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動物医療DXにかける想いと今後の展望

株式会社Bomoは、動物病院のDXを推進するクラウド型の業務改善システム「Wonder」を開発・提供しています。ペットを飼っている人にとっては馴染み深い動物病院ですが、予約方法が電話のみであるなど、アナログで非効率な業務が多く存在しています。弊社では、そういった複雑な業務を効率化し、結果として動物たちの健康促進につながることを目指しています。

今回は、プロダクトの誕生に至る経緯や、今後の展望について、COOの松尾亮さんにお話を聞きました。

紆余曲折を経て、動物病院のオンライン予約サービスに注目

ーーこれまでの経歴を教えてください。

新卒でITベンチャーに入社し、PRやソーシャルメディアマーケティングの営業を担当しました。在籍中にマザーズ上場を経験したので、その前後をそれぞれ1〜2年ずつ見ることができました。IPO前後の攻めの部分も守りの部分も身をもって経験したので、非常にいい経験になりましたね。

その後、株式会社フリークアウトに入社。広告運用コンサルタントや営業マネージャーとして事業推進を行なった後、同社インド子会社の代表取締役/東南アジア統括責任者としてアジア圏で仕事をしていました。しかし、ちょうどその頃に新型コロナウイルスが大流行し、なかなか日本に帰れなくなりました。家族にも会えなくなってしまったため、2021年に転職し、帰国しました。

帰国後は、株式会社マネーフォワードでPMM(プロダクトマーケティングマネージャー)として事業戦略策定/市場調査/KPI管理などに従事。2022年1月にBomoにCOOとして参画しました。

ーーなぜ動物関連の事業をやることになったのでしょうか?

理由の一つは、もともと動物が好きだったことです。実家で以前は犬を飼っていましたし、今は自宅でミニチュアシュナウザーを飼っています。

もう一つは、代表の村田の取り組みに感銘を受けたからです。出会った当時、彼はドッグフードを作っていたのですが、もともと彼は自分と同じIT界隈の人間。そんな人が栄養士や獣医師と壁打ちしながら、泥臭いプロセスを経てドッグフードを作ったのはすごいなと驚きました。私ももともと独立や起業に興味がありましたし、かつペット産業は自分ごと化できる領域だったので、二人でやっていくことに決めました。

ーー松尾さんは営業や経営、事業開発などを経験されてきて、村田さんも営業出身とのことですが、なぜそんなお二人が業務改善システムのプロダクトを作るまでの経緯を教えてください。

二人ともプロダクトを作った経験はなかったので、かなり苦労しました。実際、現在の業務改善システムにたどりつくまでに、2回大きなピボットをしています。

最初はペットフード事業でいこうとしていたのですが、とにかくマーケティングの予算規模や効率性が物を言う領域であると気づきました。資本力がないと戦えないと思い、早々に見切りをつけてソフトウェア1本でやっていくことに。

次は、動物病院の在庫管理システムに目をつけました。病院の薬をはじめ、医療用手袋などの備品や資材の管理ですね。しかし、在庫管理は非常に複雑で、加えて医薬品メーカーや卸売業者など巻き込まなければいけない会社が膨大にあります。数ヶ月取り組みましたが、これはちょっと難しいということで、こちらも早々に見切りをつけました。

こうした失敗から、最初に取り組みやすい課題は何か分析した結果、動物病院の予約の話が出てきたんです。オンライン予約サービスを導入している動物病院は少ないですし、かつ開発の難易度や導入ハードルもそれほど高くない。知り合いの動物病院に話を聞いたり、他の病院にもインタビューを行ったりして、2022年の5月頃に予約サービスでいこうとなりました。

業務効率化が進むことで、診察待ち時間の短縮に

ーー動物病院にオンライン予約サービスが導入されていないのはなぜでしょうか?

理由の一つは、病院に来る理由(主訴)を電話で直接聞いて予約を受け付けないとうまく回らない、と思っている病院が多いことだと思います。人間の場合は内科や皮膚科、耳鼻科といったように科が分かれていますが、動物病院はほとんどが総合診療です。そのため、電話で主訴を聞いたうえで、予約ができるのか、専門医を呼ぶのか、もっと大きな病院に行くべきなのか、などを判断するんです。

ーー主訴を聞く必要があるのであれば、どのようにして、電話の予約をオンラインへと移行するのでしょうか?

「全ての予約を電話で受けなければいけない」というのは固定観念だと思っていて、電話予約とオンライン予約の使い分けができると考えています。私たちは予約の内容を複雑性、緊急性の観点で4段階に分けて捉えており、そのうち1〜3はオンライン予約に移行できると考えています。実際に現在「Wonder」を使っていただいている病院でも、1〜3の診療内容の予約を中心に導入してもらっている例が多いです。すべてをオンライン予約化することを目的にせず、各病院に合わせて「Wonder」の活用方法を変えていただいています。

ーーオンライン予約ができることによる、動物病院側、利用者側のメリットをそれぞれ教えてください。

まず動物病院としては、電話を受けなくていいのが非常に大きなメリットです。スタッフの人数が限られているので、診療を中断して電話を取るか、診療を優先して電話を無視するかを選ばなければいけないことも多々あります。そこのストレスを解決できるのは大きいと思います。

利用者側は、待ち時間が減ります。診察までの待ち時間はもちろんですが、薬の処方に時間がかかる場合も多いんです。たとえば薬の用意に30分かかるとすると、予約なしだと病院に着いてから30分待たなければいけないけれど、予約しておけば病院側で事前に作っておくことができます。

ーー利用している動物病院からはどのような声が上がっていますか?

業務の効率が上がったとか、仕事のミスが減ったとか、そういった声をいただいています。ゆくゆくは、動物病院に対する患者の満足度が高まることで、再来院率が上がり、健康診断などの予防医療もお願いするなどで客単価も上がる、といったことを実現したいと考えています。

国内の動物病院はもちろん、いずれは海外にも「Wonder」を普及させたい

ーー競合となる会社はいますか?

動物病院向けの予約サービスのみで捉えると、先行している複数の会社やサービスが思い浮かびますが、「Wonder」が中長期的に描いているビジョンで捉えると、今の時点では国内ではいないと思います。近しい領域だと、人間の病院向け、調剤薬局向けにはサービスを展開している会社がいますが、動物病院の領域に参入してくる可能性は低いと思います。なぜなら、ペットを対象とした動物病院は国内に13,000件ほどしかなく、市場が小さいためです。

ーー市場が小さいとのことですが、その領域でやっていこうと思えたのはなぜでしょうか?

人の医療機関向けにサービス提供している会社さんがグロースしているのを見ていたので、動物病院でも需要があると思いました。また、海外には動物病院専門でサービスを展開している会社があり、そこが順調に資金調達しているのも見ていたので、日本でも同じように成長できると考えています。

ーー今後はどのように事業を大きくしていこうと考えていますか?

動物病院の業務改善という点はぶらさずに、深堀りしていきたいと考えています。今は予約サービスのみですが、徐々にサービスの幅を広げていきたいですね。

そのあとは海外展開も考えています。私はアジアでゼロからチームを作った経験があるので、どこの国でやるかなども見当はつけています。現地の動物病院に足を運んでみないとわからないこともありますが、動物・ペット産業は大事にしつつ、さまざまな国にサービスを展開していきたいです。

ーー現在はどのようなフェーズで、なぜ今人材を募集しているのでしょうか?

事業としては初期段階で、これまではあえて10〜20病院に絞って「Wonder」を使っていただき、「追加でこういう機能を開発してほしい」という声を吸い上げて、プロダクトを磨き上げてきました。今後は、PMFを目指しつつ磨き上げられた「Wonder」を自信を持って他の病院に広げていきたいと思っています。そのためには人が必要ですので、一緒に戦っていく一人目の正社員を募集しています。

動物病院の業務効率化は、自分たちにしかできない

ーー採用にあたり、どのような能力を持っている方だと好ましいですか?

営業力は必須ですね。課題を抱えている病院は忙しいのでオンラインでの営業は受け入れてもらいにくいし、そもそも私たちのことも知らないですし。現場に出向いてしっかりとプロダクトを説明する、という泥臭い営業は避けて通れないと思います。また、パートナーセールスにも注力しているので、医薬品の卸売会社や病院の開業コンサルティング会社、電子カルテの会社といったところともうまくコミュニケーションが取れる方だとうれしいです。

顧客が中小企業や箱物ビジネスをやっているところへの営業経験者だと、比較的やりやすいかなと思います。

ーーBomoで営業として働くことのアピールポイントを教えてください。

今から拡大していこうというフェーズで、一人目の営業として働けることです。前例がないのでゼロから作っていかなければいけない苦しさはありますが、考え方を変えれば自分で営業のやり方を作っていくことができます。このフェーズでジョインするメリットは絶対にあると思っています。

ーー営業をするにあたって、会社やプロダクトの強みなどを教えてください。

先ほどの市場規模の話と裏返しではあるのですが、動物病院DXという領域では強い競合がいないんです。だからこそ、現場に足を運んで課題を整理して、素直にそれを解決するプロダクトを作れば成功すると思っています。

ーーマインド面では、どういう人が向いていますか?

成長意欲があり、好奇心旺盛な人がいいですね。成長段階のフェーズなので流動的な業務が多く、時には長時間の業務をお願いすることもあると思います。そういったことも許容できて、楽しんで働ける人だとうれしいです。また、まだPMFしきっていない段階なので、ゼロから事業作りに携わりたいと思っている人にはぴったりだと思います。

ーー同じような経験ができる他社と比べたときの、Bomoで働く魅力を教えてください。

動物病院の業務効率化やDX推進は、私たちがやらなければ他にやる人がいません。その使命感は、なかなか他社では感じにくいんじゃないかと思います。

人向けの医療機関や飲食店などにも同じようなサービスはありますが、それらは自分がやらなくてもきっと誰かがやってくれます。私たちは、私たちにしか解決できない課題に取り組んでいて、新しく入ってくれる方の力を必要としています。動物病院DXという領域でのファーストペンギンになれますし、事業を自分ごと化して取り組めるのは、他にはない魅力だと思います。

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