「東海理研って、何の会社ですか?」
いまこう聞かれたら、「マルチエキューブをつくっている会社です」と答える方が多いかもしれません。駅で荷物を預けたり、受け取ったりできる、あの多機能ロッカーです。
でも、58年前の東海理研がつくっていたのは、郵便局の棚でした。
板金の会社が、どうして顔認証やロッカーの仕組みまでつくるようになったのか。今回は、東海理研が何度も「自分を変えてきた」58年を、節目ごとに振り返ります。年表をなぞるだけでなく、そのたびに何を見て、なぜ変わったのかをお伝えします。
1968年、郵便局の棚から始まった
東海理研は1968年、岐阜県武儀郡武芸川町(いまの関市武芸川町)で、精密板金加工のメーカーとして生まれました。
最初に手がけたのは、郵便局のバックヤードで使われる「道順組立棚」です。郵便物を、配達する道順に並べ替えるための棚です。
金属の板を切り、曲げ、組み上げる。目立たないけれど、毎日の仕事を確実に支える道具をつくる。ここが東海理研の出発点です。
1987年、箱が動き出した
最初の大きな転機は、1987年の「くるくるポスター」です。板金でつくった箱に、動く仕組み(駆動部)を組み込んだ製品でした。
板金を加工するだけでなく、商品そのものを自分たちで考えてつくる。東海理研はここで、板金の加工メーカーから、「動きを持った板金商品」の開発メーカーへと舵を切りました。
何をつくるかを、自分たちで決める。この後の変化は、どれもこの一歩の延長線上にあります。
1996年、箱が「見分ける」ようになった
次の節目は1996年です。板金の製品に電子基板を組み込み、磁気カードで認証する什器を開発しました。
箱が動くだけでなく、カードを読み取って、使ってよい人かどうかを見分ける。東海理研はこれを「ソフトを備えた板金商品」と呼び、ここから電子とソフトの技術を社内に積み上げていきます。
2001年、「守る」箱へ
2000年代に入ると、世の中の空気が変わります。情報があふれ、企業には情報漏洩への対策や、社員の行動の管理が求められるようになりました。
その変化を受けて、東海理研は2001年、オフィスセキュリティ商品の開発・提案メーカーへと進みます。2006年には、フリーアクセスゲートがグッドデザイン賞を受賞し、中小企業庁長官特別賞もいただきました。
社長の代替わりも、大きな転機でした。個人情報保護法ができ、情報を管理する大切さはこれからもっと高まる。そう見込んで、まだ広まっていなかった顔認証システムや、ICチップを載せたデジタルキーの開発にいち早く取り組みました。
2020年、「誰もが使う」箱へ
それまでの製品は、主に企業の中で使われるものでした。2020年からは、一般の方が直接使う製品へと広げています。いまでは、駅、ショッピングモール、飲食店、病院、ホテルなどで東海理研の製品が使われています。
その代表が、KDDIと共同開発した多機能ロッカー「マルチエキューブ」です。予約・預入・受取・発送の4つの機能を1台にまとめ、2026年5月には設置台数が1,000台を超えました。
郵便局の棚から始まった板金の箱が、いまは駅で人の荷物を預かり、届けています。
▼ロッカーを超えた、“都市と人のインフラ”をつくる仕事。—マルチエキューブ事業の最前線から—
ロッカーを超えた、"都市と人のインフラ"をつくる仕事。-マルチエキューブ事業の最前線から- | 東海理研株式会社
なぜ、変わり続けられたのか
振り返ると、東海理研がつくってきたものは、ずっと「箱」です。棚、動く箱、カードで認証する什器、ゲート、ロッカー。形は変わっても、板金の箱に何を足せば、次の困りごとに応えられるかを考え続けてきました。
その根っこにあるのが、社訓の「これでよいか」です。いまのやり方に満足せず、仕組みを問い直し続ける。この一言が、全社員の行動の指針になっています。
もうひとつ、変わることを怖がらない空気もあります。今年4月の入社式で、社長はマシュー・サイドの『失敗の科学』を引いて、「失敗は成功の基、失敗は成功の母」と新入社員に語りました。安心できる環境があるから、失敗から学べる。新しいことに挑めば、うまくいかないこともあります。それを次に活かせることが、変わり続けるための土台なのだと思います。
社員約100名で300件以上という特許の数も、この積み重ねのうえにあります。
▼特許300件以上。社員100人の会社が、なぜそんなに発明しているのか
特許300件以上。社員100人の会社が、なぜそんなに発明しているのか | 東海理研株式会社
58年目のいまも、変わっている途中です
変化は、昔の話ではありません。
• 2025年、過去最高の売上を達成。社員と家族あわせて約100名を、ぎふ長良川花火大会の観覧席に招待してお祝いしました
• 2026年7月、SECURITY SHOW 大阪に出展。電話やWebが中心だった新規の営業を、製品を見て触ってもらう形に広げる挑戦で、ブースのレイアウトは若手社員が中心になって考えました
• 2026年10月、日本赤十字社医学会総会に出展。顔認証・指静脈認証の薬品保管庫などを、医療の現場の方に向けて展示しました
そして次の目標は、売上高100億円です。
次の「変わり方」を、一緒に考えませんか
東海理研が58年続けてきたのは、同じものをつくり続けることではなく、つくるものを変え続けることでした。
次の変化をつくるのは、これから仲間になる人たちです。いま東海理研では、営業、開発(機械設計・電気設計・SE)、生産管理、情報システム(SE・プログラマ)の仲間を募集しています。
「これでよいか」と考えるのが好きな方。板金の箱に何を足せば、世の中がもっと便利になるかを、一緒に考えてみませんか。ぜひ一度、お話ししましょう。
東海理研株式会社

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▼東海理研のあゆみ
