なにをやっているのか
正面玄関
施設内
私たちは、児童福祉法第41条・第一種社会福祉事業に基づく児童養護施設として、こどもたちの生活と自立を支援しています。
▪️こどもたちの「人生の伴走者」として
当園には、さまざまな事情で家族と暮らせない2歳以上のこどもたち約40名が生活しています。その多くは家庭など望ましくない環境で育ってきた背景があります。私たちは、単に生活を保障するだけでなく、「ご飯を食べられる」「笑顔で過ごせる」といった1人の人間として愛され尊重される「当たり前」の生活を提供することを大切にしています。
▪️歴史と自然に育まれた「安心の生活環境」
当園は1945年の事業開始以来、約80年にわたる歴史を持ち、戦後の戦災孤児や貧困家庭の児童を保護してきた経緯があります。
歴史ある国立公園内にあり、前方には大文字山、後方には噴煙が立ちのぼる早雲山を控える自然豊かな環境です。全国的にも珍しく、大涌谷から温泉を引き、こどもたちの健康増進に役立てています。
この自然豊かな立地は、外部の余計な刺激から遮断された環境の中でこどもたちがゆっくりと育ち直す「外的刺激遮断法」という生活支援の考え方に基づいており、こどもたちの安心と安全に繋がっています。
▪️地域社会との連携による未来への準備
箱根という土地柄、近隣にはホテルや旅館といった就職先やアルバイト先が多数あり、退所後も希望すれば就職の斡旋や支援が可能です。
また、こどもたちが通う地域の幼稚園や小中学校は少人数制であり、個別の能力や特性に応じた丁寧な支援を受けられる環境にあります。
地域との強い繋がりが、自治会や近隣のホテル・旅館などの支援の輪としてすでに広がっています。
▪️未来に向けた組織の変革期
当園は、昭和44年に建てられた施設の老朽化に伴い、こどもたちが生活しやすい環境への施設整備(建て替え)を計画しています。
こどもたちの生活支援の質を向上させるため、組織全体で成長の道筋を一緒に描きましょう!
なぜやるのか
▪️施設は「こどもたちの幸せ」を最優先に考えます。
当園は、戦時中の戦災孤児を保護した白百合園孤児院にルーツを持ち、その使命は80年にわたって受け継がれてきました。
現在、核家族化が進み、地域から孤立して子育てをせざるを得ない家庭が増加しています。その結果、サポートを得にくい環境から、様々な事情を抱えるこどもたちが施設の生活支援を必要としています。
この状況に対して、私たちは単なる「居場所」の提供に留まりません。
私たちは、こどもたちの生活支援を通じて、彼らが社会へ巣立つための土台作りを使命としています。最終目標は、こどもたちが巣立った後も「もうひとつの実家」として安心して帰ってこれる故郷を提供すること。こどもたち1人ひとりの人生に深く関わり、その成長に寄り添うことです。この使命に共感し、一緒に組織の未来を創る仲間を求めています。
どうやっているのか
▪️こどもと職員が孤立しないチームアプローチ
私たちの組織構造は、こどもたちの生活支援を最優先に設計されています。施設長をトップに、経営部門責任者(事務長)と支援部門責任者(主任)が連携し、さらにはリーダー、サブリーダーがそれぞれの役割を果たしています。
こどもを育てる寮は3つ(混成寮・学童寮(男子)・学童寮(女子))あり、各寮に保育士や児童指導員が配属され、集団生活支援の利点を生かしたチームアプローチを特徴としています。
新しい施設のような個室中心ではなく、中舎制を維持することで、職員同士が常に声をかけ合い、何かあればすぐにヘルプを出し合える環境があり、職員もこどもも孤立しないという強みがあります。
▪️風通しが良く、目的のもと上下関係なく話し合える組織
当園の組織文化は、“こどもたちの幸せ”という共通の目的に基づき、「上下関係なく話し合える環境」であることを目指しています。
定期的な会議:部署ごとの月1回の会議に加え、施設全体での職員会議も月1回実施し、施設としての決まり事や全体共有事項を話し合います。
毎朝の朝礼:毎朝の連絡会(朝礼)では、その日の勤務調整だけでなく、こどもの「かわいい話」などの情報共有もおこなわれ、部署や年齢層を超えたざっくばらんなコミュニケーションの場となっています。
専門職倫理の徹底:毎月、全職員が「人権擁護のためのセルフチェック」を実施。自身の言葉遣いや態度を内省し、継続的な質の向上を図っています。
▪️キャリアを支える充実した制度と環境
公的機関としての安定性を基盤とし、職員が安心して長く勤められる制度が整っています。
・休暇:公休は週2日で、業界としては珍しく連休が取得できるよう配慮しています。有給休暇を活用した連休取得も可能です。
・宿直:他施設では月7~8回が一般的ですが、当園は月4回程度と少なく抑えられています。
・資格支援:社会的養護分野でのキャリアアップに必要な保育士や社会福祉士、社会福祉法人会計の資格取得に向けた資金補助を、法人と施設独自でおこなっています。
・バックアップ:法人内に産業医、社労士、弁護士がおり、あらゆる分野の相談に乗ってもらえるバックアップ体制があります。
▪️デジタルの活用と教育の連携
最新のチャットツール(ChatWork)や情報管理ツール(kintone)を活用し、デジタル化を推進しています。また、施設内研修のほか、神奈川県の児童福祉施設同士の研修やサークル活動など、施設外での学びの機会も充実しています。