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2024/04 CTOオープン社内報vol.9 『自身の仕事における考え方』


皆さんこんにちは!スマートラウンド CTO の小山( @doyaaaaaken )です。

このオープン社内報は、CTOである自身が普段「なにを感じて、どんなことを考えているか」について、月に一回、社内へ共有する試みです。

“オープン社内報” という名称のとおり、この文章の内容は一部編集した上で会社ブログに公開する予定です。

※ まれに社内限定公開の回もあります。前回のvol.8は社内向けの内容だったため、社外に公開する予定はありません。

今回のテーマ:『自身の仕事における考え方』

最近入社した方が多いこともあり、エンジニア以外の方も含め、僕が直接一緒に仕事をさせていただく機会がある方もここ最近増えてきました。

一方で僕がどんな価値観の人なのかわからないと、仕事を進めづらいかもしれないと思い、今回のテーマを選択しました。

僕が仕事をする上で大事にしている点を共有することで、皆さんと一緒により良い仕事をしたいと思います。エンジニアだけでなく、あらゆる職種に当てはまる内容として書いています。

また直接一緒に仕事をしていない人にとっても、いちCXOの視点として参考になる部分はあるかもしれません。

1. 相手の思考過程を知る

僕は他の人によく「なぜそう考えたのか?」を質問します。
なぜそうするのかというと、目に見える結果そのものだけでなく、その人が過程においてどのように考えたのかを知りたいからです。

仕事において、僕は「再現性」が大事だと思っています。そして再現性は、正しい思考過程を持っている場合に生まれます。
思考過程が適切で「成功の再現性」がある場合は、仕事をした分だけ成功が生み出されるわけなので、どんどん仕事が依頼されます。
一方で「失敗の再現性」がある状態においては、残念ながら仕事をお任せできないでしょう。

また相手の思考過程を知ることで、より深い協業が可能になります。
相手に対する想像力がより働くようになるので、相手の動きを先読みして上手に連携できますし、より良い議論・フィードバックもできるようになります。
特にスマートラウンド社は先々月のオープン社内報(以下記事)で紹介したように多様性が高い組織なので、この姿勢を大事にしています。

2024/02 CTOオープン社内報vol.7 『スマートラウンドのメンバーってどんな人が多いですか?』 | スマートラウンド
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2. タスク以上に役割を任せられるのを理想とする

僕は昔からよく、Epicオーナーになったエンジニアの方に「丸っと仕事をお任せしたい」という表現を使っています。

※社外向け注:スマートラウンドでは中・大規模のIssueはEpicと呼ばれ、そのオーナーの人がEpicオーナーと呼ばれます。Epicオーナーはプロジェクトリーダーとしてプロジェクト管理などの諸々の実行責任を持ちます。

これは「僕が一切何もしなくても、お願いした人が自身の判断で動き、勝手に良いものができていく(ノー・マネジメント)」状態を理想だと考えているからです。
1で紹介したように、思考過程を日頃から頻繁に確認し議論しているのは、その理想状態にたどり着くためという事情もあります。

仕事を依頼する立場の人はよくわかると思うのですが、他の人にタスクをお願いすると、進捗管理やタスク依存管理など、いわゆるマネジメント業が発生してしまいます。
マネジメント業は間接業務なので極力減らし、ユーザに価値を届けることにより時間を使うべきだと考えています。

「ノー・マネジメント」の理想状態にたどり着くために、最初は「依頼されたことを確実にこなす」ところからスタートし、「阿吽の呼吸」のレベルまでぜひ目指していただきたいです!

3. 細部まで議論・フィードバックする

仕事において、よく僕はかなり細かい点までコメントします。

例えばエンジニアとであれば入社後にソースコードの1行1行の意図について議論したりだとか、デザイナーとであれば些細なボタンの位置や色について議論したりなど、かなり細かい点まで議論・フィードバックを行っています。
仮にその部分を修正しなくともリリースできるレベルであったとしても、コメントするようにしています。

CTOとして色々仕事がある中、事業上必要性が低いのになぜ細部までコメントするのかというと、ひとえに「高い基準を作りたい」からです。
「神は細部に宿る」という言葉の通り、詳細まで考え抜くことではじめて見えるもの・創れるものがたくさんあります。

特にエンジニア・デザイナーのようなクリエイター職の人は、良いモノづくりをするため、ぜひ細部まで考え抜いていただきたいです!

また1, 2の話につながりますが、細部まで議論をする過程の中で、互いに考えていることが理解できるようになります。
逆説的ですが、細かい議論を日頃重ねることで、「まるっとお任せする」状態にずっと早く近づけると考えています。

4. 意見の食い違いを理解する

細かい議論を重ねる中で、僕と意見が食い違うことも当然あると思います。
異なる意見になっても全く問題ないので、ぜひ率直に意見を言ってほしいです!
それ自体が(1, 2の話につながりますが)お互いに考え方の理解につながりますし、僕自身の見方に新しい気付きをもたらしてくれるので、僕としては非常に助かります。

一方で僕自身が意思決定者である範囲についてはもちろん、率直に意見を言っていただきつつも、それを採用するかどうかは僕自身が決めることになります。
そのため熱意を持って意見を言っていただいたとしても、採用されないこともあるという点は前提としてご理解いただけると幸いです(採用しない結果失敗した場合の責任は、もちろん僕にありますのでご安心ください)。

余談ですが、僕が個人的に好きなNetflixのフィードバックガイドラインの4Aというものがあるのですが、似た話が出てきたりします。

4Aの内容。画像は株式会社ハートクエイク様の「NO RULESで紹介されているNetflixのフィードバックのガイドライン『4A』」より引用。

5. 信頼貯金を大事にする

なお「意見が割れた場合に相手の人の意見を採用するかどうか」や「どのぐらい大きな役割をお任せするか」は信頼貯金により大きく変わります。

これまで実績を積み上げており、普段から考えのすり合わせも十分に行っている人は、信頼貯金が溜まっているため、僕としてもリスクをとって意見を採用したり大きな仕事をお任せしやすいです。

特に僕が入社したばかりの人達にこれまでお伝えし続けてきたのは、まずは簡単なことでもいいので価値を出して信頼貯金を積み上げることです。
そのためには「何が価値なのか」を把握する必要があるため、1で紹介したように、考えのすり合わせが必要になります。

信頼貯金を積み上げ、その貯金を使いリスクあるプロジェクトにチャレンジし、それを成功させることで元以上に大きな貯金を積み上げ…というサイクルを回していけると理想だと思います。

6. アイデア・課題提起よりプランを理想とする

まず誤解があるといけないので書くと、アイデアや課題提起も大事です。
しかし理想状態としてぜひ目指してみてほしいのは、それらを具体的なプラン(=実行可能な計画)まで落とし込むことです。
(その上で、ご自身で実行までできると最高すぎます!)

一般的に会社や事業というのは課題だらけであり、課題やその解決アイデアは正直探せばいくらでも見つかります。
スタートアップはその最たる例で、課題まみれです。
むしろ「数ある課題の中でどれが解決すべき課題なのか見抜くこと」や「課題解決をスピーディに実行に移すこと」がより大事です。

大事なことなので再度書くと、アイデアや課題提起は大歓迎です!
そのうえでぜひもう一歩トライして「プラン(実行計画)に落とし込むとどうなるのか」についても一緒に考える癖をつけてみていただきたいです。

詳細なプランを考えることにより、アイデアはさらに別の形へと昇華し、課題は「解決すべき課題は別にあった」「そもそも解決するほどの課題ではない」などの気づきに繋がります。

またスタートアップで働く人にとって大事なのは実行力ですが、実行力は実際に実行するだけではなく、詳細なプランを練るだけでも育ちます。
僕はよく「具体的にはどうやるのか?」という質問をしますが、まさに実行力が大事だと考えており、それを身につけてほしいと考えている背景があったりします。

ちなみにこう考えるようになった原体験として、自身のスマートラウンド創業期における行動様式に対する反省があります。
僕は当時数名のチームだった頃に、サニーさん(編注:代表の砂川)に「ここのUX・機能はこの方向性にすべきではないか」などの提案を自分からよくしていました。
しかし、詳細な仕様検討はプロダクトオーナーであったサニーさんの役割だったこともあり、あくまで課題提起や方向性の提案だけ行い、具体の解決策であるUI・機能要件などがどうなるべきかまでは考えていませんでした(それを考えるのはサニーさんだ、というスタンスを僕は取っていました)。

当時サニーさんが営業で超多忙なことや、機能リリースを急がなければいけなかった事情もあり、それらの提案の多くは通りませんでした。
しかし今思うと、役割の壁を超え、詳細まで考え抜かれてあとは実行するだけな「プラン」を提案していれば、通るものも色々あったのではないかという反省があります。

またOSS(オープンソースソフトウェア)文化も自分に影響を与えています。
世の中のほとんどのシステムは、オープンソースと呼ばれる個人が作成し公開しているソフトウェアパーツ(大抵無料)を多数使って動いています。
smartroundももちろんそうです。

オープンソースは個人作成のものが多いこともあり不具合もよくあるのですが、一方でソースコードが公開されているので「文句があるなら自分で直す(修正リクエストを送る)」方式になっています。

アイデアや課題提起も立派な貢献(Contributionと呼ばれます)として歓迎されつつも、自分で手を動かして問題を修正する人が世に貢献する人として最も称賛される文化であり、後に自分が「課題を感じるなら自分が直せばいい」という考え方になるきっかけにもなりました。

僕自身がこの考え方で自身の実行力を大きく伸ばしてきたので、ぜひ皆さんにもおすすめしたいと思った次第です!

以上です!
ご不明点や質問があれば遠慮なくください! 👍

なおこれは「僕自身が仕事を依頼される側としてもしっかり守ってきた」ということも申し添えておきます。

ここまで読んでスマートラウンドに興味を持っていただいた方や、もっと話を聞いてみたい!と思われた方はぜひWantedlyからご連絡ください。

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