時間勤務です。基本的には9時30分から16時30分まで仕事をしていますね。子どもが学校から帰ってきたときには自宅で声をかけてあげられますし、学校行事がある日は途中で1〜2時間抜け、その分だけ終業時間を後ろにずらすこともできます。
—営業アシスタントとして、どんな仕事を担当しているんですか?
一言で説明するのが難しいくらい、いろいろな仕事を振ってもらっています(笑)。
経営陣は毎週、アメリカの代理店とオンラインで打ち合わせをしています。私は勤務時間の関係でその場には参加できませんが、翌朝、AIが作成した議事録を確認してToDoリストを整理。そこから、代理店に確認が必要なことを直接メールで尋ねたり、決まった内容をもとに資料を作ったりしています。
会社案内や商品説明なども作りますが、マニュアルや決まったフォーマットはありません。以前の資料を参考にしながら、まずは自分なりに形にし、経営陣からフィードバックをもらって仕上げていくという進め方です。
—むしろ、原さんが作ったものが今後のフォーマットになるのかもしれませんね。
そうですね。まだ入社して日が浅いので、「そんな重要な資料まで任せてもらえるんだ」と驚くこともあります(笑)。
資料を作るだけでなく、アメリカの代理店へ送り、内容についてコミュニケーションする仕事も任せてもらっているんですよ。想像していた以上に、海外事業へ巻き込んでもらえていると感じます。
—物流会社を離れてからは英語を使う機会が減っていたと思いますが、不安はありませんでしたか?
ありましたね。以前は仕事で日々英語を使っていましたし、TOEICでもそれなりに高いスコアを取っていましたが、保育園で働いていた約7年間は英語からすっかり離れていたので。
ただ、英語を読んだり書いたり聞いたりすることは今も支障なくできます。現在の代理店とのやり取りはメールが中心なので、その点では過去の経験を思っていた以上に生かせているな、と感じます。
遠慮なく質問し、仕事の優先順位を考え「限られた時間で成果を出す」
—完全在宅勤務だと、社内コミュニケーションに苦労することもありそうです。実際はどうでしょうか?
「完全在宅でオンラインだからやり取りしづらい」と感じることは、ほとんどありません。私だけで判断できないことがあれば、いつでもSlackで経営陣に質問できます。皆さん本当に忙しいはずなんですが、質問すれば必ずリアクションを返してくれるんですよ。
それに、日常的な会話もフレンドリーで接しやすいです。私のことは「景子さん」とか、ニックネームの「ケイティ」と呼んでもらっていて(笑)、役職による壁も感じません。
テキストだけで話がまとまりにくいときにはオンラインミーティングを設定し、必要なメンバーがその場に集まって話します。私もミーティングに入れてもらい、事業について学びながら仕事を進めています。
—限られた勤務時間の中で仕事を終えるために、工夫していることはありますか?
私自身は、時間が来たらパタッと仕事を終えたいタイプなんです。新卒で入ったときのチームには「仕事を効率的に進めて定時に帰ろう」という文化があり、勤務時間中はぎゅっと集中して働く習慣が身についています。
ただcool-japanでは、依頼された仕事に期限が明記されていないこともたびたびあります。そんなときは、経営陣がSlackやメールで顧客とやり取りしている内容を見ながら、自分で優先順位を考えていますね。
急いだほうがよさそうだけど、その日の勤務時間内には終わらないと思ったら、「明日でも大丈夫ですか?」と自分から確認しています。今のところ、「無理をしてでも今日中に終わらせて」なんて言われたことはありません。
与えられた作業をこなすだけではなく、自分に何を求められているのかを考え、わからないことは聞き、仕事の優先順位も能動的に相談する。そうしたコミュニケーションがあるからこそ、この働き方でも成果を出せているのかな、と思います。
そうやって過ごしていると、気づけば「もうこんな時間?」と思うくらい、毎日あっという間です。短時間勤務でも程よい疲労感があって、「今日はよく働いたなぁ!」という実感を得られていますね。
自分自身に制限を設けず、少しずつレベルアップしていきたい
—仕事を通じて、原さんは冷凍寿司の事業にどんな可能性を感じていますか?
アメリカ向けの商品資料を作る中で、この事業には本当に大きな可能性があるんだと実感するようになりました。
アメリカの代理店から求められるのは、商品の大まかな概要だけではないんです。どのように下ごしらえをしているのか、どの酢を使っているのか、江戸前寿司にはどんな歴史があるのか…。そうした細部にわたる情報を知りたがっているんですよね。
それはつまり、日本人が美味しいと感じる本物の寿司が求められているということだと思います。独自の冷凍技術と特許を取得した解凍機構で日本の美味しさを伝えられる碧寿司は、これからますます世界に広がっていくんじゃないでしょうか。
—原さん自身は、これからどんなことに挑戦したいですか?
今はまだ入社したばかりなので、まずは目の前の仕事に食らいつきながら、たくさん知識を吸収したいと思っています。
ただ私は、ずっと同じ仕事をしていると飽きてしまう性分なので(笑)、会社の成長に合わせて新しい役割にもどんどん挑戦したいですね。
今後、子どもたちが成長して手が離れたら、働き方もまた変わるかもしれません。「景子さん、急なんですけど来週アメリカへ飛べますか?」なんて依頼されるようになったら、それもまた面白そう! 自分自身に制限を設けず、できることを増やして、少しずつレベルアップしていきたいです。
—最後に、この記事を読んでくれている人へメッセージをお願いします。
「冷凍寿司で日本の食文化を世界へ届ける」という挑戦に心が動いたなら、ぜひ話を聞きに来ていただきたいです。私自身も「なんだか面白そう!」という興味が出発点でしたから。
ただ、「完全在宅や短時間勤務で働けるから」という理由がメインだと、少しミスマッチ感を覚えてしまうかもしれません。cool-japanが柔軟な働き方を認めているのは、成果を出すために必要だからなんです。その認識を持って、自分のスキルをどのように生かし、成果につなげるかを考えることが大切なのだと思います。
決まったマニュアルや正解がない中で、自ら考えながら進むのが面白い。そんなふうに仕事を楽しめる人と一緒に働けたらうれしいですね。