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【代表インタビュー】「世の中は自分が思った通りにしかならない」外資系金融出身の代表が語る、未来のビジョンとは。『代表取締役/鈴木大輔』

 動物を幸せにする仕事がしたいと外資系金融会社を退職し、NPO法人と株式会社を立ち上げ、現在は、保護した動物たちと一緒に暮らすグループホームを運営。その売上の一部を動物愛護の活動に活用するという、循環型ビジネスを行なっている鈴木代表。今までに猫18匹と犬1匹を保護。なぜ、動物保護なのか、また、福祉業界に目を向けたのか、今後の展望について伺いました。

  • 株式会社R-Create 代表取締役/ NPO法人SMILE ANIMALS代表
  • 1978年3月20日生まれ。東京都出身
  • 趣味 ゴルフ、サウナ
鈴木 大輔's Wantedly Profile
株式会社R-Create, 代表取締役 1978年生まれ。高校卒業後、渡米。帰国後、ベンチャー企業を経て、外資系金融機関にて約11年間営業と営業所長として採用及び育成を行う。母の介護やコロナの影響もあり、"世界から不幸をなくす仕事がしたい"という想いから、独立を考える。2021年に株式会社R-Createと、動物愛護団体のNPO法人SMILE ...
https://www.wantedly.com/id/daisuke_suzuki_bs

Q.鈴木さんが動物保護を行うきっかけや、背景を教えてもらえますか?

 2010年の震災の後、多くの動物たちが飼い主と離れ離れになり保護されてると聞き、千葉県の保護施設にボランティアに行ったのがきっかけです。その時、震災で保護された動物たち以外にも多くの動物たちが保護されている現状に衝撃を覚え、寄付などの支援をスタートさせました。保護団体は基本的に人や企業の善意で運営しているんです。なので、もし仮に1円も寄付が集まらなくなったら動物たちはどうなってしまうんだろうか?と考えるようになりました。だったら、動物たちがお金のことを気にせず生活できる場所を作るべきだと。


Q.その後、外資系金融会社を辞めて起業されます。なぜ、グループホーム事業を選んだのでしょうか?

 寄付に頼らない保護活動を成立させるには、ビジネスは必要不可欠です。株式会社を併設することで、新しいビジネスモデルを作ろうと考えました。ちょうどその時、私の母が介護状態となり「動物を飼いたい」と口癖のように言うようになりました。そこで、介護施設と動物の保護施設を併設すれば、母のような人たちの心の支えになるのではないか?と考えたのが、グループホームを作ろうと考えたきっかけでした。


Q.実際、異業種に飛び込んでいく上で、ご苦労された点はどんなことでしょうか?

 前職の金融会社では、営業、採用、チームメンバーのマネジメントなど、ありとあらゆるビジネスの基礎を身につけさせてもらいました。しかし、今までの業界とは異なり、福祉業界は全くの未経験。独立した当時は特に資金面で苦労しました。前職時代の貯金は全て会社に注ぎ込み、銀行とのつながりで少額の融資も受けましたが、ほとんどを自己資金でまかなっていたので、少しでもお金を節約するために、SNSで不要になった電化製品を募集し、後輩たちにお願いをし、庭の目隠しをYoutubeを見ながら自作するなど、創意工夫を凝らして資金の節約に努めました。

 利用者募集の営業活動では、業界未経験者が立ち上げる施設ということで、利用者様やそのご家族から若干の警戒心を持たれる場面もありました。しかし、私は前職で培った営業スキルと、業界経験者である社員さんのサポートのおかげで、多くの利用者様に入居を決めていただくことができました。また、途中から前職の後輩がジョインしてくれたので、営業面を任せることができ、私はバックオフィスに専念することができました。



Q.オープンから3年目を迎え、利用者さんの反応はいかがですか?

 入居者の方々からは「食事が美味しい」「ホームが居心地がいい」といった声をいただいています。また、卒業した利用者の方々がホームに遊びに来るほど気に入っていただいています。
 
 私たちは多くのグループホームで恒常的に良いとされていることも、実は障がい者の方のためになっていないことがあるのではないかと思い、今までの”当たり前”にとらわれないグループホーム運営をすることを心がけています。SMILE HOUSEでは「自立」をテーマに、利用者の方々が自分らしく暮らせる環境を整えることを重視しています。そのため、厳しいルールは設けず、外泊も事前に許可を取ればすることができます。また、食事も地域の食材や季節の食材を活かしたメニューを提供しています。


Q.動物保護活動をボランティアに留めず、ビジネスとして成り立たせ、さらにそれを継続させるにはどんなことが必要なのでしょうか。

 日本のNPO法人や保護団体は、助成金や寄付で成り立っている団体が多く、大義名分があれば継続は可能かもしれません。ですが、ただお金や物資を団体に提供し続けるやり方に違和感を感じています。動物たちを保護する場所に雇用を生み出すにはどうしたらいいか?そこで選んだのが「動物」+「障がい者」のグループホームでした。

 根本的な解決には、ペット産業自体の改革が必要となります。ですが、今、目の前にいるいのちを救うことが最優先課題だと思っています。そのためには、悲惨な動物たちの現状を全面に押し出し、感情に訴えるやり方ではなく、動物に関心がない人でも、私たちの行うビジネスを好きになってもらい、気に入ってもらい、応援してもらい「数字を作る」ことが大事だと思います。数字を作ることで、雇用を生むこともできますし、より多くの動物を助けることもできるからです。


Q.今、計画されていることはありますか?

 将来的には、”スマイルファーム”の建設を考えています。大きい土地に、牧場、農地、グループホーム、動物の保護施設などを建設し、まずはグループホームの食事を自給自足することを目指します。将来的には、加工工場を建設し国内に販売をしていく。障がい者の雇用や周辺地域の方の雇用を生み出し、しっかりとビジネス化していくことを目指し、動物の保護施設の運営を安定させていきたいです。


Q.最後に一言お願いします。

 私は、「人を幸せにして、社会に貢献できる仕事はなにか」を常に考えています。例えば、花屋さんのように、花を贈ることで人々の心を温め、コミュニケーションを活発にするような仕事です。花屋さんは、花を売る人、花を買った人、受け取った人の3者が幸せになれる仕事だと思います。花を売る人は、花のいい香りに囲まれて、仕事が楽しくなります。花を買った人は、渡す相手を思い浮かべて、ワクワクドキドキします。受け取った人は、花をもらって、自然と笑顔になります。

 緻密なプランがあるんですか?と聞かれることもありますが、感情で動いてるだけなんです。
ワクワクするか、そうでないか。ワクワクするならどんなことにも挑戦してみたいんです。みんなにそんなのうまくいかないと言われても、絶対にうまくいくと自分を信じて行動するだけです。だって、世の中はほとんどがうまくいかないことだらけだから、自分が思った通りにしかならないんですよ。

 今後も、いい意味で期待を裏切った事業を行なっていきたいと考えています。


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