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25歳までに一生極めていく仕事を見つけるー。高校時代に諦めた「福祉」の世界に戻って始めた新たな挑戦

人に大きな影響を与えられる存在への憧れ。ダウン症の叔母の存在

「すべてが上手く行き過ぎていたんです。だから、辞める思考もなかった。だけど、一生の仕事にするという決断もできませんでした」

前職の営業時代のことをそう話してくれたのは、CLOVERに来て3年目になるデイサービスキャストの松川さん。ずば抜けた明るさが本当に魅力で、仕事のオンオフ関係なくいつも変わらず笑顔。(友人たちからは「ポジティブモンスター」と言われているらしい)

彼女は高校卒業後、アパレル店員、飲食店スタッフ・店長、クレープの移動販売、求人広告の営業職と、様々な仕事を渡り歩いてきたオモシロ経歴の持ち主。異業種からの介護未経験入社が6割のCLOVER。その中でも一際、様々な経験をしてきたキャストの一人だ。※下記写真は、飲食店スタッフ時代



そんな彼女がCLOVERに加わったのは、25歳の時。当時、福祉業界は未経験、資格もなし。でも実は高校時代は福祉科に通っていて、小学生の頃からずっと福祉の仕事に就くことを夢見てきたそう。

「福祉という場に初めて触れたのは、小学校3年生くらいの頃です。ダウン症だった叔母が行っている作業所によくお手伝いに行くようになったのがキッカケです。当時人見知りだった私は、自分から人に話しかけるということが全然できなくて。

でも作業所に来ている方たちが、みんな気さくに自分に興味を持って駆け寄ってきてくれるんです。難しいこと抜きに、純粋な気持ちで『仲良くなりたい』と思ってくれていることが伝わってきて、それが嬉しかったんですよね。

そのおかげで、自分から人に興味を持てるようになって」 

今の彼女からは想像もできないような人見知りだった幼少期。「人好き」になった背景には、そうやって人に囲まれて過ごしてきたことが大きかったそうで。同時に、福祉の道を志すキッカケもここで得る。

「ずっと特別支援学校の先生になりたいと思っていました。それまでは、叔母のことを障害者として見たことがなかったんです。作業所に行くようになってからも、『なんかちょっとみんなと違うんだ』と認識し始めたくらいで。

でも、叔母自身は違ったんですよね。

知らない人に遠慮したり、『なんか違う』と言われて傷つく叔母を見て、そんなことで傷ついて欲しくないと思っていました。『違くないよ、みんなと一緒だよ』と堂々と言えて、周りの目を気にせず楽しいことができたり、チャレンジできる気持ちが持てたらいいのにって。

叔母も、本当はもっとやりたくて我慢してきたことがたくさんあったんじゃないかな」

「でも、そういうメンタルを作るには、もっと幼少期からの環境がすごく大事だと思うんです。

何か嫌なことをされた時に自分を助けられる術や、課題を解決できる力を教えてあげられる、考え方を前向きにしてあげられる、そういう大きな影響を子どもに与えられる存在にずっと憧れていました。小学生の頃って、自分に大きな影響を与えてくれる身近な存在って、親以外には『学校の先生』くらいじゃないですか?

じゃあ、障害を持った子どもたちに関われる特別支援学校の先生を目指そうって思うようになりました」

「25歳までに一生極めていく仕事を見つける」夢を失ったときにした思考チェンジ

幼少期からの憧れを胸に、高校は福祉科に進学した。だが高校を卒業するとき、彼女はその道を諦めることになる。

「高校は奨学金で通っていました。大学進学を考えていたけど、奨学金の返済のことを考えるとこれ以上さらに奨学金を借りることは荷が重く感じました。どうにか大学を出なくてもその世界で働ける方法はないかな?とも考えはしましたが、その時はそれどころじゃなくて、とにかく働かなきゃって。

介護業界の就職先もいくつかお話はいただきましたが、給与面が低くて、これもまた返済のことを考えると難しく・・。だからここで一度、福祉の道は完全に諦めちゃったんです。

まさに『夢を失った』という状態でした」

でも、それで終わらないのが松川さん。ある思考チェンジをしたという。

「1回、自分が興味持てることは全部やってみよう、と。まずはハマるところにハマってみようと思いました。で、それも25歳までがリミットだなって。

25歳までに色々やった結果で考えよう、25歳までに一生極めていく仕事を探そうと決めました」



そこで、冒頭でも話した彼女のオモシロ経歴が始まる。18歳で就職して、CLOVERに出会う25歳までの7年間を、「人に声をかけられるままに動いてきた」と彼女は言う。

「とにかく何でもやってみようと思っていたので、人に誘われたり、声をかけられたのをきっかけに、面白そうと思ったらとりあえず動いてみる、という感じ。思えば、自分の『これだ!』という信念で決めてきたことは一度もなかったかもしれないですね」

「CLOVERの前職もその一つで、その前に勤めていた飲食店の常連さんだったお客さんに誘われて転職しました。最初はクレープの移動販売部門に居たんですが、営業もできそうだしやってみない?と声がかかり、求人広告の営業部門も並行してやることになり。

クレープ焼きながら、営業のお客さんの電話を受けていたこともありました(笑)イベントの企画なども任せてもらえて、すごく充実した時間を過ごしていたんです。すべてが上手く行き過ぎていたから、辞めようという思考もなかったんですよ。でも同時に葛藤みたいなものもあって。何不自由ない、でも、平凡だなって。

それと、いざ将来のことを聞かれた時に、結婚、出産なども考え始めていたりして。今の働き方は、一生できる仕事ではないなという不安も感じていました」

そのとき、「一生極めていく仕事を見つける」というリミットにしていた25歳を迎えていた。不満はないけど、決定打もないという状態。そんな中、CLOVERの求人を見つける。



「求人広告の営業をしていたので、いろんな企業の採用情報を見るんです。たまたま私が担当していたのが介護、医療、保育系のクライアントで、その業界の求人情報をリサーチしていました。

そこで見つけたのがCLOVERだったんです。

『未経験、無資格OK』『資格を取得しながら働ける』ということが書かれていて、就職してからの7年間、一度も脳内にちらつきもしなかった福祉の道を思い出しました。大学に行って、資格を持っていなければいけないと勝手に思っていましたし、その情報を知り得る環境がなかった。

このとき初めて、資格がなくても働けるかも?働きながら資格取れるかも?って考えました。まだ転職するなんて決めていなくて、とりあえずその話だけでも聞きたいと思い、応募。面接をしてくれた社長の香丸さんが、私のキャリアプランを考慮し、もしクローバーに⼊社したら…と具体的な資格取得の段取りを提⽰して、『3か月、待っていますので。ぜひ考えてみてほしい』 と⾔ってくださって。

今しかない、今やらなければもう二度とこの道はない、と思い立って、CLOVERに来ることを決めました」

「これまでやってきたこと、すべてが無駄じゃなかった」と思えた福祉の現場

まずは色々やってみようという気持ちでやってきた多種多様な仕事たち。その経験を持った彼女だからこそ見える、福祉の景色はどうだったのか?

「CLOVERに来て一番良かったなと思うのは、これまでやってきたことが全部無駄じゃなかったなと思えることですね。

ゲストにも色々な人生があるので、共感してもらえたり、逆に共感できることが多くあります。アパレル経験のおかげで、洋服好きな方とファッションの話ができるし、飲食店やクレープ販売の経験で、お料理でゲストに喜んでいただけるキッカケになる。

全部、通ずるものがあるなと感じています」

元々は障害児分野を目指していた彼女は、現在は高齢者デイサービスで勤務している。その現場をどう感じているのか?

「その人の理想とする生活を叶える『サポーター』という感じです。元々目指していた『先生』というポジションではないけど、一人一人の人生をすごく近くで見させていただいている。ゲストにとって、人生の残りの時間をどれだけ楽しいものにできるかを考える日々です。

それに新しい発見もありました。

元々は障害福祉に興味がありましたが、障害者の方も高齢者になりますよね。高齢者福祉に関わることができたことで、障害者の方の将来的な支援にも役に立てるんじゃないかなと感じています」

高齢者と子ども、両者を見れるプロになって「共生」をつくりたい

かつては「大学を卒業していなければできない仕事」と思い込んでいた福祉の世界。そこで一生の仕事をしていくと決意を固めた彼女は、いま、また新しいチャレンジを始めている。

「いま、クローバーで働きながら、夜間で保育士の専門学校に通い始めました。

きっかけは、クローバーに来て『多世代共生』のことを知ったことです。クローバーは、子連れ出勤で子どもたちが当たり前のようにデイサービスにいたり、放課後等デイサービス(発達障害児支援)と高齢者デイサービスが一緒になった「共生型デイサービス」があったり、多世代で「共生」していくということに力を入れています。また、障害児福祉に関する興味は変わらずあり、子どものこともちゃんと学びたいと思うようになりました」

松川さんにとって、「共生」とは?

「同じ人たちがいる環境じゃなくて、自分と違う人、違う経験を持った人がいる環境は刺激になると思います。障害を抱えた人たちは、一つのところにまとめられるから、周りから「なんか違う」と言われてしまうんじゃないかなと。

いろんな人が一緒にいたら違うことが当たり前だし、刺激になって、自発的な行動につながるかもしれない。そんな場所があったら、叔母のようにいろんなことを我慢してきた人でも、自分でもできる!と思える気持ちが湧いてくるんじゃないかな。

いまは、現場で高齢者のことを学び、学校で子どものことを学び、両者を平等にケアできるプロになりたいと思っています」

「私自身も人と繋がっていることでやりがいを見出せる人間なんですよね。幼いころから、母親に言われてきたのは『人に可愛がられる人になりなさい』ということでした。小学生の頃から、母親が働く美容室に通ったり、叔母の作業所に行っていたり、常に人に囲まれて生きてきた気がします。

アパレル店員、飲食店、営業職、過去の仕事もすべて人に関わる仕事でした。やっぱり、人が好きなんですね」

いろんな人生経験があるからこそ、「共生」という世界で人それぞれの違いを楽しみながら、多様な人に向き合うことができるのかもしれない。

そんなことを思わせてくれるインタビュー時間でした。松川さん、ありがとうございます!

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