— 税理士法人と一緒に株式会社も立ち上げた背景について、教えてください。
花城:そうですね。まず「アーリークロス」という名前の由来からお話しします。
経営には、「ヒト」「モノ」「カネ」の三大リソースが必要ですが、そこに「時間」という要素も加わると考えています。サッカーに例えるなら、企業経営におけるゴールは社会課題の解決やミッションの達成です。
ゴールを決めるフォワードが「モノ」、つまり製品やサービスだとすると、「ヒト」と「カネ」は経営上の守備的な要素、いわゆる総務や採用などのバックオフィスに該当します。これら守備的な要素を持つ私たちが、必要な情報や支援を最速で提供することが重要だと考えています。
私たちが財務や人材の立場から情報や提案を迅速に行い、5年かかる目標を3年で、10年かかる目標を5年で達成するサポートを目指しています。この想いから、社名を「アーリークロス」と名付けました。
会計事務所に勤務していた際、中小企業が抱える課題を解決する中で、財務支援の重要性を強く実感していました。
税理士法人は税務支援を通じてその役割を果たしていますが、私たちはさらに、営業支援や採用支援など、ヒトを軸にした支援を提供したいと考えました。
そこで当時、資産運用支援、人材紹介、そして営業支援をカバーするために「株式会社アーリークロス」を設立しました。現在は、年金問題という社会課題解決により注力するため、人材紹介、営業支援はしていないですが、資産運用支援は、企業型DCの導入支援を通してより多くの人たちに支援ができるようになったと思います。
年金2000万円問題への挑戦:個人支援から始まった活動
— 創業当時、まだ企業型DCは取り扱っていなかったのですか?
花城:はい、資産運用支援と人材支援を行っていました。
— そのタイミングで西田さんが入社されたのですか?
西田:はい。株式会社を立ち上げるタイミングで入社しました。主に営業支援をしていました。お客様向けの営業活動をサポートする仕事です。
— メンバー紹介インタビューで「面白そうだったから入社した」と伺いましたが、具体的にどういった点が面白そうだと感じたのでしょうか?
西田:花城さんがこれから成長するだろうと直観的に感じて、自分から声をかけました。
事業内容というより人を見たって感じですかね。
花城:創業最初の2、3年間は、資産形成や財務支援を中心に取り組んでいました。その頃から「年金2000万円問題」を解決したいという想いが強くあり、経営者や友人に向けて、FP業務として保険見直しや資産運用、不動産投資の情報提供を続けていました。
企業型DC導入の決断:個人・企業・社会課題への解決策
— 企業型DC導入のきっかけを教えていただけますか?
花城:はい。個人への支援だけでは、一歩踏み出す人の数はどうしても限られてしまいました。このままでは、周りの人たちを幸せにできたとしても、社会全体の課題を解決するには遠回りだと感じたんです。
そこで、もっと広がりを持たせ、早く課題を解決する方法を模索していたときに出会ったのが、企業型DCでした。現場で支援を行ってきた経験から、経営者の5人に1人が退職金が200万円未満という課題の実態も理解していました。
こうした背景から、企業型DCは、個人の課題、企業の課題、そして社会全体の課題の解決に直結すると確信したのです。まさに、私たちアーリークロスの想いにぴったりの仕組みでした。
この企業型DCを通じて、これまでの知見を活かしながら、社会全体に広がる価値を提供していこうと決意しました。
— 企業型DCへのモデル変更は順調でしたか?
西田さん:最初は苦労しました。特に制度や手続きがわからず、厚生局とのやり取りや就業規則の見直しなどが大変でした。
— どうやって乗り越えたのですか?
西田さん:まずは私たちが導入を進め実際に体験をし、知見を貯めて、その後に導入企業をフォローする形で進めました。
何が起きるかわからない状況の中で、最初は試行錯誤しながら取り組みました。
新たな仲間の加わりと組織の拡大
— その後、塩山さんや大地さんが加わったのですね。
花城さん:そうです。最初の1年半は西田さんと二人で走り続け、パートナー制度の構築やサービスラインの設計を行いました。そこから、弟である大地や塩山さんが加わり、さらに仕組みをブラッシュアップしていきました。
2023年9月には、第一四半期で42件の導入実績を達成し、当時の過去最大の成果を上げることができました。そして2024年9月には、単月で50件の導入を達成し、日本一の実績を誇れるまでになりました。毎年9月が、特別な月になりつつありますね(笑)
— 大きな成果ですね。新たなメンバーも続々加わった直後ですね!
花城さん:はい、現在の体制ができ新しい仲間が増えたおかげです。創業当時に比べると財務や人材支援を通じて中小企業の課題解決に取り組み、そして企業型DCという新しい形を取り入れることで、経営者や従業員、そして社会全体の未来を支えるサービスを提供できるようになったと思います。
私たちが大切にしているのは、目標をただ達成するだけではなく、できるだけ早く、そして持続可能な形で実現することです。
これからもメンバーと共に、全力で支援のパスを出し続け、より多くの企業と社会の課題を解決していきたいと思います。