EDやAGA、ピル処方や心療内科など、さまざまなお悩みのオンライン診療サービス「Oops(ウープス)」を運営する株式会社SQUIZ。2025年4月15日の“よいこ(415)の日”に、妊娠・出産期の大変ごとを伴走型でサポートしてくれるサービス「SUNME」(サンミー)がリリースされました。ブランドに込めた思いや、これからについて。立ち上げから現在までブランドに携わる3名に話を伺いました。
小川友菜:「SUNME」ブランドマネージャー。オンラインピル処方サービス「Oops WOMB」のブランド立ち上げから携わる。顧客対応の他、SUNMEやOopsの福利厚生を導入している企業様への周知・浸透サポートも担当。自身も2025年に妊娠・出産を経験。
川畑菜々子:SQUIZのカスタマーサクセスチームとして勤務。「SUNME」の顧客対応から、企業様への提案営業活動まで幅広く携わっている。
橘勇輔:「SUNME」の顧客体験やプライシングなどのサービス設計を担当。SQUIZ初の企業向けサービス提供に際し、福利厚生の商品化設計も行う。8歳と4歳の2児の父。
妊娠・出産の社会課題を鮮やかに解決する、SUNME
ー改めて「SUNME」のサービス概要を教えてください。
小川:SUNMEは、妊娠から出産までの「大変ごと」をサポートするサービスです。主に自治体の助成金の申請・手続きのリサーチや問い合わせ、書類手配の代行、LINEでの体調相談などを行っています。お客様一人ひとりに専門のサポーターがついて、その方の状況に合わせてパーソナライズした伴走をするサービスです。
川畑:サポートスタッフには助産師や看護師、保育士、社労士、税理士といった専門資格を持つ人もいるので安心です。助成金の申請・手続き関連のタスク処理に関しては、実際に私や小川も行っています。
橘:SUNMEはサポート範囲がとても広いことが特徴です。例えば、川畑はマタニティヨガのインストラクター資格を取得しているので、ヨガを通じた健康面でのサポートも行っています。単なる手続き支援だけでなく、その先の安らぎや安心感を大切にするために専門家のバリエーションも増やしています。
また、SUNMEは企業様向けの福利厚生としての導入も進めています。企業様としては社員さまのライフイベントを応援・サポートしたい、育休取得率を上げたい、産後の社員さまの早期復帰をサポートしたいなどニーズも様々です。たとえば、産後のサポートとして保活支援(保育園の情報収集や問い合わせ代行)なども行っています。お客様の相談に応じて情報を調べ、まとめてお伝えしています。
ーどういった経緯で生まれたのでしょうか?
小川:「Oops WOMB」ではオンラインでのピル処方を行っているのですが、妊娠・出産というライフイベントを迎えるために、ピルをやめる方ががたくさんいらっしゃいます。そこで、「妊娠・出産で私たちが解決できる課題はないか?」と考えたところから始まりました。
いろいろ調べるなかで課題として見つけたのが、妊娠・出産を迎えるにあたっての国の助成金申請や手続き、産院探しです。それらの手続きは非常に面倒なこともあり、知らずに損してしまう人もいることを知りました。しかも妊娠中は体調も不安定で、自治体への問い合わせなどにハードルも感じます。そういった負担を減らせれば、妊娠中に時間と心のゆとりを創出できるのではないかと思い、ブランドをつくりました。
ーOopsブランドはこれまで医療系のサービスが中心でした。SUNMEでは医療以外もカバーしている理由は?
小川:「医療ではない分野にあえて手を出した」というよりは、現在 Oopsを利用されているお客様が次に迎える妊娠・出産というライフイベントに目を向けたところ、たまたま医療ではないが見つかったという感じです。
オンライン診療から始まったOopsですが、SQUIZにはそれに限らず世の中にある課題をクリエイティビティで鮮やかに解決していこうという思想があります。その文化が顕著に現れているのがSUNMEです。新しい視点で課題を見つめ、ソリューションを提供するという新たなアプローチをしました。これからも社会の課題に向き合い、それを解決できる会社でありたいと思っています。
エンドベネフィットが伝わるクリエイティブを大切に
ーSUNMEはクリエイティブもとても素敵です。
小川:ありがとうございます。SUNMEでは、ピースフルでハッピーな雰囲気を大切にしています。名前も、太陽(SUN)が自分(ME)を照らす、という意味を込めていて、温かい安心感をクリエイティブで表現しています。
私たちがやることは、妊婦さんやご家族のいわば、”タスク”を代行することです。ただし、大切にしているのはエンドべネフィットの部分。大変ごとを巻き取った結果、時間と心にゆとりができて、家族や自分に向き合う時間を大切にできたり、仕事を続けられたりする。その点が伝わるクリエイティブにこだわりました。
裏話としては、ブランドの構想段階でつけていた仮称が「マムズコンシェルジュ」で。要は、ママの秘書のような存在という意味です。たしかにわかりやすいけど、ただやることを言っているだけ。「時間と心のゆとりを作ってピースフルに過ごしてほしい」ということが伝わるよう、一個昇華した名称にしたことで、よりブランドらしさが生まれたのではないかと感じています。
単に「このサービスを使うと悩みが消える」ということだけではなく、ライフスタイルの一部としてSUNMEを使ってほしい。これはOopsブランド全体に共通している世界観ですね。
川畑:出生届と申請書類を入れるファイルも、SUNMEオリジナルデザインのものがあるんですよ。
小川:自分の出産でもこの出生届を使ったのですが、産院の先生からも「明るくて良いね」って好評でした。そう思ってもらえることって、とても大事だと思っていて。
良いアイデアがあってもビジュアルイメージや言葉で伝わらないと意味がない。「伝わる」ことにこだわる姿勢は、SQUIZならではの強みかもしれません。
橘:SUNMEのキャッチコピーは「大変で、たまらないのに。大切で、たまらない。」です。ここに至るまでは結構紆余曲折があったのですが、感動したり心が温かくなったりするようなメッセージが伝わるブランドにしたい、という軸ができて生まれたコピーです。実際、企業様に提案した際、先方の担当の方がコピーを見て目に涙を浮かべる場面もありまして、私たちの思いが伝わったのだなと、感じました。
妊婦さん、パートナー、企業。SUNMEがもたらす時間と心の余裕
ーどういった方の利用が多いのでしょうか?
川畑:共働きで、平日の日中に役所などに行くことが難しい方が多いです。自分で手続きをする時間がない方々にご利用いただいています。
橘:企業様だと、「人」が資産である職種が多いですね。例えば広告代理店や、現場仕事や工場勤務の方が多い企業様です。
川畑:妊娠・出産は、妊婦さんだけの課題ではありません。パートナーやご家族の方も一緒に安心して温かい時間を過ごしてほしいと、私たちは思っています。なので企業様に提案する際は、サービス利用対象者は妊婦さんだけでなく、そのパートナーまで含まれるということはお伝えしています。
橘:それでいうと私も思い当たる節がありまして…。リリース前に妻にもユーザーインタビューを行いました。「このようなサービスがあったらどうですか?」という問いに、「とても助かります。旦那は何もやってくれなかったので」と言われてしまい…。恥ずかしながら、当時の自分は、妊娠・出産に関する手続きがパートナーである自分の役割だという意識すらなくて、何をすべきかも知らなかったのです。サービスをローンチするまでに「こんなに大変なことをやってくれていたんだ」と初めて知ることも多くて。ぜひ男性にもこういった情報を知ってもらいたいという気持ちになりました。
ー利用者様からのフィードバックで印象的だったものは?
小川:「丁寧に対応していただき、本当に感動しました」というお声をいただきました。また、「SUNMEが必要なタイミングで全部連絡してくださるので、自分で調べていなくて、すみません」と言っていただいたこともあって(笑)。これは私たちが目指していること、そのものだなと!SUNMEに安心して任せることで、利用者様に時間的・精神的なゆとりを持っていただけるのが理想です。
また、SUNMEを知った方から、私のInstagramにDMが届いたこともありました。「将来子どもを持つことにぼんやりと不安があって前向きになれなかった。でも、SUNMEのサイトをみてちょっと前向きになれました」という言葉をいただいたんです。まさにこういうことがやりたかったんだ!と思えた瞬間でした。
もちろん、子どもを持つこと=幸せということではないですが、子どもを望む方が感じる不安や負担を、私たちのサービスが少しでも軽くしてあげる存在になれたらなと思っています。
ー企業様からのフィードバックにはどのようなものがありますか?
橘:企業様がSUNMEを導入する理由としては、女性活躍や女性の待遇改善、ひいては女性の採用強化を目指している点が挙げられます。たとえば、生理休暇制度などは一般的になってきましたが、実際には取得しづらいという声もある中で、SUNMEを福利厚生として導入することで「社員の生活を本気で考えている会社だ」というメッセージを伝えられると評価いただいています。
小川:企業様に導入いただいた場合、私たちは労務担当者と連携して対応しています。これまで労務担当者が細かくケアできなかった部分をSUNMEが対応することで、「会社への信頼にもつながっている」と言っていただいたこともあります。労務担当者の負担が増えることなく、社員に「会社がライフイベントを応援している」という印象を与えられたのは、当初想定していなかった効果です。
SUNMEで、自分が頑張りたいことを諦めなくて良い社会に
ー今後のSUNMEについて、どのような展開を考えていますか?
小川:まだまだ進化する余地がたくさんあると思っています。企業様との連携では、労務担当者との連携を強化し、社員の方により安心してご利用していただける環境を整えたいと思っています。また、より良いお客様の体験を提供できるように、例えばベビー用品ブランドなどとコラボレーションなども構想にはあります。
橘:私も小川と同じ考えです。さらに将来的には子育て支援なども視野に入れ、共働き家庭の課題にも対応していきたいと考えています。
ーSUNMEを通して実現したい未来はどのようなものですか?
橘:当社は「心やからだの悩みが人の可能性を狭めない世界を作る」というミッションを掲げています。世の中には、妊娠や子育てといったライフイベントで、仕事を諦めざるを得なかったり、可能性を狭めざるを得なかったりする方がたくさんいると思います。そこを解消してもっとフラットな世の中にしていきたいです。
そのためにSUNMEでまずは妊娠期や子育て期のサポートを通じて、自分が頑張りたいことに対して頑張れる社会を作っていきたいと考えています。