教育学部出身でありながら証券会社へ入社し、その後はHR Tech企業で組織づくりやマネジメントに携わる。さらに独立を経験した後、現在はミエタで学校向け事業の営業として第一線で活躍する南野さん。
一見すると異色にも見えるキャリアですが、その根底には一貫して「人の成長に関わりたい」という強い思いがあります。
穏やかで温かい人柄が印象的な南野さんですが、仕事やキャリアを語る表情には強い意志が宿ります。これまでの選択の根底には、常に「自分に嘘をつかない」という信念がありました。
今回は、証券会社時代の経験や独立を経て、なぜ教育の世界にたどり着いたのか。そのキャリア観や仕事への価値観について伺います。
■キャリアのスタート地点は、教育ではなく金融だった
ー南野さんは教育学部のご出身ですよね。やはり昔から学校の先生を目指されていたのでしょうか?
南野:実は、当時は『どうしても学校の先生になりたい』という強い思いがあったわけではありませんでした。
教育学部を志したきっかけは、高校時代に打ち込んだ弓道です。私が所属していたのは、何十年も連続でインターハイに出場している強豪校でした。そこで先輩方から熱心な指導を受け、自分自身も全国大会に出場することができました。
その後は私自身が後輩を指導する立場となり、人に教えることや成長を支えることの面白さを実感しました。教育に興味を持った原点は、この弓道部での経験だったと思います。
また、当時大変お世話になった主将の先輩が関西学院大学の教育学部へ進学されたこともあり、『自分も同じ環境で学びたい』と思い、進学を決めました。
大学時代はアルバイトで責任者を任される機会もありました。その経験を通じて、『人の成長を支えることは、学校の先生という職業だけでなく、さまざまな仕事で実現できるのではないか』と考えるようになりました。
そうした思いから、新卒での就職先として選んだのは教育業界ではなく、証券会社でした。
ーー教育学部から証券会社への進路は、大きな変化ですね。何が決め手だったのですか?
南野:率直に言うと、『お金』と『経営』への興味が強かったからです。
実家が会社を経営していたのですが、私が学生の頃に経営が苦しい時期があり、お金の大切さや経営の難しさを身近で感じていました。その経験から、『お金について深く学びたい』『将来は経営者と対等に話せる力を身につけたい』という思いが強くあったんです。
また、当時話題になっていたドラマ『半沢直樹』に影響を受けたこともあり、金融業界への憧れもありました。そうした背景から、証券会社への入社を決めました。
ーーなるほど、ご自身の背景からくる思いだったのですね。ただ、当時の証券会社といえば、かなり過酷な環境だったのではないでしょうか。
南野:はい。今振り返っても、本当に厳しい環境でした。
毎朝のラジオ体操や社訓唱和から始まり、1日400件近い電話営業を行う。まさに“THE・昭和”という言葉が当てはまるような職場でしたね。
精神的にも体力的にも決して楽ではありませんでしたが、『自分で決めたところまではやり切る』という思いで走り続け、結果として6年間勤めることができました。
一方で、私が本来やりたかった『人に教え、育てる仕事』については、厳しい環境の中で仲間が次々と離職していき、思うように実現できませんでした。
だからこそ、次は人材育成やマネジメントにより深く関われる環境に挑戦したいと考え、転職を決意しました。
■月300時間労働の果てに過労で入院。それがミエタにジョインするきっかけに。
ーーそこからベンチャー企業に転職され、年間MVPの獲得や40名の組織マネジメント、さらには独立まで経験されます。20代は本当に濃いキャリアですね。
南野:振り返ると、本当にがむしゃらな20代だったと思います。
証券会社で働く中で、『人を育てる仕事がしたい』という思いが強くなり、次のキャリアではベンチャー企業を選びました。
大手企業という選択肢もありましたが、当時の私は一日でも早くマネジメントに挑戦したいと考えていました。そのため、若いうちから裁量を持てる環境を求めてベンチャー企業への転職を決めたんです。
入社後は採用や育成、組織づくりまで幅広く任せていただき、自分がやりたかった仕事に思い切り向き合うことができました。年間MVPを獲得したり、40名規模の組織マネジメントを経験したりと、とても充実した時間でしたね。
その後、『自分が世の中に提供できる価値は営業力にある』と考えるようになり、営業代行会社を立ち上げました。
もともと営業、特にインサイドセールスには自信がありましたし、これまで培った経験を活かせば事業として成立させられるという手応えもありました。また、以前から漠然と『いつかは経営者になりたい』という思いも持っていました。
実際に事業は順調に進んでいたのですが、気がつけば月300時間近く働く生活になっており、ある日、過労で入院してしまったんです。
ーー月300時間……。身体が限界を迎えてしまったのですね。
南野:そうですね。入院してベッドの上で過ごしているときに、『この働き方は長く続けられないな』と初めて実感しました。
それまでの私は、とにかく前へ進むことだけを考えていて、立ち止まって自分の働き方や人生について考える余裕がありませんでした。でも、その経験をきっかけに、『自分は何のために働いているのか』『これからどんな人生を送りたいのか』を改めて考えるようになったんです。
また、お金に対する価値観も大きく変わりました。
それまでは『もっと売上を伸ばしたい』『もっと稼ぎたい』という気持ちが強かったのですが、実際に事業を経験する中で、自分が満足して生活できる水準も見えてきました。
もちろんお金は大切ですが、それ以上に健康や家族との時間、自分らしく働けることの価値に気づいたんです。この経験が、その後のキャリアを考える大きな転機になりました。
ーーその経験を経て、ミエタとの出会いはどのようなものだったのでしょうか?
南野:ちょうど働き方や今後のキャリアを見直していたタイミングで、代表の村松さんから『いつでもおいでよ』と声をかけていただいたんです。
最初は業務委託として、私立学校向けの新規開拓や商談支援から関わり始めました。
ただ、実際に現場に入ってみると、単に営業支援をするだけではなく、教育現場の課題解決に本気で向き合う会社だということが分かってきました。
私はもともと高校時代の弓道部での経験をきっかけに、人の成長や教育に関心を持っていました。そうした原点とも重なる部分が多く、『この事業にもっと深く関わりたい』と思うようになったんです。
気づけば業務委託という立場を超えて、正式にジョインすることを決めていました。
■営業として培った力を、教育の現場へ
ーー南野さんが仕事をする上で、大切にしている価値観を教えてください。
南野:私は、『まず身近な人を幸せにすること』が大切だと考えています。
世の中には最初から社会課題の解決を志して働く人もいますし、それは素晴らしいことだと思います。ただ、私自身はまず一人のビジネスパーソンとして自立し、家族や身近な人を支えられる存在になることが先だと思っているんです。そして、その土台があって初めて、より大きな社会や未来に貢献できるのではないかと考えています。
また、社会に大きなインパクトを与えるためには、個人の力だけでなく、組織の力が必要だとも感じています。
振り返ると、20代はビジネスパーソンとしての基礎体力を身につける期間でした。証券会社やベンチャー企業での経験を通じて、多くの失敗や挑戦を重ねながら、自分なりの知識や経験を積み上げてきたと思います。
そして30代になった今は、その経験を自分のためだけに使うのではなく、教育やこどもたちの未来といった、より大きな価値につなげていきたいと考えています。
そういう意味で、ミエタの事業は自分の価値観と非常に重なる部分が多いですね。
ーー南野さんは、ミエタの仕事のどんなところに魅力を感じていますか?
南野:この仕事の一番の魅力は、自分がこれまで培ってきた営業力や組織づくりの経験が、そのまま社会的な価値につながることですね。
私は、日本がこれからも成長していくためには、未来を担うこどもたちへの教育が非常に重要だと思っています。
ミエタが学校現場で提供している探究学習は、こどもたちが自分の興味や可能性に向き合い、自分らしい生き方を見つける力を育む取り組みです。これからの時代に必要な学びだと感じています。
そして私たちの仕事は、単に教材を販売することではありません。学校の先生方と信頼関係を築きながら、教育現場の課題に向き合い、より良い学びを一緒につくっていくパートナーとして関わることです。
だからこそ、自分たちが成果を出すことが、より多くの学校やこどもたちに価値を届けることにつながる。
営業として数字を追うことと、社会に貢献することが無理なく結びついている。その点に大きなやりがいを感じています。
■20代は仕事に全力。30代は人生にも全力。
ーー20代の頃と比べて、ミエタで働く今のご自身に変化を感じることはありますか?
南野:かなり変わったと思います。
20代はとにかく仕事中心の生活でした。新卒で入社してから独立するまで、常に仕事のことを考えていて、プライベートとの境界線もほとんどなかったですね。
もちろん、その時期があったからこそ今の自分があると思っています。ただ、入院を経験したこともあり、30代になってからは仕事だけでなく、自分の時間や家族との時間も大切にしたいと思うようになりました。
最近では、盆栽を始めたんですよ。
冬にはつぼみだった桜の盆栽が、春になると少しずつ花を咲かせる。その変化を眺める時間が意外と楽しくて。気づけば高松の盆栽オークションにまで行っていました。
20代の頃の自分なら考えられなかったと思いますね。
以前は常に『次は何を達成するか』ばかり考えていましたが、今は目の前の時間や日々の変化を楽しめるようになった気がします。
ーー盆栽以外にも、最近夢中になっていることはありますか?
南野:実は最近、草野球チームにも入ったんです。
昔から野球をやってみたいと思っていたのですが、なかなか機会がなくて。思い切って始めてみたら想像以上に楽しくて、初めてホームランも打てました(笑)
そうなると次の目標が欲しくなるもので、今はピッチャーとして三振を取ることを目標にしています。個人でコーチもつけて練習しているんですよ。
ーーかなり本格的ですね(笑)
南野:そうかもしれません(笑)
ただ、仕事でこどもたちに『好きなことを見つけよう』『まずはやってみよう』と伝えている以上、自分自身も新しいことに挑戦し続けたいと思っています。
最近は、仕事以外でも純粋に夢中になれることを楽しむようになりましたね。
ーー最後にどんな人と一緒に働きたいか、メッセージをお願いします。
南野:営業経験の有無よりも、『教育を通じてこどもたちの未来に貢献したい』という想いを持っている方と一緒に働きたいですね。
もちろん営業という仕事なので、成果に向き合う姿勢は大切です。ただ、最初から高いスキルや経験を持っている必要はないと思っています。
なぜなら、私自身がこれまでのキャリアの中で積み上げてきた営業や組織づくりのノウハウを、次の世代にしっかり伝えていきたいと考えているからです。
20代の私は、先輩や上司に育ててもらいながら必死に走ってきました。なので、今度は自分が誰かの成長を支える側になりたいと思っています。だからこそ、『成長したい』『挑戦したい』『教育に関わりたい』という気持ちがある方であれば、ぜひ一緒に働きたいですね。
私たちが届けているのは、単なるサービスではありません。こどもたちが自分らしい未来を見つけるための学びです。その価値を、一緒に全国へ広げていけたら嬉しいです。