グローバルエンジニアリング 総務部の山本です。
前回のVol.2「風呂敷を広げた先」では工事スケジュールを組み上げ、いよいよ着工、という所までお届けしました。
今回のVol.3は、荷物の運び出しが終わり、現場が動き出してからのお話。後はスケジュール通りに工事を進めてもらうだけと思っていた矢先、いざ既存の事務所の解体が始まってみると、この場所の「歴史」が、思わぬ形で姿を現しました。
そして、計画の終盤に飛び込んできた、ある“大きな決断”。現場で待っていた数々の「想定外」と、それを一つずつ解決してくださった業者の皆さんとの記録です。
【今はなき、解体前の会社エントランス 最後の様子…】
目次
1. 図面の上では、すべてが綺麗だった
2. 解体して初めて見えた「歴史」
3. 土台と隠れた配管、 想定外との格闘
4. 急遽決まった、もう一つの主役(大型LEDビジョン)
5. 描き直された、オフィスの“顔”
6. 電力を、新たに引く
7. 利用開始日との、ぎりぎりの闘い
8. Vol.3 総括
1. 図面の上では、すべてが綺麗だった
Vol.2でお伝えした通り、図面と計画がFixし、各社の日程も何とか調整完了。全てがパズルのように噛み合っていました。正直に言うと、この時の私は少し安心していました。「東京の時もこれでうまくいった。3月末 工事完了のレールに乗る事が出来た」と。
ですが、改修工事——とりわけ「同じビル内でのリニューアル」というのは、新築とは決定的に違う点がありました。それは、“今ある建物を一度壊してみないと、本当のことは分からない” ということ。図面はあくまで、見えている範囲の情報を元にした「予想図」でしかなかったのです。
2. 解体して初めて見えた「歴史」
工事が始まり、既存の壁や床が次々と撤去されていきます。見慣れた事務所がみるみる骨組みだけの姿になっていく光景は、寂しさ半分、これから生まれ変わる高揚感半分。工事期間中、私は調整可能な日はほぼ毎日のように現場に入り浸っていました。
そして、壁の内側、床の下——普段は決して目にしない部分が露わになったとき、現場の空気が変わりました。
「この場所はこうなっていたのか…」「補修が必要だが、工事予定に入っていない…」。
何を隠そう、我々の使っている事務所は元々“2部屋”だったものをリニューアル工事で繋げた構造。なので、実は今回のリニューアル工事は2度目です。
私の入社前に行われたこの工事、知識としては知っていても、正直気にもとめていませんでしたが、この、いわば建物の“地層”のようなものが、私たちに牙をむきました。
3. 土台と隠れた配管、 想定外との格闘
具体的に私たちを悩ませたのは、大きく二つ。
一つは、事務所の床・土台部分です。新しいレイアウトでは、壁の位置や給湯室の場所を大きく変える計画でした。ところが解体してみると、床下の構造、特に“2部屋”の境目となっていた部分で「このままでは新しい設計の通りに進められない」という箇所が出てきたのです…。
もう一つは隠れた配管です。壁内部には、過去の工事で敷かれた配管が通っていました。これらをどう避け、どう活かし、あるいはどう移すか。図面だけでは判断できず、現場で実物を見ながら一つずつ対応方針を決めていく必要がありました。
正直、こうした「想定外」が出てくるたびに、頭をよぎるのは「3月末の工期に間に合うのか」という不安ばかりでした。
ですが、ここで本当に救われたのが、内装工事業者の方々をはじめとする現場の皆さんの対応力です。問題が見つかるたびに、「ではこうしましょう」「この期間に何とか追加で人を手配します」と、その場で複数の工事業者の方々が相談・調整して代替案を出してくださり、私たち発注側が頭を抱える前に、次の手を考えてくださっている——そんな頼もしさでした。
Vol.1で「使い始めた後のことを最も真剣に考えてくれている」と書いた、あの姿勢。それは、こうした想定外の局面でこそ、いっそう強く感じられました。
4. 急遽決まった、もう一つの主役(大型LEDビジョン)
現場が想定外と格闘している、まさにその最中。プロジェクトに、もう一つの大きな変化が加わります。それが、DNCへの大型LEDビジョンの導入でした。
新しいオフィスの“顔”となる空間に、大型のLEDビジョンを設置する。
この話が本格的に動き出したのは工事開始後。夢は膨らむ一方ですが、総務的な目線で言えば「このタイミングで、新しい大物を一つ増やす」というのは、かなりの一大事です。
というのも、Vol.2でお伝えした“パズルのような工事スケジュール”は、すでに各社の日程で固まり、現場は既に動き出していました。そこへ後から、新規業者による大物作業を一つ差し込む…。タイミングとしては、控えめに言っても綱渡りです。
それでも「やる」と決まった以上、ここからは各業者の方の力をお借りしながら、物の手配、設置先の準備など、予定になかったものを一つずつ整えていくことになります。
5. 描き直された、オフィスの“顔”
実は、この“オフィスの顔”となるこの壁面は、当初の設計では大型モニターを複数台ならべて設置する想定で、すでにデザインを描いていただいていました。それが、LEDビジョン導入の決定を受けて、急遽「一枚の大型LEDビジョン」を前提とした形へと、デザインそのものを描き直していただくことになったのです。
内装のデザイナーの方には負担をおかけしましたが、それでも嫌な顔ひとつせず、「折角なので、画面と造作棚はツライチ(段差なく面をそろえること)に、棚も完全に平面にしましょう」と、LEDビジョンが最も映えるデザインを再提案くださり、より良い形に作り変えてくださいました。
さらに、LEDビジョンは相応の重量があるため、それを安全に支える専用の土台(架台)が必要になります。こちらも内装工事業者の方とLEDビジョンの専門業者の方とで綿密に打ち合わせして頂き、寸法や条件に合わせて一から設計・制作してくださいました。
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6. 電力を、新たに引く
土台と並んで、いえ、それ以上の課題が電力でした。大型LEDビジョンを安定して動かすには相応の電力が必要で、判明したときは血の気が引きましたが、既存系統(電気設備)からそのまま、とはいきませんでした。
ここで再び力をお借りしたのが、ビル管理会社の皆様です。建物そのものに関わる電力の話となれば、一入居企業である私たちでは到底進められません。
工事完了までに、LEDビジョンのために新たな電力系統を用意する…。この難題に、ビル管理会社の方がオーナー様と設置業者の方とで相談・連携・対応してくださいました。
結果、期日までに新たに追加電気設備を設置し、ビル全体へ電気を供給する“本線”から電気をもう1本引き込み、LEDビジョンに繋がる“電気の通り道”を用意してくれました。
7. 利用開始日との、ぎりぎりの闘い
土台ができ、電力の目処が立つ。残るはLEDビジョン本体の設置をいつ行うか、です。
導入が決まったのも、土台・電源の目処が立ったのも工事の最終盤。本体設置を、すでにびっしり組まれたスケジュールの“隙間”に差し込まねばなりません。しかも利用開始日(リニューアルオープン)は動かせない…。
ここで効いてきたのが、各社の“予定通りの進行”でした。後からLEDビジョンという大物を差し込めたのは、各業者の方がそれぞれの作業を完遂し、“ここしかない”という“数日の隙間”を生み出してくださったからこそです。
そこにLEDビジョンの専門業者の方が日程を合わせてくださり…、
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ぎりぎりで設置完了!そして無事、点灯。新しいオフィスの“顔”が、利用開始日にしっかりと間に合ったのです。
初めて映像が映し出された瞬間は、今もよく覚えています。間に合うか気を揉んだ大物が動き出した安堵と、無理を聞いてくださった皆様への感謝が一度に押し寄せてきました。
8. Vol.3 総括
Vol.3は「想定外」の連続で、それでも記憶に強く残るのは「困った」ことより「助けていただいた」こと。想定外の局面でこそ、各業者の皆様の真摯な姿勢を感じられました。
そして最後に改めて。記事の都合で“想定外”ばかり書いてきましたが、派手に見える「想定外との格闘」の裏で、工事の大部分は各業者の方が予定どおりに進むよう日々確認・調整しながら、着実に仕上げてくださっていました。
解体・内装・電気・通信・電話・什器・蓄電池——その他すべての工程が日程通り寸分の狂いなく進んでいた…。
その“当たり前に見えて、当たり前ではない進行”があったからこそ、私たちは想定外に立ち向かえたのだと思います。1社ずつ名前をあげることは出来ませんが、ご尽力くださった皆様には、心から御礼申し上げます。
さて、次回Vol.4ではいよいよ工事の完了、そしてレンタルオフィスからの帰還と、新しいオフィスで社員のみんなを迎え入れる日のことを書きたいと思います。
これまでの苦労がようやく形になる瞬間です。お楽しみに。